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MGR
うまもち贈物
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これ…、本当にコンビニのおでんなの…?
美味すぎだろっ。
私はオアシスさんと一緒にコンビニで買ったおでんを一緒に食べ進める。
私ははんぺんと大根、こんにゃくとオアシスさんからもらった半分の餅巾着をしっかり味わうため、ゆっくり食べる。
オアシスさんは私と半分にした餅巾着と私があげたはんぺん1つ、ちくわぶ2つを食べて幸せそうにする。
なんでこの人は口にごはんを入れるだけでそんなに幸せそうな顔になるんだろうと、私はオアシスさんの顔を見ながら箸を進めているとぱちっと目が合ってしまった。
やばいっ。見すぎた。
私はいい女風に笑いかける余裕もなく、横目で見えた信号機を見てその場を濁す。
環酉「…男と深夜にごはん食べてるって彼氏さんにバレたらまずいですよね。」
と、突然オアシスさんは申し訳なさそうに聞いてきた。
明人「私、彼氏いないのでまずいも何もないです。」
環酉「あ…、え?そうなんですか?」
私が言った言葉が信じられなかったのか、オアシスさんは少しびっくりした顔を私にまっすぐ向けた。
明人「はい。前に別れてからだいぶ経ちます。」
もう少しで3年彼氏がいないなんて言えない。
オアシスさんには魅力あり気な女を装いたいけど、ズボラな行動をしてしまった私の過去がなかなかそうさせてくれない。
環酉「なんだ…。てっきり…。」
てっきり、なんですか。
そこで言葉を区切らないで教えてください。
キスマーク見ちゃったんですよね。
ちょっと毛玉ついてるブラひも見ましたよね。
それを思い出したなら今すぐ記憶抹消したいんですけど、何を思い出したのか聞いてもいいですか?
明人「…てっきり?」
環酉「いや、なんでもないです。」
そう言ってオアシスさんは少なめにしたおでんの汁を全て飲み干した。
私はオアシスさんとの時間が終わるのが嫌でゆっくり食べてしまったけど、まだはんぺんと大根と半分にした餅巾着が残ってる。
この時間は終わってほしくないけど、オアシスさんをこんな寒空にずっといさせる訳には行かないし早く食べよう…。
私はいつも通りの口で一口大根を食べるともうすでにぬるくなっていることに気がつく。
…急に不味くなるなよ。
今、美味しくなくていつ美味しくなるんだ。
私がぬるめのおでんの汁を一口飲むとオアシスさんと器越しに目が合った。
環酉「ぬるくなってませんか。」
と、オアシスさんは私の口元にある器にそっと触れて温度を確かめる。
環酉「レンジで温めますか?」
明人「…コンビニの?」
環酉「俺の家の。」
私はその言葉に驚き、おでんの器から手を離しそうになるとオアシスさんがとっさにキャッチしてくれた。
環酉「采原さんがよければココアもご馳走します。どうでしょうか…?」
寒さで鼻と頬が一直線で赤くなっているオアシスさんの目は潤んでいて、街灯から照らされる光で宝石のように煌めいて見えるオアシスさんの目の虜になった私はもっと一緒にいたいと思ってしまい、静かに頷く。
環酉「ここから5分もしないとこにあって、暖房もつけたままにしてるので暖かいと思います。」
そう言ったオアシスさんは私のおでんの容器を取り蓋を閉めて、手早く荷物をまとめると立ち上がった。
環酉「…行き、ます?」
明人「行きます…。」
行きます、行きます、行きますとも。
この誘いに乗らないバカに私はなりたくない。
男の部屋だろうとも、自分の家が目の前にあろうとも、足の臭いが気になろうとも、一旦オアシスさんの家には行きたい。
しかもオアシスさんが誘ってくれるなんて嬉しすぎるっ。
私は1日遅れの誕生日プレゼントとサンタさんの働きに感謝しながら、オアシスさんの家に向かった。
…………
冷えたおでんに感謝する日が来るとは思わなかった。
今日の氷点下、ぬるいおでん、ありがとう。
…………
環流 虹向/エンディングノート
美味すぎだろっ。
私はオアシスさんと一緒にコンビニで買ったおでんを一緒に食べ進める。
私ははんぺんと大根、こんにゃくとオアシスさんからもらった半分の餅巾着をしっかり味わうため、ゆっくり食べる。
オアシスさんは私と半分にした餅巾着と私があげたはんぺん1つ、ちくわぶ2つを食べて幸せそうにする。
なんでこの人は口にごはんを入れるだけでそんなに幸せそうな顔になるんだろうと、私はオアシスさんの顔を見ながら箸を進めているとぱちっと目が合ってしまった。
やばいっ。見すぎた。
私はいい女風に笑いかける余裕もなく、横目で見えた信号機を見てその場を濁す。
環酉「…男と深夜にごはん食べてるって彼氏さんにバレたらまずいですよね。」
と、突然オアシスさんは申し訳なさそうに聞いてきた。
明人「私、彼氏いないのでまずいも何もないです。」
環酉「あ…、え?そうなんですか?」
私が言った言葉が信じられなかったのか、オアシスさんは少しびっくりした顔を私にまっすぐ向けた。
明人「はい。前に別れてからだいぶ経ちます。」
もう少しで3年彼氏がいないなんて言えない。
オアシスさんには魅力あり気な女を装いたいけど、ズボラな行動をしてしまった私の過去がなかなかそうさせてくれない。
環酉「なんだ…。てっきり…。」
てっきり、なんですか。
そこで言葉を区切らないで教えてください。
キスマーク見ちゃったんですよね。
ちょっと毛玉ついてるブラひも見ましたよね。
それを思い出したなら今すぐ記憶抹消したいんですけど、何を思い出したのか聞いてもいいですか?
明人「…てっきり?」
環酉「いや、なんでもないです。」
そう言ってオアシスさんは少なめにしたおでんの汁を全て飲み干した。
私はオアシスさんとの時間が終わるのが嫌でゆっくり食べてしまったけど、まだはんぺんと大根と半分にした餅巾着が残ってる。
この時間は終わってほしくないけど、オアシスさんをこんな寒空にずっといさせる訳には行かないし早く食べよう…。
私はいつも通りの口で一口大根を食べるともうすでにぬるくなっていることに気がつく。
…急に不味くなるなよ。
今、美味しくなくていつ美味しくなるんだ。
私がぬるめのおでんの汁を一口飲むとオアシスさんと器越しに目が合った。
環酉「ぬるくなってませんか。」
と、オアシスさんは私の口元にある器にそっと触れて温度を確かめる。
環酉「レンジで温めますか?」
明人「…コンビニの?」
環酉「俺の家の。」
私はその言葉に驚き、おでんの器から手を離しそうになるとオアシスさんがとっさにキャッチしてくれた。
環酉「采原さんがよければココアもご馳走します。どうでしょうか…?」
寒さで鼻と頬が一直線で赤くなっているオアシスさんの目は潤んでいて、街灯から照らされる光で宝石のように煌めいて見えるオアシスさんの目の虜になった私はもっと一緒にいたいと思ってしまい、静かに頷く。
環酉「ここから5分もしないとこにあって、暖房もつけたままにしてるので暖かいと思います。」
そう言ったオアシスさんは私のおでんの容器を取り蓋を閉めて、手早く荷物をまとめると立ち上がった。
環酉「…行き、ます?」
明人「行きます…。」
行きます、行きます、行きますとも。
この誘いに乗らないバカに私はなりたくない。
男の部屋だろうとも、自分の家が目の前にあろうとも、足の臭いが気になろうとも、一旦オアシスさんの家には行きたい。
しかもオアシスさんが誘ってくれるなんて嬉しすぎるっ。
私は1日遅れの誕生日プレゼントとサンタさんの働きに感謝しながら、オアシスさんの家に向かった。
…………
冷えたおでんに感謝する日が来るとは思わなかった。
今日の氷点下、ぬるいおでん、ありがとう。
…………
環流 虹向/エンディングノート
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