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BIRTHDAY
とぽとぽ穴埋
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信之とずっと年末年始を過ごせたのに寂しさが勝っているのか、体がずっと震えてる気がする。
信之「今年は本当の寝正月だったね。」
明人「疲れ溜まってたのかも。」
信之「歳とると疲れは溜まりやすいからね。マッサージしてあげる。」
明人「ありがとう。」
体にはない疲れを取ってもらうために私はベッドにうつ伏せに寝転がり、明日から仕事初めの信之にマッサージをしてもらう。
あの日から数日過ぎたけど、私は気持ちが沈んだままでずっと眠くて年末は夢うつつで年を越し、年始は信之とぼんやりとしたまま神社でご挨拶をしただけで後はずっとベッドかコタツの中でどっぷり寝てしまった。
昔、莉音の本性が分かった時もこうやってたくさん寝て、身長が3㎝伸びたことをふと思い出しまたちょっと嫌な気分になる。
信之「明日はMGRで朝ごはん食べられたらいいね。」
明人「うん。ちゃんと起きて一緒に食べたい。」
三が日が過ぎたから莉音はもうあの店には来ない。
それだけが今の私の中で1番の救いだった。
明人「でも、成紀くんに連れ回されるの嫌だな…。それだったらMGRで1日座ってた方が楽しそう。」
信之「俺いないし、みんな忙しいよ?」
明人「そうだけど…、なんかゆっくりしたい。」
私は自分の吐く言葉でなぜか涙腺が緩んでしまう。
最近こんなことばっかで嫌になるな。
信之とちゃんと顔合わせたいのに泣き顔なんか見せたくないよ。
信之「のんびりドライブとかは?それだったらあんまり体力使わなそう。」
…そういうことじゃないけどそうしておこ。
私はその言葉に返事をして、明日の中華街食べ歩きを辞めてもらうことにした。
私が携帯で成くんとメッセージを交わしていると信之はマッサージを終えたのか、私の腰に乗ったまま倒れて赤ちゃんのように抱きついてくれた。
信之「…もっと一緒にいたいなぁ。」
と、信之は私を強く抱きしめてくれる。
明人「私も。明日は成紀くんと遊ぶのやめて信之のお仕事ツアーしようかな。」
信之「それは暇人の極みだね。」
そう言って信之は声で笑った。
明人「信之といないとずっと暇でつまんなーいっ。」
私は成くんとのつまらないメッセージを投げ捨て、 信之の顔が見えるように体を動かそうとすると信之が私を離してくれなくて仰向けになれない。
明人「上向きたい。」
信之「…うん。」
と、信之はなぜか喉奥に詰まった返事をして私から軽く離れて仰向けにさせると、顔を見せない勢いで私を抱きしめてきた。
明人「…信之?」
信之「ちょっと待って…。」
私はその声であの日を思い出し、信之の大きい背中に抱きつく。
明人「ちゅーしよ…?」
信之「…うん。」
私は信之の顔が見たくてそう言ったけれど、信之は自分の目を見せないように顔を傾けてしょっぱいキスをした。
私は信之がキスを味付けした涙を流す理由が分からなくて、まだ理想の彼女になりきれてない悔しさで涙が出てくる。
信之「悲しいの伝染させちゃってごめんね…。」
明人「いいよ。信之と同じ気持ちになりたい。」
信之「…ありがとう。」
けど、分かりきれてないんだ。
信之が何に悲しくて何で泣いてるのか。
この1年で前よりは信之の事を知れたのに、こういう大事な時に限って分からないんだ。
明人「ぎゅーしながらしよ…?」
信之「たつかな…。」
明人「出来なくても裸ん坊で信之に触れてたい。」
信之「…俺も。」
私は信之と服を脱がし合って悲しさと寂しさを埋め合うために、少し涙を落としながらお互いの体を抱き合う。
これで少し信之の悲しさが紛れたらいいなって思ったけど、眠って閉じられてた信之のまぶたからはまだ涙が溢れていた。
ごめんね。
まだ信之のこと、分かりきれてなくて。
今年は今の信之の事を理解出来る私になるからもうちょっと待ってね。
…………
朝・なし
昼・信之の盗作ピカイチサンド
夜・すきやきうどん
悲しいの伝染させちゃったのは私かも。
だめだめな彼女でごめんね。
おやすみ、信之・明人
…………
環流 虹向/エンディングノート
信之「今年は本当の寝正月だったね。」
明人「疲れ溜まってたのかも。」
信之「歳とると疲れは溜まりやすいからね。マッサージしてあげる。」
明人「ありがとう。」
体にはない疲れを取ってもらうために私はベッドにうつ伏せに寝転がり、明日から仕事初めの信之にマッサージをしてもらう。
あの日から数日過ぎたけど、私は気持ちが沈んだままでずっと眠くて年末は夢うつつで年を越し、年始は信之とぼんやりとしたまま神社でご挨拶をしただけで後はずっとベッドかコタツの中でどっぷり寝てしまった。
昔、莉音の本性が分かった時もこうやってたくさん寝て、身長が3㎝伸びたことをふと思い出しまたちょっと嫌な気分になる。
信之「明日はMGRで朝ごはん食べられたらいいね。」
明人「うん。ちゃんと起きて一緒に食べたい。」
三が日が過ぎたから莉音はもうあの店には来ない。
それだけが今の私の中で1番の救いだった。
明人「でも、成紀くんに連れ回されるの嫌だな…。それだったらMGRで1日座ってた方が楽しそう。」
信之「俺いないし、みんな忙しいよ?」
明人「そうだけど…、なんかゆっくりしたい。」
私は自分の吐く言葉でなぜか涙腺が緩んでしまう。
最近こんなことばっかで嫌になるな。
信之とちゃんと顔合わせたいのに泣き顔なんか見せたくないよ。
信之「のんびりドライブとかは?それだったらあんまり体力使わなそう。」
…そういうことじゃないけどそうしておこ。
私はその言葉に返事をして、明日の中華街食べ歩きを辞めてもらうことにした。
私が携帯で成くんとメッセージを交わしていると信之はマッサージを終えたのか、私の腰に乗ったまま倒れて赤ちゃんのように抱きついてくれた。
信之「…もっと一緒にいたいなぁ。」
と、信之は私を強く抱きしめてくれる。
明人「私も。明日は成紀くんと遊ぶのやめて信之のお仕事ツアーしようかな。」
信之「それは暇人の極みだね。」
そう言って信之は声で笑った。
明人「信之といないとずっと暇でつまんなーいっ。」
私は成くんとのつまらないメッセージを投げ捨て、 信之の顔が見えるように体を動かそうとすると信之が私を離してくれなくて仰向けになれない。
明人「上向きたい。」
信之「…うん。」
と、信之はなぜか喉奥に詰まった返事をして私から軽く離れて仰向けにさせると、顔を見せない勢いで私を抱きしめてきた。
明人「…信之?」
信之「ちょっと待って…。」
私はその声であの日を思い出し、信之の大きい背中に抱きつく。
明人「ちゅーしよ…?」
信之「…うん。」
私は信之の顔が見たくてそう言ったけれど、信之は自分の目を見せないように顔を傾けてしょっぱいキスをした。
私は信之がキスを味付けした涙を流す理由が分からなくて、まだ理想の彼女になりきれてない悔しさで涙が出てくる。
信之「悲しいの伝染させちゃってごめんね…。」
明人「いいよ。信之と同じ気持ちになりたい。」
信之「…ありがとう。」
けど、分かりきれてないんだ。
信之が何に悲しくて何で泣いてるのか。
この1年で前よりは信之の事を知れたのに、こういう大事な時に限って分からないんだ。
明人「ぎゅーしながらしよ…?」
信之「たつかな…。」
明人「出来なくても裸ん坊で信之に触れてたい。」
信之「…俺も。」
私は信之と服を脱がし合って悲しさと寂しさを埋め合うために、少し涙を落としながらお互いの体を抱き合う。
これで少し信之の悲しさが紛れたらいいなって思ったけど、眠って閉じられてた信之のまぶたからはまだ涙が溢れていた。
ごめんね。
まだ信之のこと、分かりきれてなくて。
今年は今の信之の事を理解出来る私になるからもうちょっと待ってね。
…………
朝・なし
昼・信之の盗作ピカイチサンド
夜・すきやきうどん
悲しいの伝染させちゃったのは私かも。
だめだめな彼女でごめんね。
おやすみ、信之・明人
…………
環流 虹向/エンディングノート
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