オカマ上司の恋人【R18】

饕餮

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圭視点

月知梅

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 和やかな雰囲気の中で朝食を終え、そのあとは御節を作りながら昼食の用意をしたりしていた。時折「構ってー」と纏わりつく泪を構いつつ――結局は義母に「邪魔」と怒られる――足りない食材の買い出しを頼んだり、「コーヒーが飲みたい」という穂積家の面々のリクエストに答えたり、夕食の準備をしたりと忙しく動いていた。
 夕方近くになると瑠香や瑠璃が台所に手伝いに来て御節を詰め始めたので、夕飯――結局手巻きになった――の材料を切ったり、酢飯を作ったり、海苔を用意したりと準備をする。
 お酒のつまみと澄まし汁、お茶を用意してテーブルに運ぶと、夕食になった。

 夕食後はゆっくりと過ごし、かなり早めの年越し蕎麦を食べたあとは「除夜の鐘が鳴り始めたらまたここへ戻って来て」と言われ、それぞれの部屋へ向かうその途中で義母に話しかけられた。

「今日はありがとうね」
「いえ。私も勉強になりましたし、お義母さんとのお喋りもすごく楽しかったです」
「あら! ありがとう。いつもならまだ作ってるから、本当に助かったわ。明日は大丈夫だから、ゆっくりしてね」
「はい、ありがとうございます」

 またあとでねと義母は踵を返し、義父のところへ戻る。「行きましょ」と言う泪の言葉に促されるまま、一緒に部屋に戻った。

「あー、お腹いっぱい!」
「私も」
「ちょっと運動してお腹を空かせておかないと」
「え?」

 そう言うなり泪の手が服の裾から入り込み、服を捲るように上へ押し上げて胸を掴まれる。

「あん……」
「あら……ノーブラなんて珍しいわね」
「今日は朝から肩が痛くて……」
「どれ……」

 そのまま服を脱がされてしまい、上半身裸にされてしまうと、泪は肩を揉むように触る。

「あら……だいぶ凝ってるわね……。マッサージしてあげるから、いらっしゃい」
「ありが……くしゅん!」
「ごめんなさい、寒いわよね。お風呂に行きましょ? そこでマッサージしてあげるわ」
「うん」

 手を引かれて連れて行かれたお風呂場は部屋のさらに奥にあった。服を脱がされて先に入ると、泪もすぐに入って来た。

「体を温めてからにしましょうか」

 私の身体を洗い終わると泪も自分で洗い、泡を流すと一緒に湯船に浸かった。

「あー、極楽極楽」
「もう……おじさんみたい」
「あら。そんなこと言うと、口を塞いじゃうわよ?」
「ごめ……んっ」

 謝ろうと思っていたのに泪に顎を掴まれたかと思うと口を塞がれ、舌が入って来る。

「んんっ、はん……っ」

 そのまま舌を絡め、蹂躙するように蠢く泪の舌に翻弄され、泪の口が離れる頃には息が上がってしまい、泪に凭れかかるとキュッと抱きしめられた。

「はあ……っ。もう……」
「あら、お圭ちゃんが悪いんでしょ?」
「うー……」

 何か理不尽な気がしないでもないけれど、余計なことを言うとまたキスをされそうな気がするので敢えて何も言わないことにした。

「だいぶ温まったし、マッサージしてあげるわね」

 泪はそ肩だけでなく首やの近くまで、ゆっくりと揉み解してくれた。

「泪さん、上手……。すごく気持ち良い……」
「あら、ありがと♪ 家でも時々やってあげるわ。でも、どうせなら……別の意味で言わせたいわね」
「え?」

 よく聞き取れなくて聞き返すと、にっこり笑って「何でもないわ」と言われてしまった。

 お風呂からあがったあと、「さっきの続きのマッサージしてあげる」と言う泪に素直に頷いた。しばらく肩や首、背中を揉んでいたのだけれど、「ついでに全身マッサージしちゃいましょう」と愛撫を始め、さらに「アタシのに付き合ってね」と言われて結局抱かれてしまった。
 もう一度お風呂に入り、湯冷めしないように暖かくして二人でテレビをみたりしながら時間を潰し、除夜の鐘が鳴り始めたので夕食を食べた部屋に行くと、ケーキが置いてあった。それを見て、泪の誕生日が元旦だったことを思い出した。

(あ……泪さんの誕生日……!)

 すっかり忘れていたから、プレゼントなど用意していない。

(ど、どうしよう……!)

 内心オロオロしていると義母に「コーヒーを淹れてほしい」と言われたので台所に向かい、コーヒーを淹れ始め、手を動かしながら考える。

(遅れちゃうけど、プレゼントはあとできちんと渡すとして……)

 そこまで考えて、ふと瑠香からもらった透けている下着と言葉を思い出す。

(アレを着るのは恥ずかしいけど……泪さん喜んでくれるかな……)

 喜んでくれるといいなあと考えたところでコーヒーが落ちきったので、人数分を用意して部屋に戻った。
 カウントダウンが始まり、カウントダウン終了と共に新年が始まるとクラッカーの音が鳴り響く。

「全っ然、嬉しくないっ!」

 膨れっ面をした泪に、「忘れていないだけ有難いでしょ?」と義母に返されてますます不機嫌になった泪は、切り分けられたケーキを頬張った。
 解散後、飲み足りない風情の義父や瑠香、瑠璃は残り、私と泪は部屋に戻った。
 寝仕度を済ませ、「疲れたー!」と言った泪は私を抱きしめ、そのままベッドに倒れ込んで布団に潜る。「お疲れ様」と声をかけると、上からのし掛かられた。

「誕生日おめでとう」
「ありがと♪」
「あの、プレゼント用意してなくて……それで……」
「うん、それで?」

 唇にキスが落とされる。

「帰ってから、あの……み、見てもらいたいものがあるの」
「あら……なあに?」
「今は、秘密」

 さすがにここでは考えたことが実行できない。

「えー? いいじゃい! 教えてちょうだい!」
「できれば、二人きりのほうがいいの」
「……ふうん?」

 じっと見つめてくる泪にドキドキするけれど、泪の実家であの姿は見られたくない。それに、そのあと泪がどうするかなんて容易に想像がついてしまう。

「いいわ。楽しみにしておくわね。でも、その前に……秘め初めしましょうか」
「ひめはじめ……?」
「つまり、こういうこと」

 そう言うなり泪が覆い被さり、首筋に顔を埋めて胸を掴み揉み始める。さすがに私は限界だった。というか、泪の細身の身体にどこにそんな体力があるのか、不思議で仕方がない。

「んっ、そ、それも、家の方がいい……」
「うーん……」
「……ダメ?」
「……何でも言うことを聞いてくれる?」
「あっ、一つだけ、なら……」

 揉んでいた手がピタリと止まると、溜息をつかれた。

「仕方ないわね……。いいわ」

 そう言うと隣に横たわり、抱きしめられる。

「お互いに帰ってからのお楽しみ、ってことで」

 にっこりと笑った泪は「おやすみ」と言って寝てしまった。その呆気なさに私のほうが拍子抜けしてしまう。

(何を言われるんだろう……)

 泪の温かい腕の中でぐるぐると考えているうちに、いつの間にか寝てしまった。


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