フォーチュンリング

饕餮

文字の大きさ
15 / 29
現代篇

運命の輪 1

しおりを挟む
 見つけるは偶然。
 出逢うは必然。

 長い時間ときをかけて、ずっとお前を探している。

 因果は廻る、何回も。

 そして幾度も輪廻転生を繰り返し、必ず探し当てる。
 出逢うことが必然ならば、

 きっとお前と、必ず出逢う。


 ***


「今度こそ俺は……。……、あれ? いつの間にか寝ちまったのか……」

 また、いつもの夢。小さい頃から繰り返して見る、知らないのに知ってる、なぜか切なくなる、後悔ばかりしている夢。

「最近は頻繁に見るな……」

 何かの暗示だろうか。それとも何かの前触れか?
 銀髪に、紅い目の少女。まるでアニメのキャラクターのようだ。
 だが、なぜか愛おしい。

「あ~……もうこんな時間か……。みーこのやつ待ってるかな」

 一昨日、高校の後輩で幼馴染でもあるみーここと南海みなみ 透子とうこに会い、開口一番に

「午後三時半に、学校の練成館ね! OBなんだからたまには稽古つけてよ!」

 なんて言われてしまったのだが……。正直、面倒で仕方がない。

「あいつ、言い出したらきかねぇしなあ……」

 めんどくせぇと思いながらあくびをし、重い腰をあげて身支度を整える。そしてタオルや手拭い、道着と防具、竹刀を持って家を出ると、ちょうど藤堂とうどう 政親まさちかも同じように防具やら竹刀やら持って部屋から出て来た。

「よう! みーこがうるさいから、早くいこうぜ!」
「ああ」

 こいつとは昔からの腐れ縁だ。家はみーこの家をはさんだ並びだ。その関係で三人はずっと一緒だった。
 まあ、所謂「幼馴染」という名の腐れ縁、ってやつだ。

「なんかお前、疲れてないか?」
「あいつのごり押しに、な」
「ぶはっ! そりゃ、みーこには誰もかなわんさ」

 俺の疲れた言い方に、政親が吹き出す。だが、政親コイツにだけは言われたくない。

「手綱も握れんやつが、何をいうか」
「……あれ? なんで知ってんの?! オレ、お前に言ったっけ?」
「みりゃわかるだろ? 腐れ縁なんだからよ」
「うわ~! 『しげちゃんには絶対内緒にしとこうね! 後でびっくりさせてやるんだから!』なんて言ってたのに~!」
「わからいでか!」

 「ひ、ひどい!」と言われつつも、俺こと中村なかむら 宗重むねしげは笑う。幼馴染だからこそ、その変化はわかりやすいとも言える。

「で? いつから付き合ってんだ?」
「わかってんだろ?」

 からかってやろうと思っていたのだが、政親は逆にニヤリと笑ってそんなことを宣う。なら、こっちにも考えがあると、同じようにニヤリと笑うと、政親の顔が途端に引きつる。

「ふふん、そんなこと言っていいのか? 聞いてほしそうだったから聞いたんだが……。なんならみーこに……」
「わーーーっ! おまっ……ほんっとにっ」
「いいやつ、だろ?」

 からかい半分でそんなことを言い合い、二人で顔を見合わせることしばし。

「「ぶはっ!」」

 二人して同時に吹き、大笑いする。これもまあ、幼馴染の特権というか、隠し事ができない理由でもある。

「黙っとけよ」
「ああ。二人で挨拶・・・・・に来るまでは、知らん顔しといてやる」
「まあっ、いけず!」
「おい……気持ち悪いからヤメロ」
「あら、いいじゃなーい。アタシと重ちゃんの仲でしょう?」
「ほう……? 俺とお前の仲、ねぇ……? じゃあ、お前と俺がそういう仲だ・・・・・・とみーこに言っても問題ないよな?」

 オネエ口調で応酬する政親に呆れ、意地悪な顔と底光りする目を向けると、政親は固まってしまった。

「そ、それは……」
「なんならみーこも入れて、さんに」
「それは絶対にダメ! たとえ宗重でも、みーこは渡さん!」
「まったく……。だったら、そんなおふざけすんなよ!」
「てへっ」

 冗談を言い合い、二人でぎゃあぎゃあ騒ぎながら、母校に向かった。まさか、そこで運命の出会いがあるとは思わずに。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

幼馴染

ざっく
恋愛
私にはすごくよくできた幼馴染がいる。格好良くて優しくて。だけど、彼らはもう一人の幼馴染の女の子に夢中なのだ。私だって、もう彼らの世話をさせられるのはうんざりした。

離婚した妻の旅先

tartan321
恋愛
タイトル通りです。

彼の過ちと彼女の選択

浅海 景
恋愛
伯爵令嬢として育てられていたアンナだが、両親の死によって伯爵家を継いだ伯父家族に虐げられる日々を送っていた。義兄となったクロードはかつて優しい従兄だったが、アンナに対して冷淡な態度を取るようになる。 そんな中16歳の誕生日を迎えたアンナには縁談の話が持ち上がると、クロードは突然アンナとの婚約を宣言する。何を考えているか分からないクロードの言動に不安を募らせるアンナは、クロードのある一言をきっかけにパニックに陥りベランダから転落。 一方、トラックに衝突したはずの杏奈が目を覚ますと見知らぬ男性が傍にいた。同じ名前の少女と中身が入れ替わってしまったと悟る。正直に話せば追い出されるか病院行きだと考えた杏奈は記憶喪失の振りをするが……。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

三年の想いは小瓶の中に

月山 歩
恋愛
結婚三周年の記念日だと、邸の者達がお膳立てしてくれた二人だけのお祝いなのに、その中心で一人夫が帰らない現実を受け入れる。もう彼を諦める潮時かもしれない。だったらこれからは自分の人生を大切にしよう。アレシアは離縁も覚悟し、邸を出る。 ※こちらの作品は契約上、内容の変更は不可であることを、ご理解ください。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

降っても晴れても

凛子
恋愛
もう、限界なんです……

処理中です...