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現代篇
運命の輪 1
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見つけるは偶然。
出逢うは必然。
長い時間をかけて、ずっとお前を探している。
因果は廻る、何回も。
そして幾度も輪廻転生を繰り返し、必ず探し当てる。
出逢うことが必然ならば、
きっとお前と、必ず出逢う。
***
「今度こそ俺は……。……、あれ? いつの間にか寝ちまったのか……」
また、いつもの夢。小さい頃から繰り返して見る、知らないのに知ってる、なぜか切なくなる、後悔ばかりしている夢。
「最近は頻繁に見るな……」
何かの暗示だろうか。それとも何かの前触れか?
銀髪に、紅い目の少女。まるでアニメのキャラクターのようだ。
だが、なぜか愛おしい。
「あ~……もうこんな時間か……。みーこのやつ待ってるかな」
一昨日、高校の後輩で幼馴染でもあるみーここと南海 透子に会い、開口一番に
「午後三時半に、学校の練成館ね! OBなんだからたまには稽古つけてよ!」
なんて言われてしまったのだが……。正直、面倒で仕方がない。
「あいつ、言い出したらきかねぇしなあ……」
めんどくせぇと思いながらあくびをし、重い腰をあげて身支度を整える。そしてタオルや手拭い、道着と防具、竹刀を持って家を出ると、ちょうど藤堂 政親も同じように防具やら竹刀やら持って部屋から出て来た。
「よう! みーこがうるさいから、早くいこうぜ!」
「ああ」
こいつとは昔からの腐れ縁だ。家はみーこの家をはさんだ並びだ。その関係で三人はずっと一緒だった。
まあ、所謂「幼馴染」という名の腐れ縁、ってやつだ。
「なんかお前、疲れてないか?」
「あいつのごり押しに、な」
「ぶはっ! そりゃ、みーこには誰もかなわんさ」
俺の疲れた言い方に、政親が吹き出す。だが、政親にだけは言われたくない。
「手綱も握れんやつが、何をいうか」
「……あれ? なんで知ってんの?! オレ、お前に言ったっけ?」
「みりゃわかるだろ? 腐れ縁なんだからよ」
「うわ~! 『しげちゃんには絶対内緒にしとこうね! 後でびっくりさせてやるんだから!』なんて言ってたのに~!」
「わからいでか!」
「ひ、ひどい!」と言われつつも、俺こと中村 宗重は笑う。幼馴染だからこそ、その変化はわかりやすいとも言える。
「で? いつから付き合ってんだ?」
「わかってんだろ?」
からかってやろうと思っていたのだが、政親は逆にニヤリと笑ってそんなことを宣う。なら、こっちにも考えがあると、同じようにニヤリと笑うと、政親の顔が途端に引きつる。
「ふふん、そんなこと言っていいのか? 聞いてほしそうだったから聞いたんだが……。なんならみーこに……」
「わーーーっ! おまっ……ほんっとにっ」
「いいやつ、だろ?」
からかい半分でそんなことを言い合い、二人で顔を見合わせることしばし。
「「ぶはっ!」」
二人して同時に吹き、大笑いする。これもまあ、幼馴染の特権というか、隠し事ができない理由でもある。
「黙っとけよ」
「ああ。二人で挨拶に来るまでは、知らん顔しといてやる」
「まあっ、いけず!」
「おい……気持ち悪いからヤメロ」
「あら、いいじゃなーい。アタシと重ちゃんの仲でしょう?」
「ほう……? 俺とお前の仲、ねぇ……? じゃあ、お前と俺がそういう仲だとみーこに言っても問題ないよな?」
オネエ口調で応酬する政親に呆れ、意地悪な顔と底光りする目を向けると、政親は固まってしまった。
「そ、それは……」
「なんならみーこも入れて、さんに」
「それは絶対にダメ! たとえ宗重でも、みーこは渡さん!」
「まったく……。だったら、そんなおふざけすんなよ!」
「てへっ」
冗談を言い合い、二人でぎゃあぎゃあ騒ぎながら、母校に向かった。まさか、そこで運命の出会いがあるとは思わずに。
出逢うは必然。
長い時間をかけて、ずっとお前を探している。
因果は廻る、何回も。
そして幾度も輪廻転生を繰り返し、必ず探し当てる。
出逢うことが必然ならば、
きっとお前と、必ず出逢う。
***
「今度こそ俺は……。……、あれ? いつの間にか寝ちまったのか……」
また、いつもの夢。小さい頃から繰り返して見る、知らないのに知ってる、なぜか切なくなる、後悔ばかりしている夢。
「最近は頻繁に見るな……」
何かの暗示だろうか。それとも何かの前触れか?
銀髪に、紅い目の少女。まるでアニメのキャラクターのようだ。
だが、なぜか愛おしい。
「あ~……もうこんな時間か……。みーこのやつ待ってるかな」
一昨日、高校の後輩で幼馴染でもあるみーここと南海 透子に会い、開口一番に
「午後三時半に、学校の練成館ね! OBなんだからたまには稽古つけてよ!」
なんて言われてしまったのだが……。正直、面倒で仕方がない。
「あいつ、言い出したらきかねぇしなあ……」
めんどくせぇと思いながらあくびをし、重い腰をあげて身支度を整える。そしてタオルや手拭い、道着と防具、竹刀を持って家を出ると、ちょうど藤堂 政親も同じように防具やら竹刀やら持って部屋から出て来た。
「よう! みーこがうるさいから、早くいこうぜ!」
「ああ」
こいつとは昔からの腐れ縁だ。家はみーこの家をはさんだ並びだ。その関係で三人はずっと一緒だった。
まあ、所謂「幼馴染」という名の腐れ縁、ってやつだ。
「なんかお前、疲れてないか?」
「あいつのごり押しに、な」
「ぶはっ! そりゃ、みーこには誰もかなわんさ」
俺の疲れた言い方に、政親が吹き出す。だが、政親にだけは言われたくない。
「手綱も握れんやつが、何をいうか」
「……あれ? なんで知ってんの?! オレ、お前に言ったっけ?」
「みりゃわかるだろ? 腐れ縁なんだからよ」
「うわ~! 『しげちゃんには絶対内緒にしとこうね! 後でびっくりさせてやるんだから!』なんて言ってたのに~!」
「わからいでか!」
「ひ、ひどい!」と言われつつも、俺こと中村 宗重は笑う。幼馴染だからこそ、その変化はわかりやすいとも言える。
「で? いつから付き合ってんだ?」
「わかってんだろ?」
からかってやろうと思っていたのだが、政親は逆にニヤリと笑ってそんなことを宣う。なら、こっちにも考えがあると、同じようにニヤリと笑うと、政親の顔が途端に引きつる。
「ふふん、そんなこと言っていいのか? 聞いてほしそうだったから聞いたんだが……。なんならみーこに……」
「わーーーっ! おまっ……ほんっとにっ」
「いいやつ、だろ?」
からかい半分でそんなことを言い合い、二人で顔を見合わせることしばし。
「「ぶはっ!」」
二人して同時に吹き、大笑いする。これもまあ、幼馴染の特権というか、隠し事ができない理由でもある。
「黙っとけよ」
「ああ。二人で挨拶に来るまでは、知らん顔しといてやる」
「まあっ、いけず!」
「おい……気持ち悪いからヤメロ」
「あら、いいじゃなーい。アタシと重ちゃんの仲でしょう?」
「ほう……? 俺とお前の仲、ねぇ……? じゃあ、お前と俺がそういう仲だとみーこに言っても問題ないよな?」
オネエ口調で応酬する政親に呆れ、意地悪な顔と底光りする目を向けると、政親は固まってしまった。
「そ、それは……」
「なんならみーこも入れて、さんに」
「それは絶対にダメ! たとえ宗重でも、みーこは渡さん!」
「まったく……。だったら、そんなおふざけすんなよ!」
「てへっ」
冗談を言い合い、二人でぎゃあぎゃあ騒ぎながら、母校に向かった。まさか、そこで運命の出会いがあるとは思わずに。
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