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1巻
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しおりを挟む異世界へのお誘い
私は今井優希。アラフォーで仕事が恋人の女であ~る。
入社して数年で海外出張と出向を相次いで言い渡され、同僚とあちこちの国を渡り歩いた。
私生活より仕事を優先してきた結果、休日は疲れきって寝てばかり。滞在先の観光はほとんどできず、日本へ帰るときに空港への道すがらチラッと名所を見て写真を撮り、お土産を買うのが精いっぱいな生活を送ってきた。
そんな私だが数年ぶりに日本へ戻り、久しぶりに実家でのんびり過ごせた年末。
結婚を機に家を出た弟も帰省してきて、元旦の実家はとても賑やかだ。
「優希が実家にいるのは久しぶりよね。何年ぶり?」
「三年ぶりじゃないかな。ここ三年はマジで忙しかったんだもの」
「海外で仕事してたんだったか?」
「そうなの。一年の出向だったはずなのに、延長されて三年もいたのよ? 交代要員がいないからって酷いよね」
母と兄と話をしながら、おせちを食べる。
三十五歳になるのに恋人がいないことを心配されつつも、がむしゃらに仕事をしてきた。ずっと恋人がいなかったわけではないけれど、どうにも男勝りというか勝ち気というか、私はなぜか男性よりも女性に人気があったのだ。
女子高に行ったことがそもそもの間違いだったのかなぁ……。
高校のときは、本当にモテた。百七十センチメートルを超えた身長とイケメンな父に似た男っぽい面立ちのせいで、とにかく女の子にモテまくったのはある意味黒歴史。
そんな状態だったのも相まって、女性が男役をこなす某劇団に入団してはどうかと言われたが、私の演技力は大根どころか幼稚園児のお遊戯以下だ。なので普通に大学へ進学した。
大学に入っても似たような状況だったけれど、恋人がいなかったわけじゃない。まあ、女っぽくないと言われ、すぐに別れる羽目になったが。ちくせう。
それからは、たま~に恋人ができても長続きせず、就職後は仕事に没頭したせいで恋人のこの字もなかったんだから、しょうがないよね?
おっと、話が逸れた。
要は海外での仕事が一段落したことと会社の方針変更があったことで別の人と交代でき、去年の十二月中旬ごろやっと日本に帰ってこられたってわけ。
会社に近かった実家にお世話になって、早二週間。戻ってきてすぐに住む場所を探したけれど、そう簡単に見つかるはずもなく……。毎日ネットやアプリ、通勤途中にある不動産屋の窓に貼ってある物件広告を眺めてはいるが、ピンと来る物件はないのが実情だった。
両親も、二人と同居している兄夫婦も気にしないと言ってくれているけれど、さすがにずっとその言葉に甘えるわけにもいかず、そろそろ実家を出ないと肩身が狭い。正月休みが明けたら本格的に探そう……なんて考えている。
「じゃあ、お雑煮もおせちも食べ終わったし、初詣に行きましょうか」
「待って、お母さん。その前に、みんなにお年玉をあげないと」
「「「「「やったー! 優希おねえちゃん、ありがとう!」」」」」
「お、おう」
勢いに若干引きつつ、相変わらず元気な甥っ子&姪っ子たちだなあ……とほっこりする。もう中学生や小学生だものね……私がオバサンになるのも納得だわ~。
中学生には一万円、他は一律五千円ずつと決め、無駄遣いするなとしっかり念押しして、子どもたちにポチ袋を渡す。
私が子どものころはお年玉袋と言っていたのに、今はポチ袋と呼ぶ人も多いんだとか……。なんだか感慨深いものがある。まあ、それは横に置いておくとして。
ポチ袋ごと自分の財布に入れた子どもたちに外出する支度をさせている間に、まずは私が外に出る。
通りに一歩出ると、どんどん近づいてくる車が見えた。
は? なに考えてんの!? こんな狭い道路、幹線道路を走るようなスピードで走ったらダメだって! ここは住宅街の二十キロ道路ですぞ!
なんて考えていたら、女性と小学校高学年くらいの男の子が通りかかった。楽しそうに話しており、突っ込んでくる車の存在に気づいていないもよう。危ないので、私のほうへ呼び寄せることに。
「そちらのお母さん、そこは危ないわ! こっちに来て!」
「え……!? あっ! はいっ!」
私の声で母親のほうが暴走車に気づいた。ギョッとした顔をすると男の子の手を引き、慌ててこっちに走ってくる。
が、車は一向にスピードを落とす気配がなく、むしろ速度を上げてさえいるようだ。
「ヤバい……!」
自転車に乗って壁際に避けていたおじさんと、同じく自転車ごと壁際に避けていた少年三人はギリギリで躱した。運転席を見ると、焦った顔をしたお爺さんが見えた。
最近よくある、高齢者の踏み間違え系暴走車!? と内心でツッコミつつ、走ってきた母子を我が家の庭に入れる。それに続く形で私も中に入ろうとしていたのに、なにを思ったのかお爺さんがハンドルを切り、さらにスピードが上がった車がこっちに向かってきて……。
逃げる間もなくドン! とぶつかった。
痛みと衝撃がお腹に走り、少し遅れて背中と頭にも激痛を感じる。どうやらお腹は車のフロントバンパーに、背中と頭は勢いのまま吹っ飛ばされたのか電信柱にぶつかったっぽい。
あちゃー、正月早々ついてないわー。そういえば、今年は本厄じゃーん。初詣に行って、お祓いをお願いするはずだったのになぁ……。
両親や兄たちの叫ぶ声が聞こえたが、次第に私の意識は薄らいでいった。
❖ ❖ ❖
気づくと私は宙に浮き、状況を見下ろしていた。
遠くから聞こえてくる、パトカーと救急車のサイレン音。
茫然としながら泣いている親兄弟たち。間一髪で助かった母子も茫然としていて、体が震えている。男の子に至っては泣いてるし。怖かったよね、お母さんと一緒に無事でよかったね。今後も事故に遭わないことを願うばかりだ。
親兄弟たちよ、正月早々にごめん。保険に入ってるかどうかわからないけれど、お爺さんの家族と保険会社から、がっぽりお金をもらっておくれ。
そしてエアバッグに挟まれているクソじ……ゴホン、お爺さん、ふざけんな! きちんと運転できないなら免許返納しなさいよ!
なんて、のほほんとしつつ、運転していたお爺さんを罵った。
それとだな……体が浮いている現状を見るに、どうやら私は死んだっぽい。お腹と背中と頭にかなりの衝撃があったのよ。おそらくだけれど、内臓破裂と頭蓋骨損傷とかで、即死だったんじゃなかろうか。
いまだに車のフロントバンパーと電柱に挟まれているしねぇ、私の体。口や頭からは大量の血が出ている。
お爺さんが運転する暴走車から母子を助けて撥ねられ、あえなく死亡。あ~ぁ……享年三十五歳とは、儚い命だったなぁ……と憂鬱な気持ちになる。
結婚できずに親不孝をしたけれど、最期に母子二人を助けられたし満足はしている。このままあの世行きかー……なんて思っていたら、どこからか私を呼ぶ誰かの声が聞こえてきた。
私は声がする方向に向かってみることにした。
向かった先には、猫の顔をした美女が微笑みを浮かべて待っていた。
ストレートボブの黒髪と金色の目、黒猫の顔で小麦色に焼けた肌。
猫顔なのに人外的な美貌だとわかるご尊顔に、たわわなお胸様は服の隙間から今にもこぼれ落ちそう。
わがままボディ――魅惑的で蠱惑的なプロポーションを余すことなく見せつける姿は、世の男どもだけじゃなく女の私でも垂涎もの。
エジプトの壁画によく見られる服装をアレンジしているような、胸の真ん中が開いていて小麦色に焼けた谷間がバッチリ見える扇情的な衣装を着ており、左手にはエジプト十字を持っている。ピアスや腕輪などの装飾品はゴールドだ。
うわ~、めっちゃ綺麗な猫のお姉さん! 拝み倒しちゃう!
服はとてもエロいのに、雰囲気にはエロさがまったくない。むしろ神々しさを感じるし、もしかしたら神様だろうか。
「まあ、褒めてくださってありがとうございます。貴女はあんな目に遭ったばかりだというのに……」
「ああ、死んだこと? 別に気にしていません。人を助けて死ねるなんて、滅多にないことですし」
「そうはおっしゃいますが、あの母子を助けなければもっと長く生きることができたのです」
「んー、大丈夫ですよ。仕事は一段落していたから、多分迷惑にならないだろうし。親不孝しっぱなしなのは心残りですけど、それくらいですね」
とても心配そうな顔をする女性に、豪快に笑ってみせる。本当に悔いはないんだよね、親不孝以外は。仕事で抱えているプロジェクトもなくて、年明けに新しいものを立ち上げるか、海外から戻ってきたばかりだからその整理をするかくらいしか予定がなかった。
引き継ぎをする担当者には申し訳ないが、私よりも優秀な人がたーっくさんいるから、なんとかなるっしょ。
そんな心の声がバッチリ聞こえているようで、麗しい女性は泣きそうに目尻を下げながらも微笑んだ。
女性は気持ちを切り替えるように大きく息を吐き出すと、自分は地球の神の一柱であり、別の世界も管理している女神だと言った。それから、私が助けたあの親子のことを教えてくれる。
なんでも、そう遠くない未来、地球では流行り病が起こるのだという。
あの二人のうち、母親はそれに対する薬を発明し、一緒にいた男の子がさらに発展させるそうなのだ。
最終的に二人は協力して完璧な特効薬を作り上げるのだが、もしもさっきの事故で死んでしまっていたら特効薬の開発が五十年遅れ、人類の半数が死滅するところだったらしい。
おぉ……女神様は助けなければ長生きできたと言っていたが、とんでもない大物を助けたんだね! 自画自賛しちゃう!
で、彼らを助けた功績を称えて、女神様が管理する異世界に転生させてくれるんだって。そんな簡単に決めちゃっていいのかな。
「構いません。あの……実はお願いがあるのです」
「お願い、ですか?」
はて、お願いとはなんだろう? そう思って聞き返した。
女神様が言うには、転生先となる異世界には魔力が満ちており、魔法が使えるそうだ。ただ、問題はそこではない。
あちらには、女神様と管理者の配下である神獣に対して、暴言を吐き続けている人間の国がある。
なんでも、その国の人間が過去にとある事件を起こし、それをきっかけに女神様が加護を取り上げたことで逆恨みしているらしいのだが……彼らの恨みが呪いとなり、女神様たちと一部の神獣を穢しているそうなのだ。
それも死霊系や虎系、蜘蛛種や狼系など、要は戦闘において人間では歯が立たないほど強い種族が狙われてしまったという。
本来ならば神獣たちの棲み処や本拠地である場所――神殿や教会なども含む――は、神聖な場所のはず。なのに、そこに穢れが発生してしまっては、女神様たちはひとたまりもない。
しかも、事の起こりは数万年前だというのに、元凶の国が反省の色を見せない。幾度となく国が滅んでも、子孫は新たな国を興し、今もなお呪詛を吐き出している。
その地に住まう人間の本質がまったく変わらずにいるために、女神様たちは穢され続ける一方である、とのことだ。
このままでは女神様をはじめとした管理者や神獣たちが、邪神に堕ちてしまう可能性が高いらしい。
まあ、異世界にいる神獣たちはとっくにその国を出ているそうなので、それは不幸中の幸いか。とはいえ、暢気にしている場合ではない。
女神様のお願いとは、あちらに行って神獣や彼らが棲み処にしている場所などを浄化して回ってほしい、というものだった。そうすることによって、神域にいる女神様たちの穢れも連動して薄まるから。
だけどねぇ……?
「……それは大事なのでは」
「そうです。今のところ、あと数千年は持ちこたえられるでしょうが、楽観視はできません」
「ですよねぇ……」
堕ち神なんて、洒落にならんものね。女神様は言葉を濁したけれど、今のところで数千年ってことは、下手したら数百年に短縮されちゃう可能性もあるってことでしょ? それはあかんでしょ。
散々悩んだ末、私は浄化の旅をすることを引き受けた。なんだか面白そうだと思ったし、話の通りなら世界中を旅することになるので、私に向いていそうだったから。
今までは仕事が忙しすぎて、異国の地を訪れても観光なんてとてもできなかった。だからこそ、その世界を観光したり食べ歩きをしたりしてみたい。
女神様に観光名所や美味しいご飯はあるか聞くと、最低でも各国にひとつは名所――主にお城――があるし、場所によっては地球でいうところの世界遺産的な遺跡などもある、との答えが返ってきた。
食べ物に関しては、地球の食材や調味料などと同じものから違うものまで幅広く、いろいろな料理があるそうだ。お~、それは楽しみ!
どこにあるか教えましょうかと言われたが、名前や姿は違えどあることがわかったのなら、自分で探しながら旅をしたいと答える。女神様はとても嬉しそうに微笑んだ。
それから彼女とよ~く話し合い、浄化の力以外にも、向こうの世界で生きていけるようにいくつかの魔法を授けてもらうことになった。あとは旅をするのに適した鞄も。
「鞄には旅に必要な道具や着替えなどを入れておきます。水筒と食材も用意します」
「ありがとうございます。それだけで充分です」
「魔物や盗賊がいる世界です。道中は気をつけてくださいね」
「はい」
それから、女神様は私の魂の器になる肉体を用意してくださった。魂が体と異世界の環境に馴染むまで結界を張り、その場所で眠らせるそうだ。
魂が馴染んだら自然と結界が消え、目を覚ます仕組みになっているんだとか。
「貴女の要望通り、肉体は今の年齢よりも若くしましょう」
「助かります! 三十歳を過ぎてから体力が衰えてきていて、ちょっと大変だったんですよ~」
旅をするにあたっては、ある程度の年齢――向こうの成人年齢くらいに肉体を若返らせてくれるようで、とてもありがたい。
目覚めの場所については安全性を考慮して、町の中で生活している神獣のところに下ろしてくれるとのこと。そのほうが旅をしやすいからだそう。
「それはよかったです」
にっこりと微笑んだ女神様のご尊顔が眩しいです!
なんだか女神様も、ホッとしたような雰囲気だ。
「それでは、魂を肉体に移しますね。目覚めたら、必ずステータスと種族を確認してください。そう思い浮かべたらわかります」
「ステータスと種族?」
「ええ。絶対、必要になりますから。……わたくしは、貴女を視ています」
「よくわかりませんが、ありがとうございます」
ステータスと種族という言葉に若干の不安と引っ掛かりを覚えつつ、女神様にすべてを任せて目を瞑る。なんとなく、ふわふわとした感覚がした。
異世界に向かっているのかな……なんて考えている途中で、女神様の慌てたような声が聞こえた気がするけれど、なにか問題があったとしても、今の私にはどうにもできない。
まあ、なんとかなるっしょ~。
――お父さん、お母さん、親不孝でごめん。兄夫婦に弟夫婦よ、両親を頼む。悲しまないでおくれ~、私は異世界で元気にやるからさ~。
そんなことを考えながら、私は意識を失った。
❖ ❖ ❖
なんとなく意識が浮上する。どれくらい眠っていたかは知らないが、ふと目を開けてみると、そこには鬱蒼と茂った木々が広がっていた。
わーぉ! なんと素晴らしいテンプレ展開か! 呆れつつもちょっと感動した!
……なんて、言うわけないでしょ!? どういうことよ! 聞いてないんだけど!
溜息をつき、体を起こしてあたりを見回してみたものの、なんだか視界が低い、ような……?
違和感を覚えて自分の手を見ると、すっごくちっちゃな紅葉のような手。
スカートから覗いているのは、めっちゃ短いぷっくりとした足。
身に着けている服は白と青を基調とした、セーラーカラーのプリンセスドレスだ。茶色の差し色がされていて、リボンは黒色。青地の部分は下にいくほど薄くなっているグラデーションで、とってもおしゃれで可愛い!
幼女が発表会で着るような、素敵なドレスであ~る。
足元は黒いスパッツと足首まである頑丈そうな黒革のショートブーツ。ブーツはいわゆるスリッポンタイプではあるが、足首をしっかりと固定しているので、悪路でも歩きやすそう。
あれだ。形はまったく違うけれど、軍靴や登山靴系統の、ものすごく頑丈なやつね。
女神様から、目を覚ますのは町の中になると聞いていた。「それに合わせた服装を用意しましょう」と女神様は言っていたし。
なのに、この場所はどうなのさ?
それに、森の中で白と青のプリンセスドレスはないでしょうよ。せめて目立ちにくいカーキ色か暗色系がよかった! 下ろされた場所が違うせいだろうけれど……。今さら文句を言ったところで、どうにもならない。
で、右横を見れば、女神様が渡してくれた黒い斜め掛けの鞄。可愛らしい、猫の顔と猫耳がついている。
だが、一番の問題はやっぱり……。
「……めがみしゃま! ようじになるなんて、きいてにゃいでしゅよーーー!!」
舌足らずで甲高い声が虚しく響く、森の中。
「しょれくりゃいのしぇちゅめいは、しといてくらしゃい!」
そう空に向かって叫んだ私は、悪くない!
神獣との出会い その一
ちょっとー、女神様! 聞いていた年齢と違うではないか!
そういえば、別れ際の女神様がなぜか焦ったような声を出していた、と思い至る。ただ、あのときはこんなトラブル思いもしてなかったのよ……。まさに後の祭りだ。
叫んだところでどうにもならず、肉体年齢に引っ張られているのか、涙が出てきた。いくら精神年齢が三十五歳といえども、肉体には敵わないってか?
……よし。誰かがいれば泣き声に反応してくれるかもしれん。ここは恥も外聞もかなぐり捨てて泣き喚こう!
「うわあぁぁぁん! くしょー、めがみしゃまのばかーー‼」
子どもにしてはかなり大きな声で泣いたと思う。が、風がそよぐだけで、動物の声すら聞こえない。
これは本格的に泣きそうだ……。って、もう泣いているんだっけ。
町の中で生活している神獣のところで目覚めさせてくれると聞いていたのに、あたりには人っ子一人いない。もしかして、これも女神様のミス?
ポツンと一人でいるから、心細さがある。いつまでもこんなところにいて、もし肉食獣に出会ったらひとたまりもない。
私が入れるような、樹洞でもあればいいんだが……。
とにかく、泣きながらでもいいから歩くか。立ち上がる前に鞄からタオルを出し、首にかける。タオルの柄は猫だった。これなら顔を拭けるし、汗を拭くこともできる。
たしか、水筒をもらったはずだと鞄を漁ってみると、これまた可愛い猫柄が刻印されている、前世でも見たことがあるような形で金属質の水筒が出てきた。蓋は緑色だ。
……これ、この世界にあるものなんだろうか。女神様はこの世界にあるものを用意したと言っていたけれど、マジでこんな水筒があるの?
疑問に思いつつ、とにかく泣いたことで失った水分を補給しようと試みる。子どもは水分がたくさん必要だからね~。こまめに水を摂らないと。
ただひとつ心配なのは、この紅葉のような手で蓋を開けられるかということ。考えてもしょうがないしと、本体を足に挟んで右手で持ち、左手で蓋を捻ってみると簡単に開いた。
あ、私は左利きなのだ。そんな情報はいらん? さよか。
蓋を開けると、真ん中に赤いボタンがついている。これを押せばいいのかな?
とりあえず軽く押してみる。すると、パカッと音がして、閉まっていた注ぎ口が開いた。
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作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
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