性奴隷に堕ちた小姓は『針の檻』に囚われて 〜若君に寵愛される小姓に、藩主の魔の手が迫る〜 【小姓残酷物語 II】完結

丸井マロ

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第1章 蜜の罠

7.救世主

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藤田にとって、虎長は単なる殿様ではなかった。
己の命、そして藤田家そのものを救ってくれた、絶対的な救世主であった。

藤田が十歳の時、父が戦で討死した。
正室であった実母は、藤田を出産した後、産後の肥立ちが悪く、とうにこの世を去っていた。

そのため、藤田家の実権は、父の愛妾が牛耳ることとなった。

父の生前は、嫡男である藤田に気を使い、立てていた妾だが、父の葬儀が終わるやいなや態度が豹変した。

目の上の瘤である藤田を廃し、己が生んだ藤田の庶弟に家督を継がせようと画策し始めたのだ。

家臣や使用人は、あからさまな敵にはならずとも、保身のために妾の顔色をうかがうか、どちらにも与せず静観を決め込み、広い屋敷の中で、藤田の味方と呼べる者は一人もいなかった。

幼い藤田は、針のむしろに座るような日々を送った。

その窮地を救ってくれたのは、ほかならぬ虎長であった。

虎長は、馬廻衆の番頭だった蘆屋長頼の娘と藤田を婚約させ、蘆屋に藤田の後見役を命じた。

有力者の将来の娘婿という強力な後ろ盾を得たことで、妾の野望は潰え、藤田は無事に家督を継ぐことができた。

──この御恩、己が生涯をかけても返しきれるものではない。

あの時、虎長が手を差し伸べなければ、今の自分はなかった。

愛妾の手によって闇に葬られていたか、ひそかに人買いに売り飛ばされ、河原乞食にでも落ちぶれて、今ごろは野垂れ死にしていたやもしれぬ。

ゆえに、藤田は心に決めていた。
殿が望まれるならば、それが如何なるおぞましい所業であろうとも、喜んで手を汚そう。

殿の退屈をお慰めするためならば、修羅にも鬼にもなろう。

それこそが、拾っていただいた命の使い道であると信じて疑わなかった。

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