性奴隷に堕ちた小姓は『針の檻』に囚われて 〜若君に寵愛される小姓に、藩主の魔の手が迫る〜 【小姓残酷物語 II】完結

丸井マロ

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第2章 調教

4.内蔵助と藤田

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山坂城、本丸御殿の座敷に、四方田内蔵助と藤田重政、二人だけが残された。

内蔵助は厳かに口火を切った。  
「藤田殿。宿老として、一つだけ申し上げておきたき儀がござる」

「何なりとお申し付けください」
藤田は頭を下げた。

「殿のお楽しみは殿の私事。われわれ家臣が口を挟む筋合いはない。ただし、藩が揺らぐような騒ぎだけは、起こしてもらっては困る」

藤田は一瞬だけ目を細め、すぐに答えた。  
「お気遣い、痛み入ります」

「織部竹丸のことだ」
内蔵助は静かに切り出した。

「若様のお小姓でございますな」
藤田は表情を変えず、穏やかに応じた。 
「四方田殿の御遠縁であると承知しております」

「遠縁と言っても縁は切れておる。事故に遭おうが病に伏せようが、当家が騒ぎ立てるような義理はござらぬ。だが、あんまり悲惨なことになれば、若様がお嘆きになる。若様がお嘆きになれば二の丸殿がお嘆きになり、二の丸殿のお嘆きは御実家の耳に入るであろう。そこまで波及すれば、藩の体面にかかわる」

澄長の正室・千鶴は、近隣の有力大名、湯浅ゆあざ家の姫であった。

「ご心配、ごもっともにございます」
藤田は微笑んだまま答えた。

内蔵助は声を低める。  
「実千代殿の事故はまことに不幸な出来事であった。あのときのように、不慮の事故なら致し方ない。だが若様が疑いを抱き、二の丸殿の知るところとなれば、ただの事故では済まされぬ」

「ご安心ください。あらぬ疑いを招くような事故は決して起こしませぬ。殿の御前で、近習衆にも周知徹底させます」
藤田は一礼した。

内蔵助は目を伏せ、静かに言った。  
「……ならばよい。ただし、万一、若様が本気で取り乱され、二の丸殿の御実家にまで知れるようなことがあれば、私が動かねばならぬ。藤田殿、そのときは覚悟しておられよ」

藤田は唇に笑みを浮かべたまま、深く頭を下げた。
「宿老のご忠言、肝に銘じます。ですが、どうかご案じなく。若様は必ず、ご理解なさるでしょう。決して藩を傾けてはならないと。なにしろ殿の御嫡男であらせられまする」

内蔵助は静かに立ち上がった。
「……もうよい。ここで話したことはすべて貴殿の見た夢だ。夢で聞いた話を、頭の片隅に留め置かれよ」

「かしこまりました」

藤田は頭を垂れた。
内蔵助が障子を閉める音が静かに響いた。  

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