性奴隷に堕ちた小姓は『針の檻』に囚われて 〜若君に寵愛される小姓に、藩主の魔の手が迫る〜 【小姓残酷物語 II】完結

丸井マロ

文字の大きさ
37 / 60
第4章 散り椿

4.懺悔と決意(2)

しおりを挟む
「竹丸殿をお救いする手立てが、ひとつだけ残されているやもしれませぬ」

「申してみよ」

「竹丸殿の母方の祖母は、宿老、四方田家の出でございます。名を於松殿といい、四方田家の先々代が女中に生ませた娘にございます」

「四方田内蔵助の一族の者か」
澄長は身を乗り出した。

「はい。縁は薄いとはいえ、竹丸殿には重臣の血が流れております。四方田家が動けば、あるいは……」

澄長は、一縷の望みが見えた気がした。
だが、佐々木は言葉を切り、澄長の目を真っ直ぐに見据えた。

「しかし、若様。事を構える前に、覚悟を決めていただかねばなりませぬ。若様は、実千代殿の最期を、どこまでご存知でいらっしゃいますか?」

不意に投げられた問いに、澄長は眉をひそめる。

「実千代は、獄死したと聞いておる。父に飽きられたか、不興を買うかしたのだろう。おそらく、牢屋のひどい環境で病でも患い……」

「やはり……御存知なかったのですか……」
佐々木の顔に、深い悲しみが広がった。

「違うと申すか?」

「違いまする。病死などではございませぬ。拷問の末の嬲り殺しでございます」

「なっ……」
澄長は息を呑んだ。

佐々木は、己が見たこと、医師から聞いた真実を、すべて語った。

実千代は、賤民牢に投げ込まれ、囚人たちから凌辱の限りを受けたこと。

殴る蹴る、壁に叩きつけるなどの暴力と、素肌を蝋燭の火で炙られるなど、筆舌に尽くしがたい責め苦。

そして、その遺体から、二十三本もの縫い針が発見されたこと。

「針、だと……?」
澄長の顔から血の気が引いた。

「はい。殿は、実千代殿の性器の内側に針を仕込み、肉体が内側から傷つけられ、生きているだけで絶え間のない激痛が続く拷問を楽しんでおられたのです。そして今、竹丸殿にも同じ……いや、それ以上の地獄を用意しておられます」

話を聞き終えた時、澄長の顔からは、迷いは消え失せていた。

──父上は、もはや人の心を持たぬ鬼畜となり果てたか。

そこにあるのは、親子の情といった甘い幻想を断ち切った後の、燃えるような殺気だった。

「佐々木。礼を言う。そなたのおかげで目が覚めた」

澄長は立ち上がり、扇子を強く握りしめた。

「これは、戦だ」

その声は低く、しかし、聞く者の腹に響く凄みがあった。

「敵は、本丸にあり」

弥三郎と清太郎が、顔を緊張に引き締める。

澄長は彼らに目配せをし、佐々木のそばへと歩み寄った。

そして四人は膝と膝が触れ合うほど小さな輪になり、澄長は佐々木の耳元に口を寄せ、低い声で囁いた。

「よいか、この二の丸とて安全ではない。父の息のかかった者がどこに潜んでいるか知れぬ。壁に耳あり、だ」

佐々木は小さく頷いた。
澄長は身を起こし、毅然と言い放った。

「これより、四方田邸へ向かう。弥三郎と清太郎は竹丸を……留守を任せる。佐々木、そなたは案内せよ」

「はっ!」

三人の男たちの返事が重なった。
夜の闇の中、若き獅子が初めて牙を剥いた瞬間だった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

灰かぶりの少年

うどん
BL
大きなお屋敷に仕える一人の少年。 とても美しい美貌の持ち主だが忌み嫌われ毎日被虐的な扱いをされるのであった・・・。

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...