性奴隷に堕ちた小姓は『針の檻』に囚われて 〜若君に寵愛される小姓に、藩主の魔の手が迫る〜 【小姓残酷物語 II】完結

丸井マロ

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第6章 血戦

1.救出(1)

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時を少し巻き戻し、評定の開始が迫る中。

佐々木甚介は本丸御殿の人気ひとけのない小部屋に、信頼する数名の同胞を招き入れていた。

加納、宮田、そして野村。
いずれも剣の腕が立ち、かつては共に武芸を研鑽し、酒を酌み交わした仲である。

彼らの表情は硬い。
佐々木が何を言おうとしているのか、薄々勘づいているのだ。

「皆、聞いてくれ」
佐々木は声を潜めた。

「今、地下牢にて何が行われているか、そなたらも耳にしておろう。以前、わしは宿直番の夜、竹丸殿の悲鳴を聞いた」

三人は痛ましげに目を伏せた。

「……ああ。あれは聞くに堪えぬ」
野村がうめくように言った。

「実千代殿の時も。あの声は骨に染みる……」
加納も同意を示した。

「わしは見た」
宮田が暗い顔で打ち明ける。
「殿は、竹丸殿の男根に針を突き刺し、あろうことか、その状態で男たちに凌辱させ、嬲り殺しになさろうとしている」

「なんと……」
加納も野村も絶句した。

「実千代殿の時もそうだった。ご遺体から針が出てきたそうだ……二十三本の針が、性器とその周辺に埋め込まれていた。ただ刺されていたのではない、深く埋め込まれていたのだ」

佐々木はそこでいったん息を吐くと、先を続けた。

「これが、我らが命を賭して守るべき主君の姿か?」

そう言うと一歩踏み出し、皆の目を順番に見据える。

「我らは殿の犬ではない。山坂藩の、誇りある馬廻のはずだ。うら若い小姓を虐げ、その悲鳴を娯楽とする狂気に加担するならば、それはもはや武門の道にあらず、外道に堕ちたも同然。……わしは行く。竹丸殿をお救いし、若様と共にこの藩の澱みを断つ」

沈黙が落ちた。
それは躊躇いではなく、覚悟を決めるための間であった。

加納が顔を上げ、静かに刀の鯉口を切った。
「……佐々木殿。その言葉、待っておったぞ」

「わしとて、悲鳴に耳を塞ぐ己が恥ずかしかった」
宮田も続く。

「行こう。地獄の底へ。義は、我らにあり」

四人の男はうなずき合うと、地下への入口を目指した。

しかし、その扉の前には、二人の馬廻が立っていた。

親しくはないものの、同僚として互いに顔と名前は見知っている者たちだ。

「殿の許しがなければ、この先は何人なんぴとたりとも通すことは出来ぬ」
一人が言った。

「この先で何が行われておるか、知っておるのか?」
佐々木は詰め寄った。

警備の二人は顔を見合わせると、押し黙る。

竹丸の惨状を目撃したか、直に見ていなくとも、勘づいているのだ。

「権力に盲従してこのまま外道に堕ちるか。自らの内にある良心に従うか。人の道に戻るなら、今がその時だ」
佐々木は説得した。

「惑わされるな、裏切りは許されぬ」
一人が太刀を抜き、もう一人も続いた。

佐々木たちも太刀を抜いて身構える。

しばし、睨み合いが続いた。

やがて、雄叫びと共に、最初に抜刀した男が佐々木に向かって太刀を振り下ろした。

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