性奴隷に堕ちた小姓は『針の檻』に囚われて 〜若君に寵愛される小姓に、藩主の魔の手が迫る〜 【小姓残酷物語 II】完結

丸井マロ

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第6章 血戦

2.救出(2)

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同時に佐々木は横に身をかわすと相手の脇腹を斬り、すかさず宮田が首にとどめを刺す。

残る一人は、しばらく太刀を構えたまま黙って佐々木を見つめていたが、やがて刀を鞘におさめた。

「行け」
ぶっきらぼうに言うと、腕を伸ばして鍵を差し出す。

「恩に着る」

佐々木は鍵を受け取ると、解錠して扉を開けた。

地下牢へと続く階段は、冷気と共に、すえた臭いが漂っていた。

竹丸のいる牢の格子の前には、藤田重政の腹心である片倉と、ほか二名の屈強な馬廻が立ちはだかっていた。

彼らは抜刀こそしなかったが、殺気を孕んだ目で佐々木たちを睨め付けた。

「佐々木殿。かような場所で何をしておられる?」
片倉が低く問いかけた。

「片倉殿。そこを退いていただきたい。竹丸殿の身柄、我らが預かる」

「ならぬ。殿の厳命である。何人たりとも近づけるなと」

佐々木は、格子の奥に目を凝らした。
冷たい土間の上に、筵も敷かずに直に横たわる竹丸の姿が見えた。

その股間のものには、未だ針が貫かれたままである。

「見ろ、あの姿を!」
佐々木の声が地下に響いた。

「あれが、藩主のなすべきことか? 片倉、そなたにも武士としての矜持があろう。あようにか弱き無辜の者を痛めつけ、何が大義か?」

片倉の眉がピクリと動いたが、その表情は能面のように強張ったままであった。

「……黙れ。主君の命は絶対。それが家臣の務めだ。貴様ら、若様にそそのかされ狂ったか」

「狂っているのは殿だ。そして、それに盲従する貴様らもだ!」
野村が叫んだ。

「問答無用」

片倉が吐き捨てると同時に、三人の馬廻が一斉に抜刀した。

「逆賊どもを斬り捨てよ!」
「覚悟しろ!」

七つの刃が交錯した。

金属音が火花と共に弾け飛び、狭い通路に反響する。
佐々木は、正面の片倉に向かって踏み込んだ。

片倉は剛剣の使い手。
上段から凄まじい勢いで斬り下ろしてくる。

佐々木はそれを紙一重でかわし、切っ先を片倉の喉元へと走らせた。

「ふんッ!」

片倉はそれを弾くが、佐々木の体勢は崩れない。流れるような足運びで間合いに入ると、逆袈裟に斬り上げた。

「ぐ、おぉっ……!」
鮮血が噴き上がり、片倉が倒れる。

その背後では、加納と野村が、残る二人の敵を壁際に追い詰め、鮮やかに斬り伏せていた。

静寂が戻った地下牢に、四人の荒い息遣いだけが響く。

佐々木は刀の血糊を振り払うと、片倉の遺体から牢の鍵を奪い、格子戸を開けた。

「竹丸殿!」
佐々木が駆け寄ると、竹丸は地面に転がったまま、うつろな瞳を僅かに動かした。

その顔色は死人のように白く、唇は乾いてひび割れている。

そして、下腹部は銀色の針が肉を貫いたまま、腫れと内出血で無惨な有り様を呈している。

「……ささき……どの……?」

「遅くなり申した。今、縄を」
佐々木の手で縄が解かれた。

「ひどい……なんということを……」
野村は、竹丸の体に刻まれた拷問の痕跡を見て、怒りに震えた。

「急がねばならぬ」
佐々木は己の羽織を脱ぎ、竹丸の体にかけて素肌を隠す。

「竹丸殿、痛いとは思いますが、堪えてくだされ。──野村、加納、竹丸殿をお支えしろ。宮田は先導を。二の丸へお運びする!」

「おう!」

四人の男は、瀕死の少年を守りながら、地上への階段を駆け上がった。

    
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