性奴隷に堕ちた小姓は『針の檻』に囚われて 〜若君に寵愛される小姓に、藩主の魔の手が迫る〜 【小姓残酷物語 II】完結

丸井マロ

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第6章 血戦

7.夜明け

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騒乱が収まり、広間は重苦しい静寂に包まれた。

虎長は、警護の者に付き添われ、静かに引き下がっていった。

藤田重政はその場で止血の処置を受けると、縄を打たれて連行されていく。

澄長は竹丸に駆け寄り、意識を失ったままの竹丸を両腕でしっかりと抱きしめた。

彼の顔は、安堵と、深い悲しみ、そして新たな重責の決意によって歪んでいた。

四方田内蔵助が、粛々と評定の場を取り仕切った。

「よって、本日をもって、殿は病のため隠居なされ、家督は若様が継承されることと相成った」

重臣たちは口々に澄長を「殿」と呼び、一斉に頭を下げた。

「おもてを上げよ」

澄長は、竹丸を弥三郎と清太郎に預けると、立ち上がった。

その声は震えていたが、覇気があった。

十万の領民と、千の家臣とその家族の命運。

そして、この悲惨な闘いの犠牲となった竹丸の忠義を、すべて背負う覚悟を決めた、新しい藩主の誕生であった。

「……まずは竹丸の手当てを頼む。そして、藩内に不穏な動きを見せる者、父の乱行に積極的に加担した者を、厳正に処分する。この藩の膿を出し切らねばならぬ」

澄長の決意は、冷徹な理性に裏打ちされていた。

彼の抱く怒りと憎悪は、個人的な復讐ではなく、藩を清めるための原動力へと変わっていた。

山坂藩を覆っていた長い夜の闇が、ついに明けたのである。


その日のうちに、虎長は本丸を退去し、西の丸にある隠居所に移った。

虎長の父──今は亡き先代が、晩年を過ごした屋敷であり、元藩主が余生を送る住まいとして相応しい格式を備えていたが、周囲をぐるりと兵で囲まれ、実質的な幽閉であった。

藤田は切腹を申し出、その日の夕刻、庭の隅で果てた。

幕府への報告は、病気療養による隠居として滞りなく済まされ、澄長の家督相続が認められた。

奇しくも、山坂藩の新しい時代の幕開けに呼応するように、元和十年の二月三十日をもって、元号は寛永に改められた。

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