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3話
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「じゃあ千晶、気を付けてね。何かあったらすぐに電話して? 気付けるようにしておくから」
フロアを出る前に頻りに千晶の心配をする相馬。
「そんなに頼りないですかね……」
思わず千晶が抗議したくなるほどの様子だ。
そこまで心配されるほど仕事が出来ないと思われるのは心外だ。そう思った千晶の様子を察したのか違う、違うというように相馬は首を振る。
「仕事については全く心配してないよ。御山さんかな」
これから会う取引先の相手であるIT企業の社長の名を出されて千晶は首を横に傾けた。
「御山さんが何ですか?」
「千晶のこと妙に気に入ってるから心配なんだよ」
相馬が神妙な顔をして言うので思わず千晶は笑ってしまった。
「御山さんが気に入ってるのは相馬さんと俺のスキームで、俺のことなんかじゃないですよ。ただ、あんなセレブと仕事以外で話してもまっったく話合わないんで、早く来てくれると嬉しいです。この前もクルーザーの話とかされてさっぱりですよ」
誰も千晶のことなんか狙っていやしないのに、いつも相馬はそんな心配ばかりしている。千晶は身長も高くあまりオメガにも見えづらいからそんな心配は無用だといつも言っているのに。
「……あれ御山さん千晶のことクルージングに誘ってたよね。誘われてたの気付いてないの千晶だけだよ?」
「……誘われてないですよ」
「だから、誘われてたんだって」
「っていうかそんなことより早く行かなくていいんですか? 本店の融資部に午後イチですよね?」
埒が明かないやり取りの途中で千晶が言うと、相馬は時計を見て
「あ、もう出なきゃだな。ったく、金融庁の検査入るからって異動した人間呼ぶのってつくづくどうかと思うよなー」
そうは言っても相馬がそれだけ信頼されているということなのだろう。
「ほら、早く上着着ないと遅刻しますよ」
千晶が言って上着を差し出すと相馬は嬉しそうに笑って
「何だか奥さんみたいだね」
と言った。
「俺は奥さんにはなりません。奥さんはもらう方なんで」
千晶の答えに相馬は意味深長に笑うと、ちいさな子供にするようにくしゃりと柔らかい千晶の髪をかき混ぜてフロアを後にした。
ようやく出発した相馬を見送った後、千晶も身支度をして六本木にあるYNNシステムズに向かうべくタクシーに乗り込んだ。
タクシーの中で相馬にチェックしてもらった資料に目を通す。
今でこそ何でも相談できる上司だが、相馬が異動してきたばかりの頃は何かにつけて反発していたなと、資料に走り書きしてある相馬の筆跡を見ながら千晶はぼんやりと思い出した。
千晶はオメガだったので、大学進学も就職もそれはそれは大変な努力が必要だった。だから千晶が努力して入社した帝都証券に親会社である銀行から異動してきて、早く銀行に戻りたいと思いながら仕事をしている出向者のことがどうしても好きになれなかった。相馬のことも当初は嫌な奴が来たなと思い反発ばかりしていた。
でも相馬は今までの出向者とまるで違ったのだ。
仕事に対する取り組みはもちろんだが、プロパーの社員である部下達が仕事のやり方や人脈を身に付けられるように親身に指導してくれた。本気で子会社を大きいものにしようとしてくれていることを感じて部下達が彼を慕わないはずがなかった。
千晶も沢山のことを教えてもらった。
数年前ならこんな大きな仕事に一人で向かうなんて考えられなかったなと、千晶は相馬と共に作った資料を抱えながら思った。
そんな相馬から特別な好意を向けられて嬉しくないはずはないのだが、千晶はどうしてもそこに飛び込むことができないのだ。
*****
「あれ? 千晶ちゃん今日一人?」
YNNシステムズは新進気鋭のIT企業らしく、六本木のど真ん中にオフィスを構えている企業だ。
御山の秘書に案内されて、その社長室を訪れた千晶をYNNシステムズを20代で立ち上げた社長の御山が笑顔で迎え入れる。年齢は相馬と同じくらいの30代前半。一人でここまでの大企業に育て上げた人物には見えないくらい飄々としていて、ライトなイメージの男だが、頭の回転が恐ろしく速く、時折見せる常軌を逸したような鋭い視線が千晶は少しばかり苦手であった。
「あ、はい。本日私一人になりますが、何か問題あるでしょうか」
「ううん。問題ないよ。寧ろ千晶ちゃんと二人きりで打ち合わせなんて嬉しいんだけど」
そう言って御山にソファ勧められる。
広い部屋に大きなプロジェクターのモニターとソファにテーブル。あとマッサージチェア。
ワークデスクのようなものは見当たらず如何にも社長室という雰囲気ではなく、 プロジェクターがあるということさえ除けば居心地のよいリビングルームの雰囲気が近い。
「 それにしても、セコム来ないなんて珍し」
「え? 何か言いました?」
小さな声だったので聞き取れず千晶が問うと
「いや、何でもないよ。早速始めようか? 今日は契約書と最終的な合併後の事業計画案の確認だっけ?」
「はい。それでは早速事業計画案の最終チェックなんですが、こちらよろしいでしょうか」
YNNシステムズは、インターネット関連サービスを中心に展開する企業で運営するポータルサイトは知らぬ人がいないほどに有名だ。
長いこと右肩上がりの業績を築いてきたが、飄々とした見た目を裏切って野心家である御山は、他社を買収することによる業績の更なる拡大を目指すべく帝都証券とアドバイザーとしての契約を結んだのだ。
「うん。何度見ても完璧なスキーム。うちの通販サイトのYNNshopsは概ね好調なんだけど、アパレルだけイマイチだったんだよね。だからアパレルのトレンド掴むのが得意なトレジャックスがYNNshopsに入ってくれれば弱点補える。トレジャックスも発送が遅いのがネックで顧客離れが進んでいたけど、ウチの物流システム使えれば当日発送が可能になる。よくこんな条件の合う買収計画作ってくれたよね、千晶ちゃんにはホント感謝だよ」
千晶がプロジェクターに映し出した事業計画を見て御山は満足気な表情を浮かべていた。
「御山さんにそう言っていただくと、こちらもとても嬉しいです」
顧客に満足してもらえるスキームを提案できて千晶も心底ほっとして御山に笑顔を向ける。
トレジャックスは相馬が銀行の融資部にいた頃に担当していた企業の一つであったことから、YNNのスキームを練っていたときに相馬から買収先として勧めてもらったが、買収に及び腰だったトレジャックスの恩田社長をYNNの傘下に入る利点を具体的なシュミレーションと共に連日のようにプレゼンして説得したのは千晶だった。
「俺はさー、もう今作ってあるものを良くすることより全く新しい分野への進出を考えてたからさ。千晶ちゃんの既存のものを生かしてっていうのが最初は保守的に見えたけど、あのトレジャックス傘下にするとかすげぇ案だよ」
そう言って御山は千晶が用意した契約書に目を通す。
そんなときの御山は生き馬の目を抜くようなIT業界で勝ち残った者であるのが頷けるほどに普段の飄々とした雰囲気が鳴りを潜め鋭利なオーラを漂わせる。
相馬に目を通してもらっているのだから間違いはないはずだが、御山の醸し出す空気に薄氷の上に立たされている気分になる。
しばらく肌がヒリヒリと痺れるようなそんな時間が流れた。
そして
「うん、いいね。これで行こう。つーかこれ、千晶ちゃん作ったの?」
御山はようやく千晶に笑顔を向けた。
「はい。私が作成しましたが、法務部と相馬部長のチェックは入ってます」
「いいねー、これ俺の要望どおりちゃんと作れるオメガいるんだ。驚いちゃうな」
「え? すみません、今何と……?」
呟くように言った御山の小さな声を千晶が聞き返す。
「ううん、何でもないよ。千晶ちゃんのお陰で予定より早く仕事終わったね。食事7時からって言ってたけど、折角だし早めにお店で飲も。すげぇご飯も酒も美味しいとこなんだよね」
そう言うと御山は秘書に内線を掛け、車の手配と予約時間より早く店に行くことを連絡するように命じると、千晶を伴ってYNNを後にした。
フロアを出る前に頻りに千晶の心配をする相馬。
「そんなに頼りないですかね……」
思わず千晶が抗議したくなるほどの様子だ。
そこまで心配されるほど仕事が出来ないと思われるのは心外だ。そう思った千晶の様子を察したのか違う、違うというように相馬は首を振る。
「仕事については全く心配してないよ。御山さんかな」
これから会う取引先の相手であるIT企業の社長の名を出されて千晶は首を横に傾けた。
「御山さんが何ですか?」
「千晶のこと妙に気に入ってるから心配なんだよ」
相馬が神妙な顔をして言うので思わず千晶は笑ってしまった。
「御山さんが気に入ってるのは相馬さんと俺のスキームで、俺のことなんかじゃないですよ。ただ、あんなセレブと仕事以外で話してもまっったく話合わないんで、早く来てくれると嬉しいです。この前もクルーザーの話とかされてさっぱりですよ」
誰も千晶のことなんか狙っていやしないのに、いつも相馬はそんな心配ばかりしている。千晶は身長も高くあまりオメガにも見えづらいからそんな心配は無用だといつも言っているのに。
「……あれ御山さん千晶のことクルージングに誘ってたよね。誘われてたの気付いてないの千晶だけだよ?」
「……誘われてないですよ」
「だから、誘われてたんだって」
「っていうかそんなことより早く行かなくていいんですか? 本店の融資部に午後イチですよね?」
埒が明かないやり取りの途中で千晶が言うと、相馬は時計を見て
「あ、もう出なきゃだな。ったく、金融庁の検査入るからって異動した人間呼ぶのってつくづくどうかと思うよなー」
そうは言っても相馬がそれだけ信頼されているということなのだろう。
「ほら、早く上着着ないと遅刻しますよ」
千晶が言って上着を差し出すと相馬は嬉しそうに笑って
「何だか奥さんみたいだね」
と言った。
「俺は奥さんにはなりません。奥さんはもらう方なんで」
千晶の答えに相馬は意味深長に笑うと、ちいさな子供にするようにくしゃりと柔らかい千晶の髪をかき混ぜてフロアを後にした。
ようやく出発した相馬を見送った後、千晶も身支度をして六本木にあるYNNシステムズに向かうべくタクシーに乗り込んだ。
タクシーの中で相馬にチェックしてもらった資料に目を通す。
今でこそ何でも相談できる上司だが、相馬が異動してきたばかりの頃は何かにつけて反発していたなと、資料に走り書きしてある相馬の筆跡を見ながら千晶はぼんやりと思い出した。
千晶はオメガだったので、大学進学も就職もそれはそれは大変な努力が必要だった。だから千晶が努力して入社した帝都証券に親会社である銀行から異動してきて、早く銀行に戻りたいと思いながら仕事をしている出向者のことがどうしても好きになれなかった。相馬のことも当初は嫌な奴が来たなと思い反発ばかりしていた。
でも相馬は今までの出向者とまるで違ったのだ。
仕事に対する取り組みはもちろんだが、プロパーの社員である部下達が仕事のやり方や人脈を身に付けられるように親身に指導してくれた。本気で子会社を大きいものにしようとしてくれていることを感じて部下達が彼を慕わないはずがなかった。
千晶も沢山のことを教えてもらった。
数年前ならこんな大きな仕事に一人で向かうなんて考えられなかったなと、千晶は相馬と共に作った資料を抱えながら思った。
そんな相馬から特別な好意を向けられて嬉しくないはずはないのだが、千晶はどうしてもそこに飛び込むことができないのだ。
*****
「あれ? 千晶ちゃん今日一人?」
YNNシステムズは新進気鋭のIT企業らしく、六本木のど真ん中にオフィスを構えている企業だ。
御山の秘書に案内されて、その社長室を訪れた千晶をYNNシステムズを20代で立ち上げた社長の御山が笑顔で迎え入れる。年齢は相馬と同じくらいの30代前半。一人でここまでの大企業に育て上げた人物には見えないくらい飄々としていて、ライトなイメージの男だが、頭の回転が恐ろしく速く、時折見せる常軌を逸したような鋭い視線が千晶は少しばかり苦手であった。
「あ、はい。本日私一人になりますが、何か問題あるでしょうか」
「ううん。問題ないよ。寧ろ千晶ちゃんと二人きりで打ち合わせなんて嬉しいんだけど」
そう言って御山にソファ勧められる。
広い部屋に大きなプロジェクターのモニターとソファにテーブル。あとマッサージチェア。
ワークデスクのようなものは見当たらず如何にも社長室という雰囲気ではなく、 プロジェクターがあるということさえ除けば居心地のよいリビングルームの雰囲気が近い。
「 それにしても、セコム来ないなんて珍し」
「え? 何か言いました?」
小さな声だったので聞き取れず千晶が問うと
「いや、何でもないよ。早速始めようか? 今日は契約書と最終的な合併後の事業計画案の確認だっけ?」
「はい。それでは早速事業計画案の最終チェックなんですが、こちらよろしいでしょうか」
YNNシステムズは、インターネット関連サービスを中心に展開する企業で運営するポータルサイトは知らぬ人がいないほどに有名だ。
長いこと右肩上がりの業績を築いてきたが、飄々とした見た目を裏切って野心家である御山は、他社を買収することによる業績の更なる拡大を目指すべく帝都証券とアドバイザーとしての契約を結んだのだ。
「うん。何度見ても完璧なスキーム。うちの通販サイトのYNNshopsは概ね好調なんだけど、アパレルだけイマイチだったんだよね。だからアパレルのトレンド掴むのが得意なトレジャックスがYNNshopsに入ってくれれば弱点補える。トレジャックスも発送が遅いのがネックで顧客離れが進んでいたけど、ウチの物流システム使えれば当日発送が可能になる。よくこんな条件の合う買収計画作ってくれたよね、千晶ちゃんにはホント感謝だよ」
千晶がプロジェクターに映し出した事業計画を見て御山は満足気な表情を浮かべていた。
「御山さんにそう言っていただくと、こちらもとても嬉しいです」
顧客に満足してもらえるスキームを提案できて千晶も心底ほっとして御山に笑顔を向ける。
トレジャックスは相馬が銀行の融資部にいた頃に担当していた企業の一つであったことから、YNNのスキームを練っていたときに相馬から買収先として勧めてもらったが、買収に及び腰だったトレジャックスの恩田社長をYNNの傘下に入る利点を具体的なシュミレーションと共に連日のようにプレゼンして説得したのは千晶だった。
「俺はさー、もう今作ってあるものを良くすることより全く新しい分野への進出を考えてたからさ。千晶ちゃんの既存のものを生かしてっていうのが最初は保守的に見えたけど、あのトレジャックス傘下にするとかすげぇ案だよ」
そう言って御山は千晶が用意した契約書に目を通す。
そんなときの御山は生き馬の目を抜くようなIT業界で勝ち残った者であるのが頷けるほどに普段の飄々とした雰囲気が鳴りを潜め鋭利なオーラを漂わせる。
相馬に目を通してもらっているのだから間違いはないはずだが、御山の醸し出す空気に薄氷の上に立たされている気分になる。
しばらく肌がヒリヒリと痺れるようなそんな時間が流れた。
そして
「うん、いいね。これで行こう。つーかこれ、千晶ちゃん作ったの?」
御山はようやく千晶に笑顔を向けた。
「はい。私が作成しましたが、法務部と相馬部長のチェックは入ってます」
「いいねー、これ俺の要望どおりちゃんと作れるオメガいるんだ。驚いちゃうな」
「え? すみません、今何と……?」
呟くように言った御山の小さな声を千晶が聞き返す。
「ううん、何でもないよ。千晶ちゃんのお陰で予定より早く仕事終わったね。食事7時からって言ってたけど、折角だし早めにお店で飲も。すげぇご飯も酒も美味しいとこなんだよね」
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