【完結】幽霊彼女と後悔探しの旅

よーじろー

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三章

二十一話

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 大雅は夢を見ていた。
 家やビルなどの建物が一切ない草原で美波と寝転がっていた。
 お互いの感触を確かめるように手を握り、天を仰いでいる。
 雲一つない空に浮かぶ太陽が大雅達の肌と瞳を焼く。
 それは一週間ほど前に見た夢と全く同じだった。
 
 ――しかし、何故だろうか?
 
 大雅はその時よりも美波の距離が近いことに気がついた。
『――大雅、待っててね。私がすぐに助けてあげるから』
 美波はそう言って、大雅の頬にキスをする。
 以前のような躊躇いは微塵もない。
 柔らかいその感触とふわっと香る彼女の匂いが大雅の心を穏やかにする。
 そのまま美波が大雅の腕に絡みつく。
 
 ――助けるのは僕の方なのに、美波は何を言っているのだろうか。
 
 温かい空気に包まれながら言われる言葉が大雅には理解できなかった。
 最近は特に忙しかったことと夢の中とはいえそんな彼女との時間がたまらなく愛おしかったこともあり、大雅の思考力は遥か遠くのところに置かれていた。
 彼女自身がある種の麻酔薬みたいなものなのかもしれない。
 
 ――成仏しないで欲しい。ずっと一緒にいたい。僕が死ぬまでずっと一緒にいて欲しい。
 
 それが周りのことを度外視した大雅個人の願望。
 もし人間に理性が備わっていなかったならば全力で叶えようとしていた願望であるが、それを現実社会で実行に移してしまったら、美波の思いはどうなるのだろうか。
 美波の心残りは解消されないまま、もやもやした気持ちを大雅の我儘で何十年も持たせてもいいのだろうか。
 それらの疑問を呈しておきながら大雅の気持ちはすでに決まっていた。
 
 ――美波の思いを無視して僕の願望だけを叶えるような……そんな残酷なことは出来ない。徹頭徹尾、僕の目的は決まっている。

 〝美波の後悔を解消し、安心して成仏できるようにすること〟

 それを成し遂げることが美波のためになるのだ、と信じて大雅は自分に出来ることを全力でする覚悟であった。
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