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第2章 カミスナ廃城
7.知能試験
しおりを挟む「階級試験は、この組織での自身の立ち位置を判定する重要な試験だ。主に、貴様らの知能、体力、実戦力などを測り、第一部隊、第二部隊、第三部隊に分けられる。もう一度言うが、この試験には命を懸けて挑戦してもらう!質問がある者は?」
鬼教官は、息継ぎの合間も見せずに説明を終え、質問はないかという、絶対「普通の人」はできないような空気を眼力で作る。
「はいはーい!」
アダムはその時、気づいた。自分の隣に「普通の人」じゃないのがいたことを。
「その試験ってどんなことやるんですかー?知能って計算問題とかですかー?体力って腕立て何回できるかとかですかー?実戦って鬼ごっことかですかー?」
「ブーム!お前!」
ヤドクが慌ててブームの口を塞ぐが、遅く。鬼教官の両拳が打ち付けられる音がした。これから殺人でもするかのような鬼教官の貫禄に、さすがのブームもビビる。
「なら、鬼ごっこは俺が鬼してやろーか?」
「…あ、いえ、結構です」
第一試験内容は、どうやら「知能」を判定するようだった。3人ずつで用意された個室に入る。
「ミアナは?」
「女性団員は少ないから、試験なしでの階級Sなんだってさ」
「なんだよそれ、差別かよ」
「Sになれば、なんかあんのか?」
「んー、オレは高級プライベートルームがもらえるってことしか知らないな」
「ブームの情報は、役に立たないよね、常に」
「あ、酷いぞ!ヤドクー!」
白いテーブルに用意された一通の封筒。この試験の詳しい内容が記入されていることは、一目瞭然だった。ヤドクは既に窓やら壁やらを見ながら、部屋中を往復していた。だいたい、この試験がどういうものなのかは検討がつく。
「ヤドク。お前の分野だ」
「りょーかい」
【この部屋から脱出しろ】
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