セカンドアース

三角 帝

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第4章 サロキダ戦

5.ルーラー蟻

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  迅速果断なスネーク。縦横無尽のラビット。臥竜鳳雛のフラッグ。そして…疾風怒濤のクロウ…

「ブーム!ブーム起きて!」

  パラは後部座席の二人を振り返る。ミアナがブームの介護をしているところであったが、そんな時間もなく、怪我したブームを叩き起こさなくてはならなかった。
  戦況は悪化していた。クロウを武器とするアダムでさえ、ノーベの天地逆転には逆らえない。上空で指示を出すヤドクでさえも、その影響を受け、なかなか思ったように視野にノーベを入れられない。
  パラは悔しさと屈辱に舌を噛みしめる。
  自分の力では、ノーベを倒すことなど絶対に不可能だ。まともに戦えるブームやあの二人のように、ワタシは強くない。

「……なに……してる…」

  ブームの声だった。パラはその言葉が自分に向けられたものだと悟る。

「…どうし……て、たす…け……な、い」

  握りしめた赤い鉱石を見つめ、パラは強く目を瞑る。ふと外の光景に目を移す。必死に戦う二人の姿があった。何故、何故あいつらはこうも命懸けで戦える?なんのために?なにが目的だ?

「……ワタシは…弱い。だから……」
「弱い奴は…強くなれる……」

  ブームはそう笑った。死にかけのような、その笑顔に、パラはどことなく儚さを感じた。
  強くなれる……そんな言葉は今まで、聞いたこともなかった。
  パラは、一度強く自身のストレージストーンを握り、車内から飛び出した。

「死ぬなよ」
「……ワタシが死ぬとでも?」

  ストレージストーンを地面に打ち付ける。弾けた結晶が宙で煙となり、個体となる。徐々にその形が明らかになり、パラは大きく息を吸う。

「アント!」

  パラの声が響き、個体を巨大化させる。風が吹き、髪を揺らす。
  現れたのは、全長1メートルほどの巨大アリ。
  パラは、アントにまたがり、アントの頭の付け根に指をそっと置く。

「蟻地獄…」

クゥギぉォォォオオオオ

  アントの雄叫びが轟き、続けて辺りに光が放出される。その光が形を変え、大量のアリの軍隊へと変わる。

「乱蟻地弾!!」

  パラの指示で、アリたちの体制が崩れ、轟音と共に、底が抜ける。自由落下が始まり、底のない暗い穴がパラを飲み込む。

「……全部…吹き飛ばせ…!」

  アリたちの螺旋が暗闇に消える。
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