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第4章 サロキダ戦
6.サロキダ戦
しおりを挟む「ど、どうなってんだよ!」
アダムは上空に浮かぶ青いカエルを見上げた。ゆらりゆらりと視点の合わない上空。足元のもつれる歪んだ地面。その全てを作り出しているのが、この目の前にいる緑髪の大男であることは、一目瞭然だった。
まるで、詠唱でも唱えるかのような、男の深妙な表情。閉じられた瞳に映る、もう一つの瞳は、アダムたちを拘束しているようにも思われた。
「分からないんだ!だけど、フラッグの様子がおかしい!」
ヤドクの声が聞こえ、それと同じくしフラッグの嘆き声も聞こえた。アダムは背後で控えるクロウを振り返る。涼しげな表情をしているが、強力な重圧からアダムを守るために地面に足爪を突き立てている。
「クロウ!あの男にもう少し近づけないか?」
接近戦タイプのクロウ、このように長距離での攻撃は向かない。出来る限り、近づけなくては。
クロウの巨体が、アダムの指示に従ってゆっくりと前進する。しかし、片足を地面から離した瞬間に、クロウはバランスを崩し、アダムは地面に放り投げられた。
グゴゴォォァォォォオ
クロウが慌てたように駆けつけ、アダムを庇う体勢にはいる。翼からは赤い血液が滴り落ち、クロウの体を蝕んでいた。
「クロウ!ダメだ!いったんストレージストーンに戻れ!」
クロウの体がストレージストーンに吸い込まれ、遮りを無くしたアダムの体に強烈なまでの重圧がかかる。
こんな重圧。よく堪えることができたな。
心の中で、クロウを褒め、アダムは足の力を抜いた。重圧がアダムの体を吹き飛ばし、内臓を抉り出そうとする。吐き気を堪え、アダムは腰の拳銃を引き抜く。猛烈な勢いで体を回転させながら、アダムは引き金を引いた。
銃声が僅かに聞こえた。
「ヤドク!10メートル範囲だ!」
「…三時の方向!右に回って!」
銃声で、アダムとノーベの位置を霧の中から察知し、ヤドクは指示を出す。
アダムの銃声がもう一発。
「次は左…………そこだ!」
アダムは素早く黒石を取り出し、地面に打ち付ける。砕けた結晶が形を変形させ、クロウが再び現れる。
「クロウ!!」
グゴゴォォァォォォオ!!
黒の鉤爪が、弧を描き、標的に突き刺さる。何かが抉れる音がして、続いて現れたのは緑のマントを体に巻きつけた緑髪の大男だった。
「隠れてねぇで、さっさ出てくりゃ良かっただろ?おっさん」
「…お前が、じゃないのか?」
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