セカンドアース

三角 帝

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過去編 遠い日の

5.雨の夜

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  警官によって、無理矢理連れてこられた孤児院は、孤独だった双子にとって、牢獄のような場所だった。
  2人並んで、革の禿げた汚いソファに腰掛け、孤児院の先生。とやらを待っていた。

「なぁ、ヤドク。なんでオレら、こんなことになってんだろーな」
「またボクらが、盗みを働かないように、保護者的立場の人間を作ろうとしてるんじゃないの?」
「面倒くさいなぁ~そんなの要らないのに」

  扉が開いた。軋んだ木製音。
  修道着を着た熟年の女性が顔をだす。笑顔だ。

「あの人、なんで笑ってるのかな?」
「さぁ、ボクらを預かるかわりに、お金でももらったんじゃない?」

  ボソボソと会話し、2人揃って向きを変える。視線の中央に先生を入れ、同じ顔の少年たちは、またもや同じ顔の笑顔を作る。

「「初めまして!先生!」」

  思いは同じだ、ここから脱出する。

「あら、随分と礼儀正しいのね、嬉しいわ、どんな子たちかって心配していたのよ」

  先生の笑顔。どうせそれも作り物だろう。

「私は、あなたの保護者にはなれないわ」

  突然の言葉だった。
  普通だったら、大人っていうのは、大人ぶって「今日から、あなた達は、私の息子よ」的なことを言いそうなものだ。

「でも、努力はするの。あなた達の先生になれるようにね」

  本物だった。本当の笑顔だった。

「今日から、ここで、一緒に生きましょう?」

  その日、ボクらは初めて子供になれた。
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