セカンドアース

三角 帝

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第6章 ナジプト国

4.赤い点

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「いきなり出動って、なかなかじゃない?てか、アダムも帰ってこねーし」
「会議には一応席はあったよ?だけど、欠席だってね、なかなかの勇気だよ」
「アダムらしいな」

  ナジプト国は、噂とギャンブル好きが集まる、いけない雰囲気のある国だ。と聞いたことがある。人とすれ違うたびに、背筋に寒気が走るような、そんな感覚があった。

「で?ヤドク、今回の任務は?」

  足にスネークを巻きつけ、加速度をあげたブームは、紫色の塀を蹴るたびに、大きな傷跡をつけていた。靴と塀の固い壁が擦れるたびに、熱を帯びた空気が弾ける。
  ヤドクは、青蛙の背中で、パラから奪い取った本を広げる。

「ボクらの任務は、ナジプト国王の保護だ。うまくいけば、国王を本部に連れて行く。もし、遭遇した場合は…」
「ぶっ殺す…ってわけか」
「まぁ、ぶっ殺す。ことができればだけどね。この頃、レブルブルートップ集団がやけに戦闘に加わって来るんだ」
「オレたちが怖いから、とかじゃないの~?」
「そうだといいけどね」

  しばらく、高速移動を続けていると、焦げ臭い臭いが鼻をついた。
  ふと顔をあげる。

「なんだありゃ」
「火事?」

  もくもくと立ち込める赤い煙が、ナジプトの紫色を今にも飲み込もうとしていた。四年前と同じ景色だった。毒々しいほどの赤い煙。

「おかしい…目くらましか…?」
「なぁ、あれって、四年前の……」
「…うん、それと同じ煙だ」

  ブームの姿が消える。速度の出ていた青蛙を止め、振り返る、ブームの足が壁を擦り、向きを90度変え、その向きで壁を蹴る。路地を横断する、緑色の影。あの速度を出されたら、追いつける自信はなかった。

「おい!ブーム!国王はどうするんだ!」
「お前も知りたいだろ!?みんなを奪った…あの火事の元を!」
「そりゃ…知りたいけど……」

  ヤドクの返事を待つこともなく、スネークが加速を更にあげる。空気抵抗を押しのけ、ブームごと空間に放り出した。

「……ふぅ、まったく…………」

  ふと下の青蛙を見る。青い色が鮮やかだ。優しい巨大な瞳には、ブームの後ろ姿が映っていた。

「…フラッグ、場所、分かるか?」

  まるで、分かるとでもいうように、フラッグの口が大きく開かれる。口から半透明の巨大パネルが飛び出し、ヤドクの目の前で停止する。パネルに指を走らせ、素早く火柱の火元を探す。ナジプト国の全体地図が表示され、赤い点がいくつか見えた。

「レブルブルー…?接近が速いのが1人いる」

  光速。といっても良いだろう。地図上を悠々と移動する赤い点が一つあった。ブームではない、行く方向が違うのだ。真っ直ぐにナジプト城へ向かっている点だ。赤い点が徐々に増えていく、レブルブルーの数が増加しているのだ。
  それにしても、奴らの接近が早過ぎる。シーレッドに指令が出たのは、ついさっきの事。何故だ?情報が漏れた?

「フラッグ。西市街区だ。あの赤い煙を辿れ」

  フラッグの体が上下に揺れ、大きな浮遊感を与えた。赤い煙が立ち上っている。随分と近くまで広がっているようだ。このままでは、ナジプト国全土が、あの赤い煙に飲み込まれてしまう。もしかすると、ブームはそのことも想定して、あのような行動をとったのか?

  青蛙の巨体が動き出す
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