セカンドアース

三角 帝

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第6章 ナジプト国

8.誓えぬ約束

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  耳を唸る機械音に、アインは肩を怒らせた。耳障りなその声が、アインの決意を揺らがせる。

『何をしている?アイン』

  落ち着いた、何処か逆らえない何かを持つその声に、無性に腹が立った。アインは無言で通信機の向こうの、相手の息遣いを聞いていた。銀の小銃を腰に仕舞い、物音一つなく立ち上がる。辺りは赤黒い煙に包まれつつあった、もう少しすれば、この紫色に染められた国も、四年前のあの国同様に燃え尽くされるのであろう。

『勝手な行動は謹んでもらおうか?黒髪はどこだ?』
「……。」
『応答しろ、アイン・アレス』
「……なぁ、アク。俺をなんで…レブルブルーに入れた?」
『そんな事は聞いていない、黒髪はど…』
「聞いているのはこちらだ、黒髪の居場所が知りたければ、それに答えろ」
『僕に逆らうのか?』

  耳から通信機を剥ぎ取り、燃え上がる炎の中に投げ捨てる。

「……クソッ」

  もう、どうだっていい。

「お兄ちゃん」

  後ろから声がした。先ほどの少年と同じ声だ。いや、違うか。この声は…

「なに?」
「……戻ってきて」

  掠れた声だ。泣きそうな声だ。

「…何処に戻ればいい?」
「待ってるから」
「本当に待っていてくれるのか?」
「…約束。する?」

  アインはふと笑う。

「……しないよ、バーカ」

  幻聴でもいい。あいつともう一度会いたい。

「……戻らないのは、お前だろ?イヴ」
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