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第7章 ハリスナ国
6.レパート・タイ
しおりを挟む同化を起こす可能性がある者が何人か存在する…。その者達は、ルーラーシステム内でもトップクラスのルーラーと結合する。
ふと思うことがあった。
ブームのスネークは、敏捷力面で見ても、ルーラーの中ではずば抜けて高い。ミアナのラビットだって、シールド効果を持つルーラーはラビット以外には存在しない。それに、ボクのフラッグだって、ここまで偵察機能に特化したものはないと聞いた。そして…アダムは……
つまり、そのトップクラスのルーラーの適合者というのは、ボクらのことではないのか?と。
「…クロウという名のルーラーはご存知ですか?」
ヤドクの問いに、国王は左耳をヒクつかせた。
「もちろんだとも。第一ルーラーシステム成功体だ」
「第一!?え、つまり、アダムのクロウは…」
ブームが、質問の意図を察したかのように、目を丸くしヤドクを見た。ヤドクはブームに軽く頷きかけ、国王の方に向き直る。
「……クロウは、危険だと言われていた。それは、同化して組織内部への被害が考えられたから…確かに、それは考えられるのですが…シーレッド長官、レパートは、クロウの適合者であるアダムという少年を殺そうとした…それは一体、どういった意味があるのでしょうか?」
「……同化には、2つの危険がある。一つは、内部への被害が加わる可能性…そして、もう一つは、核の守護を担う存在になるという特性」
「核の守護?」
「…………ルーラーは、ただの機械ではない。普段は感情がないが、同化することによって自我を持ち、自分の意思で活動を始める。その少年アダムという奴は、かなり同化の危険性が高かったのだろう…レパートという奴は……」
そこでふと言葉を切り、国王はヤドクの方を見た。
「そいつは…味方か?」
一瞬だけ息を飲んだ。シーレッドの長官だと言った。それにも関わらず、国王は味方かと質問を重ねたのだ。
「……それは、核の武器化に失敗したことからの、長官に対する不信感ですか?」
「まぁ、そんなものだろう。味方なら、まだ正当な理由として、単純に同化は危険と言える。だが、もしそいつが何らかの目的があるというのなら……そのアダムという奴をなんとしても殺さなくてはならないだろうな」
「……どういうことです?」
「…………核の守護は、ルーラー本体が自身の安全を守るために行う、本能的行動だ。核が失われば、自身も失われることとなる。生きるための行動とも言えるだろう…同化は、そういった面でとても危険なのだ」
「危険?核が守られていれば、ルーラーの消滅は免れるし、ルーラー最強であるクロウが守護につけば、シーレッドにとってメリットなんじゃないの?どうせ、核っつっても武器化に失敗したんだろ?危ないだけじゃん」
「……それがもし、その核がシーレッドの下にはなく、レブルブルーの下にあったとしたら?」
そうか。そういうことだったのか。
頭の中で、全てが繋がるかのようだった。
「つまり……長官の行動が、レブルブルー側の味方になる可能性もある」
「ど、どういうことだよヤドク!意味わかんねぇよ!オレやっぱ馬鹿だ!」
「馬鹿なのは知ってる…簡単に言えば……武器化は完全に失敗したのではなく、眠ってるんだ……目覚める日がいつか来る」
「あぁ!武器化が成功すれば、クロウを超える最強のルーラーが出来る。そんなものをシーレッド側が持っていれば…」
「…レブルブルーが黙っているわけがない」
「……奪い合いか…」
「だから、レブルブルー側に奪われてしまったってわけか?」
「失態だな」
レブルブルー側が核を所持することにより、核を守護する。クロウとアダムの同化によって行われるその行動は、レブルブルー側にとって、武器化を阻止することに繋がる。
「そして……国王陛下。その核とは……」
全てが、ヤドクの思考の中で噛み合い、そして、停止した。
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