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第10章 ハリスナ殿
6.純白の独裁者
しおりを挟む「あぁ、そうしようかな」
そんな返事があったと思えば、前方に突っ立ったままのレパートが、羽織った黒コートを雑に剥いだ。黒コートの描く軌道と、その下から浮かび上がったもう一つの純白とが交互に入れ替わり、黒色が拭われたときには、既にそこにレパートの姿はなかった。
現れたのは、白髪を僅かな風に揺らす、銀眼の男だった。口元に浮かべるその嘲笑に、ヤドクは絶望する。
「…アク……アルテミス…………」
「やぁ、この姿でお会いするのは初めてかな?ヤドク・カーマンくん」
アクの周りを白い物体が蠢きあっていた。
長い幾つのも尻尾を、中央から生やし、まるで1本1本が生きているかのように重なり合っては離れを繰り返している。凛としたつり上がった大きな瞳が、その化け物の化け物ぶりを語る。
「これが僕のルーラーだ。まだ紹介してなかったよね?ホワイトホックス、白狐だよ。化ける能力があるんだ」
「……つまりお前は、そのルーラーを使って、レブルブルー長官であることを隠し、シーレッドの長官として、これまで息を潜めてたっわけか」
「あぁ、そういうことになるね。さすが天才君、冷静に物事を受け入れられる子は好きだよ」
アクはそれ以上何かを言うわけでもなく、プロトを振り返る。ボソボソと一言づつ会話を交わし、アクとプロトはクリスタのまだ奥深くへと足を進め始めた。
「…おい!待てよ!どこにいく!」
「ん?あ~そうそう君も来る?僕ら今から、この世界壊滅させるからさ、観客いないと楽しくないんだよね~あ、ついでに君、すんごく頭良いし、僕らの仲間に…」
「…黙れ……お前らの仲間になんか、死んでもならない…」
「あれ?そう?なら、別にいいけど…プロト~この子殺っちゃっていいよ。使えないみたいだし」
「……お前が殺ればいいだろ」
「え~僕、戦いは嫌いだよ~」
プロトは一つ短いため息を吐き、ヤドクの方へゆっくりと歩いてくる。その堂々とした歩みに、彼の強さが伺える。
「すまないが…ボスからの命令なもんでね」
「…いいですよ。ボク、そんなに簡単に死ぬ気ないんで」
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