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番外編 セカンドアース日常
7.同室の赤髪
しおりを挟む重い瞼を持ち上げると、そこに広がるのは醜い記憶の夢と、現実という今の境界線。
フェルは、根元から呪いのように張り付いた金色の頭を雑にかきむしり、口内のネバネバに眉間を寄せる。ベッドから体を起こし、ベッドの縁に腰を下ろす。
いつもとなんの変哲もない室内に、一つ見覚えのないものが写り込んだ。
「あ?」
反射的に喧嘩腰の言葉が出る。
広々とした殺風景の部屋の中に、一つ、フェルと同じ造りのベッドが配置されていた。
その後の行動は早かった。
それが何を表しているのか悟り、銀拳を発動させると、あっと言う間にクソヤローの部屋の前に屹立した。
ノックもなしに、その扉をこじ開ける。鍵がかかっているのだろうか、ドアノブはビクともしない。
「おいプロト!居留守だろ!?さっさ開けろ!テメェおれの部屋に誰いれるつもりなんだよ糞が!」
扉の向こうで何かしらの気配を感じ、フェルはほんの少しの助走と、ほんの少しの速度でその扉を蹴破った。
扉が粉砕し、部屋の中で優雅に空を仰ぐプロトと、見慣れない髪色の男が、小テーブルを挟んで雑談中のようだった。
プロトは不愉快そうにフェルを睨み、軽くため息をつくと、目の前にいる赤髪の男を顎で指す。
「彼が、俺らの仲間入りを果たした、アインだ。今日からお前の先輩…ってことになるな」
紹介された赤髪の男は、そのポーカーフェイスの瞳で、フェルに軽くお辞儀する。フェルはそれらを全て掻き消すように近くの窓ガラスを叩き割る。破片が辺りに飛び散り、プロトの表情が更に嫌気をさす。
「……ざけんなよ……プロト。お前のおふざけにはもう懲り懲りなんだよ…」
「ふざけてなんかないんだがな。年齢的にも割と近いみたいだし、能力的な問題でも君よりは高いように評価しているが?」
「んな問題じゃねぇよ……そいつとおれを同室にするのに意味があんのかって言ってんだよ」
「そんなにシェアが嫌いなのか?相変わらず協調性のない奴だな、フェル。そんな風に育てたつもりはないが?」
「何が育てただ…お前はおれらに液体流し込みにきただけだろ」
しばらくの沈黙の後、ふと席を立ったのは、新人レブルブルー団員のアインだった。
「……俺、部屋無くても、別にいい」
それだけ言い残すと、赤髪の男はその場を去った。
その気配と、感じる体温の低さに、さすがのフェルも背筋に寒気を感じた。
「…………なんなんだよ、あいつ」
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