13 / 15
スライム助けたい
しおりを挟む
涼介は死んだように眠っているスライムの傍に戻った。半透明な体の中で小さな心臓が脈打っているのでまだ生きていることが確認できる。
改めてよく見てみるとまるでクラゲのようだと思った。クラゲに心臓があったかどうか涼介には思い出せなかったが、クラゲにはなかったとしても外から心臓の動きが見ることの出来る透明な生き物が海にはいたはずだ。
涼介がしばらくその小さな心臓の動きを観察していると突然逆流しはじめた。心臓の右から左へ粒子が移動していたのが、左から右へ移動し始めたのだ。涼介は驚き、このままでは死んでしまうのではないかと心配した。
しかし、どうやら心臓の逆流は約一分間隔で定期的に起こっているようだ。
このスライムにとっては時々血流が逆流するのが本来の動きなのだろう。なぜなのかよく分からないが、とても不思議だった。効率は悪いに違いない。しかし、左だろうが右だろうが血液を一生懸命運んでいる。そのけなげな心臓の動きを見ていると、涼介はこのスライムを助けたいと強く思った。
しかし、スライムは明らかに弱ってきていた。呼吸は浅く早くなり、心臓の動きも活力が無くなってきている。スライムの命は多分あと数時間しか持たない。涼介は居てもたってもいられなくなり、痛い体に鞭打って食料を探すことにした。何とかして早く栄養のあるものを見つけなければならない。
手当り次第草を抜き、その葉や根っこが食べられるか噛んで確かめてみた。しかし、どれもこれも苦くて時には舌が痺れるような感触のものもあった。焦れば焦るほど作業は雑になり、同じような草ばかり抜いていた。
落ち着け、落ち着け、落ち着け
できるはず、できるはず、できるはず
そう唱えながら動き回ったが体力の限界が来た。
舌も痺れて味が分からない。
涼介は一旦体力の回復に務めた。その間も頭はフル回転させて食べれるものを見つけ出そうとした。涼介の血走った目がギョロギョロと辺りを見回す。
焦るな。
きっと答えはあるはず。
俺はクイズが得意じゃないか。テレビのクイズ番組のように冷静に答えを見つければいいんだ。
ところが涼介の弱気が芽を出してきた。
テレビのクイズ番組には100パーセント答えがあるが、今の状況に答えがあるのかどうか分からないじゃないか。
もし、答えがなかったら考えても無駄じゃないか。
涼介の心はだんだんと不安に支配されて苦しくなってきた。
自分の無力さに絶望した。
自然と涙が出てきた。
健気に動くスライムの心臓を思い出すと涙がさらに溢れてきた。
あともう少し、あと数分頑張ってみよう。
たとえスライムが死んだとしても後悔しないように全力を出し尽くそう。
そう思った時、結果を恐れない気持ちが現れて心が落ち着き、すーと辺りの気配が感じられた。
この林の中には沢山生き物がいるじゃないか。虫や小動物や鳥など視界に入るだけでも様々な生き物がいる。
こいつらは何を食べているのだろう。
ふとそう思った。
涼介は草むらの影に潜んで観察した。鳥は果実をつついていた。しかし、果実はなっている場所が高すぎて手が届きそうにもなかった。
木の幹をリスが下りて来た。リスは地面に穴を掘り何かを埋めて去っていった。
涼介はリスに申し訳なく思いながら、埋めた場所を掘り返した。そこには木の実が埋まっていた。涼介は木の実をいくつか手に入れた。
しかし、とてつもなく硬い殻に覆われていて食べる事が出来ない。
改めてよく見てみるとまるでクラゲのようだと思った。クラゲに心臓があったかどうか涼介には思い出せなかったが、クラゲにはなかったとしても外から心臓の動きが見ることの出来る透明な生き物が海にはいたはずだ。
涼介がしばらくその小さな心臓の動きを観察していると突然逆流しはじめた。心臓の右から左へ粒子が移動していたのが、左から右へ移動し始めたのだ。涼介は驚き、このままでは死んでしまうのではないかと心配した。
しかし、どうやら心臓の逆流は約一分間隔で定期的に起こっているようだ。
このスライムにとっては時々血流が逆流するのが本来の動きなのだろう。なぜなのかよく分からないが、とても不思議だった。効率は悪いに違いない。しかし、左だろうが右だろうが血液を一生懸命運んでいる。そのけなげな心臓の動きを見ていると、涼介はこのスライムを助けたいと強く思った。
しかし、スライムは明らかに弱ってきていた。呼吸は浅く早くなり、心臓の動きも活力が無くなってきている。スライムの命は多分あと数時間しか持たない。涼介は居てもたってもいられなくなり、痛い体に鞭打って食料を探すことにした。何とかして早く栄養のあるものを見つけなければならない。
手当り次第草を抜き、その葉や根っこが食べられるか噛んで確かめてみた。しかし、どれもこれも苦くて時には舌が痺れるような感触のものもあった。焦れば焦るほど作業は雑になり、同じような草ばかり抜いていた。
落ち着け、落ち着け、落ち着け
できるはず、できるはず、できるはず
そう唱えながら動き回ったが体力の限界が来た。
舌も痺れて味が分からない。
涼介は一旦体力の回復に務めた。その間も頭はフル回転させて食べれるものを見つけ出そうとした。涼介の血走った目がギョロギョロと辺りを見回す。
焦るな。
きっと答えはあるはず。
俺はクイズが得意じゃないか。テレビのクイズ番組のように冷静に答えを見つければいいんだ。
ところが涼介の弱気が芽を出してきた。
テレビのクイズ番組には100パーセント答えがあるが、今の状況に答えがあるのかどうか分からないじゃないか。
もし、答えがなかったら考えても無駄じゃないか。
涼介の心はだんだんと不安に支配されて苦しくなってきた。
自分の無力さに絶望した。
自然と涙が出てきた。
健気に動くスライムの心臓を思い出すと涙がさらに溢れてきた。
あともう少し、あと数分頑張ってみよう。
たとえスライムが死んだとしても後悔しないように全力を出し尽くそう。
そう思った時、結果を恐れない気持ちが現れて心が落ち着き、すーと辺りの気配が感じられた。
この林の中には沢山生き物がいるじゃないか。虫や小動物や鳥など視界に入るだけでも様々な生き物がいる。
こいつらは何を食べているのだろう。
ふとそう思った。
涼介は草むらの影に潜んで観察した。鳥は果実をつついていた。しかし、果実はなっている場所が高すぎて手が届きそうにもなかった。
木の幹をリスが下りて来た。リスは地面に穴を掘り何かを埋めて去っていった。
涼介はリスに申し訳なく思いながら、埋めた場所を掘り返した。そこには木の実が埋まっていた。涼介は木の実をいくつか手に入れた。
しかし、とてつもなく硬い殻に覆われていて食べる事が出来ない。
0
あなたにおすすめの小説
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
ねえ、今どんな気持ち?
かぜかおる
ファンタジー
アンナという1人の少女によって、私は第三王子の婚約者という地位も聖女の称号も奪われた
彼女はこの世界がゲームの世界と知っていて、裏ルートの攻略のために第三王子とその側近達を落としたみたい。
でも、あなたは真実を知らないみたいね
ふんわり設定、口調迷子は許してください・・・
レベル1の地図士は、世界の裏側を知ってしまった
あめとおと
ファンタジー
異世界に転移した主人公が得たスキルは【地図作成】。
戦闘能力ゼロ、初期レベル1。
冒険者ギルドでは「外れスキル」と笑われ、
新人向けの雑用クエストしか回ってこない。
しかしそのスキルは、
ダンジョンの隠し通路、未踏破エリア、消えた古代文明の痕跡まで“地図に表示する”
という、とんでもない能力だった。
生き残るために始めた地味な探索が、
やがて世界の秘密と、国家すら動かす大冒険へ――。
これは、
戦えない主人公が“冒険そのもの”で成り上がる物語。
同作品を「小説家になろう」で先行配信してます。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―
Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる