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第7章 王立ポーラルタオ魔法学院編
にわか探偵ネイサン ⑥
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「お久しぶりですねジョナサン様。」
以前はボルネオール侯爵家の上級メイド服を着ていた彼女…ミケルは貴族令嬢の旅装をしていた。
「ああ…久しぶりだなミケル。
ズーラシアン王国への旅の時は、世話になったな。
まさかここでまた会えるとは、思っていなかったよ。」
ミケルは俺達と別れた後、ズーラシアン王国のタイガ王子の伝を頼って、家族を探したそうだ。
唯一の手掛かりは、父親の形見だという《KIYOSI・U》と名前の彫られた壊れた懐中時計のみ……
彼女の話によると、父親は【ウメモト キヨシ商会】の会長《キヨシ・ウメモト》氏の長男《タケル・ウメモト》だったそうだ。
結婚に反対された彼女の両親は、ズーラシアンから駆け落ちし、そのまま行方不明になっていた。
ウメモト氏側は息子と人族の嫁を探し、ミケルさんの方は獣人の父親の親族を探していた。
ミケルの猫耳と尻尾は、どうやら覚醒遺伝だったらしく、その所為でお互い見つけられずにいたそうだ。
ウメモト氏の年齢的な事もあり、『長男とその家族を探している。』と発表したら、『我こそは!』と名乗り出た者が大勢押し掛けて来た。
流石に息子を名乗る者はいなかったそうだが、嫁や孫と名乗る者の所為で商会は大混乱……
現在、商会を運営しているウメモト氏の次男、カケル氏がタイガ王子に『なんとかならないか?』と相談。
その話を聞いて、もしやと思いミケルを引き合わせたところ、形見の懐中時計とウメモト氏の亡き妻そっくりの容姿から、一気に彼女が本物の孫の有力候補者になった。
それを知った他の候補者に命を狙われ、その時助けてくれたタイガ王子の三男と婚約。
『来年には結婚する。』と、嬉しそうに報告してくれた。
普通なら、商人の孫と王族では身分が足りず、結婚出来ない。
しかしミケルが以前、銀行強盗の人質になったケイト先輩を救った事もあり、ボルネオール家の親戚のホープス伯爵の養女になり伯爵令嬢として嫁ぐ事になったそうだ。
(国立ユイナーダ学園高等部③ どうやらボクは名探偵らしい【連載版】参照)
確かに伯爵令嬢なら王族と結婚できる。
ボルネオール侯爵家で上級メイドをしていたので、マナーはしっかりできているし。
念の為、ズーラシアン王国にも配備された【鑑定の魔道具】で確認したところ、彼女は確かにウメモト氏の孫だと確認された。
最初から【鑑定の魔道具】を使えば良いと思うだろうが、アレはまだ台数が少なく貴族が使う物なのだ。
今回は大商会のウメモト氏の懇願とタイガ王子の頼みで、特例として許可された。
嫁ぐ相手が王族とはいえ、継承権の低い第五王子の三男だから、ズーラシアンの貴族達もあまり気にしなかったらしいが……
だが庶民からしたら、たいしたシンデレラストーリーだ。
ズーラシアン王国では、今一番の話題なんだそうだ。
(この世界にも稀人がもたらした様々な童話や昔話が、多少形を変えて伝わっています。)
以前はボルネオール侯爵家の上級メイド服を着ていた彼女…ミケルは貴族令嬢の旅装をしていた。
「ああ…久しぶりだなミケル。
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まさかここでまた会えるとは、思っていなかったよ。」
ミケルは俺達と別れた後、ズーラシアン王国のタイガ王子の伝を頼って、家族を探したそうだ。
唯一の手掛かりは、父親の形見だという《KIYOSI・U》と名前の彫られた壊れた懐中時計のみ……
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結婚に反対された彼女の両親は、ズーラシアンから駆け落ちし、そのまま行方不明になっていた。
ウメモト氏側は息子と人族の嫁を探し、ミケルさんの方は獣人の父親の親族を探していた。
ミケルの猫耳と尻尾は、どうやら覚醒遺伝だったらしく、その所為でお互い見つけられずにいたそうだ。
ウメモト氏の年齢的な事もあり、『長男とその家族を探している。』と発表したら、『我こそは!』と名乗り出た者が大勢押し掛けて来た。
流石に息子を名乗る者はいなかったそうだが、嫁や孫と名乗る者の所為で商会は大混乱……
現在、商会を運営しているウメモト氏の次男、カケル氏がタイガ王子に『なんとかならないか?』と相談。
その話を聞いて、もしやと思いミケルを引き合わせたところ、形見の懐中時計とウメモト氏の亡き妻そっくりの容姿から、一気に彼女が本物の孫の有力候補者になった。
それを知った他の候補者に命を狙われ、その時助けてくれたタイガ王子の三男と婚約。
『来年には結婚する。』と、嬉しそうに報告してくれた。
普通なら、商人の孫と王族では身分が足りず、結婚出来ない。
しかしミケルが以前、銀行強盗の人質になったケイト先輩を救った事もあり、ボルネオール家の親戚のホープス伯爵の養女になり伯爵令嬢として嫁ぐ事になったそうだ。
(国立ユイナーダ学園高等部③ どうやらボクは名探偵らしい【連載版】参照)
確かに伯爵令嬢なら王族と結婚できる。
ボルネオール侯爵家で上級メイドをしていたので、マナーはしっかりできているし。
念の為、ズーラシアン王国にも配備された【鑑定の魔道具】で確認したところ、彼女は確かにウメモト氏の孫だと確認された。
最初から【鑑定の魔道具】を使えば良いと思うだろうが、アレはまだ台数が少なく貴族が使う物なのだ。
今回は大商会のウメモト氏の懇願とタイガ王子の頼みで、特例として許可された。
嫁ぐ相手が王族とはいえ、継承権の低い第五王子の三男だから、ズーラシアンの貴族達もあまり気にしなかったらしいが……
だが庶民からしたら、たいしたシンデレラストーリーだ。
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