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アルスの正体
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レオンはこれから生涯を一緒に過ごすアルスに出会えた事が嬉しくて、アルスにしきりに話しかけていると、おもむろに校長の契約精霊トームとラナの契約精霊アクアが、レオンの足元にひざまずいて言った。
「アルスさま。お久しゅうございます」
「アルスさま、お初にお目にかかります。アクアと申します」
いきなり校長と担任の先生の契約精霊にかしずかれ、レオンは面食らってしまったのだが、当のアルスはおうように答えた。
「トームか、久しいな。アクアはレオンの指導者の契約精霊なのだな?これからオレ様も世話になる。よろしく頼む」
アルスの大人びた返答に、レオンは彼の幼い顔をまじまじと見つめた。やはり幼児の姿は外見だけで、実際は大分年上なのかもしれない。
レオンが状況についていけなくて、目を白黒させていると、アルスはトームに質問した。
「のう、トーム。お主は天界でも博学であった。何故オレ様はこんなちびっ子の姿なのじゃ?」
トームは小さな身体をさらに小さくして、かしこまって答えた。
「恐れながら、アルスさま。わたくしの見解を申し上げるなら、アルスさまは尊いお方。わたくしどものようにそのまま天界から、人間界にやって来る事ができなかったのでしょう。そのため、無意識のうちに、ご自身のお身体を、人間に作りかえたのでしょう」
「うむ、そうか。オレ様は人間になって天界からやって来たのだな?するとオレ様はこれから人間として成長しなければいけないのだな。・・・!それって、とっても時間がかかる事ではないか?!」
それまでふむふむと聞いていたアルスが大声を出した。アルスはこの小さな身体が不満なようだ。レオンはアルスが大きくても小さくてもたいした問題ではないように思えた。これから二人でゆっくり成長していけばいい事だと思ったからだ。
ラナはクラスの生徒たちに自習をさせている手前、教室に戻らなければいけない。レオンもまたしかりだ。
ラナは申し訳なさそうに校長に一言断ってから、レオンとアルスをうながして、教室に戻った。
レオンがアルスを抱っこして教室に戻ると、クラスメイトたちが拍手で迎えてくれた。レオンは胸が熱くなった。
幼なじみのルーカスとラウラがレオンにいち早く駆け寄り、レオンの契約精霊を紹介してくれとせがんだ。レオンはアルスを抱き直しながら言った。
「この子はアルスって言うんだ」
すると、それまでルーカスの肩にとまっていたシルフィと、ラウラのとなりに立っていたフレアの顔がにわかに青くなり、慌ててレオンの足元にひざまずいた。
シルフィとフレアの態度を見た、クラスメイトと契約している精霊たちも、彼らと同じように片ひざをつき低頭した。
レオンはこのありさまを、ただただポカンと口を開けて見ていた。アルスはかしずかれる事に慣れているのか、いげんのある可愛い声で言った。
「うむ、オレ様はレオンと契約した。皆の者これからよろしく頼む」
片ひざをついて、低頭した精霊たちはかしこまって口々に返事をした。
「アルスさま。お久しゅうございます」
「アルスさま、お初にお目にかかります。アクアと申します」
いきなり校長と担任の先生の契約精霊にかしずかれ、レオンは面食らってしまったのだが、当のアルスはおうように答えた。
「トームか、久しいな。アクアはレオンの指導者の契約精霊なのだな?これからオレ様も世話になる。よろしく頼む」
アルスの大人びた返答に、レオンは彼の幼い顔をまじまじと見つめた。やはり幼児の姿は外見だけで、実際は大分年上なのかもしれない。
レオンが状況についていけなくて、目を白黒させていると、アルスはトームに質問した。
「のう、トーム。お主は天界でも博学であった。何故オレ様はこんなちびっ子の姿なのじゃ?」
トームは小さな身体をさらに小さくして、かしこまって答えた。
「恐れながら、アルスさま。わたくしの見解を申し上げるなら、アルスさまは尊いお方。わたくしどものようにそのまま天界から、人間界にやって来る事ができなかったのでしょう。そのため、無意識のうちに、ご自身のお身体を、人間に作りかえたのでしょう」
「うむ、そうか。オレ様は人間になって天界からやって来たのだな?するとオレ様はこれから人間として成長しなければいけないのだな。・・・!それって、とっても時間がかかる事ではないか?!」
それまでふむふむと聞いていたアルスが大声を出した。アルスはこの小さな身体が不満なようだ。レオンはアルスが大きくても小さくてもたいした問題ではないように思えた。これから二人でゆっくり成長していけばいい事だと思ったからだ。
ラナはクラスの生徒たちに自習をさせている手前、教室に戻らなければいけない。レオンもまたしかりだ。
ラナは申し訳なさそうに校長に一言断ってから、レオンとアルスをうながして、教室に戻った。
レオンがアルスを抱っこして教室に戻ると、クラスメイトたちが拍手で迎えてくれた。レオンは胸が熱くなった。
幼なじみのルーカスとラウラがレオンにいち早く駆け寄り、レオンの契約精霊を紹介してくれとせがんだ。レオンはアルスを抱き直しながら言った。
「この子はアルスって言うんだ」
すると、それまでルーカスの肩にとまっていたシルフィと、ラウラのとなりに立っていたフレアの顔がにわかに青くなり、慌ててレオンの足元にひざまずいた。
シルフィとフレアの態度を見た、クラスメイトと契約している精霊たちも、彼らと同じように片ひざをつき低頭した。
レオンはこのありさまを、ただただポカンと口を開けて見ていた。アルスはかしずかれる事に慣れているのか、いげんのある可愛い声で言った。
「うむ、オレ様はレオンと契約した。皆の者これからよろしく頼む」
片ひざをついて、低頭した精霊たちはかしこまって口々に返事をした。
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