46 / 133
2
15.他ですか?
しおりを挟む「…そう言えば奥様、ロゼリア様とお話し中おかしなことを言っておられましたね」
「旦那様が仕事以外にもロゼリア様に会いに行っているとか…」
「なっ!?そんな出鱈目どこから!?」
「え…それはそう聞いたので…」
「…誰にだ?」
「……ロゼリア様に…」
「…おいこれは一体どういうことだ?お前らは何も知らなかったのか?」
「はい。申し訳ありません」
「奥様いつそんなお話をロゼリア様に…」
「え?あ、そう言えばロゼリア様がいらっしゃる時ローレンさんやランさん達は外にお仕事をしに行っていたり、出かけていたりでお屋敷にいませんでしたね」
…そういえばそうでした。今考えるとロゼリア様がいらっしゃる時はローレンさんもランさん達もいらっしゃらない時が多かったように思います。
「……ユユ、ロゼリアはどれくらいの頻度で屋敷に来ていた?」
「頻度ですか?…初めの頃は週に1~2日ほどいらしていました。ここ半年程は2週間に1回ほどです。でも少し話してすぐに帰るということが多くて、屋敷に上がらない日もありました。最近は来ていらっしゃらなかったです」
「……そうか……。ローレン」
「……申し訳ありません。私の管理不足です」
皆さん私の言葉にとても複雑のそうなお顔を浮かべてしまいます。もしかしてロゼリア様が屋敷に来ていることを皆さん知らなかったのでしょうか?てっきり知っているものだと思っていましたが…。なんだか怪しいですね。もしかしてロゼリア様はランさん達がいない時を見計らっていつも屋敷に来ていたのでしょうか?だからいつも少し話してすぐに帰っていたんですね。
「はぁぁ…すまないユユ。まさかロゼリアが…では、私とロゼリアの仲が良いということも、よく出かけているという話も、婚約者候補だったことも全てロゼリア様から聞いたことなんだな」
「…はい」
「…まさか私の帰りが遅いのも…」
「…お仕事をされているというのはわかっていましたがロゼリア様にも会いに行ってらっしゃるんだろうなと思っていました…」
「~~」
「…旦那様はあまり私がいる事でこの屋敷ではゆっくりと休むことができなかっですよね?だからロゼリア様から昨日の夜の旦那様はこうだったとかこう言ってくれたとかを色々聞かされて、旦那様とロゼリア様はとても深い関係なのだと…。私よりもロゼリア様の方が旦那様の妻に相応しいんじゃないかと考えるようになってしまって…」
「っそんなことはない!!私の妻は君以外に考えられるわけないだろう!?」
「だ、旦那様?」
旦那様が急に私の肩を掴んで言葉を荒げます。
「だからそんな事言わないでくれ。ロゼリアの言っていることは全て出鱈目だ。私には君以外にいないんだ。それだけ私はずっと君のことがっ」
「私が?」
「っ!!き、君のことが…」
「?」
「あ…いや…だからだな…その…わ、私はユ、ユユ君のことが!………」
「私の事が?」
「す、す、す…」
「す?」
「~~~///あ゛ああああ!!!」ガンガンガンッ
「だ、旦那様!?」
な、何故かまた突然旦那様が奇行に走ってしまわれました。今日はいつもより激しい気がします。
「……いや~流石にこれはないわ~」
「…流石に情け無すぎです」
「…流石にヘタレすぎます」
「「本当に無様ですね」」
「だな…せっかくのいい雰囲気が台無しじゃねぇか。馬鹿なんじゃね?」
「っうるさい!!お前ら聞こえてるぞ!!仕方がないだろ!!」
呆れた目を向けるローレンさん達に、旦那様はとても悔しそうに叫んでいます。
「???あの…大丈夫ですか旦那様?」
「あ、ああ…す、すまない。コホンッそれで他に何かロゼリアに言われたことはあるか?」
「ロゼリア様にですか?」
「ああ」
「…結局言わねぇのかよ」
「…話を逸らしましたね」
「…本当に情けない」
「~うるさいっ外野は黙ってろ!」
「………」
他…他にですか…。大抵ロゼリア様が来た時は私へのダメ出しや旦那様がこうだった、こんな事をしてくれたなどが多かったですが、後は……
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
282
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる