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16.謝らなければいけないこと
しおりを挟む「ユユ?」
そうです。もう1つ思い出しました。旦那様としっかりと話さなければならない大切な事が。
「……旦那様。私は旦那様と夫婦になれて幸せです」
「……え?あ、そ、それはど、どういう///」
「ですが、私は旦那様に謝らなければいけない事があります」
「…ん?謝る事?」
旦那様は何も思い当たる事がないためか首を掲げています。
「…はい」
今から言う言葉に旦那様がどんな反応をするか分からず不安が押し寄せてきます。ですが、きちんと旦那様にお伝えしなければ旦那様にご迷惑をおかけしてしまいます。
「なんだ?」
「………私は…………石妻なのかもしれません」
「「「「……え?」」」」
…私は旦那様と結婚して夫婦になったにも関わらず一向に子どもができる気配がないことに不安を持っていました。もし、このまま子どもが出来ないことがあれば旦那様から捨てられてしまうかもしれないからです。それに私も愛する旦那様との子どもが欲しいです。ですがどれだけ望もうとも子どもが出来ることはありませんでした。だからこそ、ロゼリア様が来た時には絶対に聞かれる子どもが出来たかと言う言葉にいつも傷ついていました。そして、石妻と言う言葉を教えられてからは私は自分がそれなのだと知ったのです。
旦那様の私以外を妻にとは考えられないと言う言葉はとても嬉しかったです。ですが、このままでは私は旦那様に家族を作ってあげることができません。
「……すみません……」
私が子どもができない体だと知ったら旦那様はどう思うでしょうか?それ以前にもなかなか子に恵まれない私に何か思っていたかもしれません。もしかしてその事が旦那様の奇行の原因でもあったり…
「…いや、待て。ユユ一体君は何を言っているんだ?」
「……旦那様、いつの間に奥様に手をお出しになったのですか」
「……まさか私どもが知らない間に」
「……最低ですね。見損ないました」
「誤解だ!!私はまだ何もしていない!!お前達だって知ってるだろう!!」
ローレンさん達が何故か旦那様を軽蔑したかのように見ています。その視線に慌てたように旦那様が叫びますが一体どうしたのでしょうか?
「まぁそうだな。奥様、それもロゼリア様から言われた事なんですよね?」
「え?はい…そうです。貴族なのに子どもができない身体ならこれから大変だと…」
「……そうですか」
「ユユ、ロゼリアが言うことは何も気にしなくていい。アイツが言うことは全て出鱈目だし、子どものことなど私達夫婦の問題であってあいつが口出すことでは一切ない」
「……はい」
「それにまだ何もしてな…いや、例え君がもし子ができない身体だとしても私がそれを理由に君を責めることはないし、やはり君以外を妻になど考えられない。最悪の場合、養子を取ればいいだけだしな。そんなに不安がるな」
「…旦那様」
「だから君は何も気にしなくていい。大丈夫だ」
「はい。ありがとうございます旦那様」
旦那様のその言葉に私の心が軽くなります。子どもが出来ないことへの焦りはまだありますが、こうやって私を安心させるように微笑んでくれる旦那様を見ていると不思議と大丈夫なのだと安心できるのです。
「…ユユ…」
「…旦那様…」
そうして私と旦那様が見つめ合っていると…
「…あのいい雰囲気のところ申し訳ありませんが」
「…1つ奥様にお聞きしたいことがあるのですが」
「くっ」
「何ですか?」
ランさん達に声をかけられました。その時何故か旦那様が悔しそうな声を出したので気を取られそうになりますがその前にラミさん達が私に尋ねました。
「「…奥様は子どもがどうやってできるかをご存知ですか?」」
「え?」
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