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8.んん?
しおりを挟むロゼリア様の不安気な表情に私も不安になってきます。そんな中ロゼリア様がポツリと言葉をこぼしました。
「…最近ヨルト様の様子が変なんです」
「変?」
「…はい」
…もしかして仕事で何かあったのでしょうか…。…それとも『あの出来事』と何か関係があるのでしょうか?もしかして私が知らなかっただけでもう異変は起き始めているということもあり得ます。だからこそその真意を探るべくロゼリア様に尋ねます。
「……どう変なんですか?」
「……最近のヨルト様は何かを考えている様にボーと空を見上げている事もあれば、途中で頭を壁や机に打ち付けたりすることが多くて…。そうかと思えば突然走り出したり、固まったりとか…何だか変な奇行が目立つんですよ」
「………?」
あれ?私が思っていたお話しと少し違う様な気がします。
「それに今までは朝早くから夜遅くまで仕事をしていたのに最近では必ず定時に帰りますし、どれだけ周りの人が休む様に言っても休まなかったのにこの間は仕事を休んでもいました」
「………それはいい事なのでは?」
「そんなことありません!!あれだけストイックに仕事に専念していらしたのに急に今までしていた事を急に変えるなんておかしいじゃないですか!!」
ロゼリア様はそう言って机に手を叩きつけて身を乗り出して叫びます。そ、そんなに大きな声を出すと皆さんに聞こえてしまいますよ?聞いて欲しくないからお2人を離して欲しかったのではないのでしょうか?ですが、とりあえず落ち着いて欲しいですお2人が睨んでいます。ランさんとラミさんがこちらに来ようするのを軽く首を振る事で止めます。
「そ、そんなにおかしい事ですか?」
「おかしいですよ!!本当にずーーっと仕事ばかりだったのにっ!!ユユ様はヨルト様の奥さんなのにどうしてそんな変化に気づいてあげないんですか!」
「で、でも……あれ?そう言えばロゼリア様今、旦那様はずっと仕事をしていたと仰いましたがロゼリア様に会いに行っていたのでは…」
確か以前屋敷に来た時に、旦那様はたまに夜、お仕事が終わった後ロゼリア様に会いに行き、共に過ごすことがあると言っていたような気がするのですが…。
「ギクッな、何のことですか?今はそんなことどうでもいいのです!!そ、それよりヨルト様の奇行のことです!!これは絶対なにかあると思うんです!!」
……少し話をそらされたような気がしますが確かにロゼリア様の仰る旦那様の様子は変だと思います。でも…
「ロゼリア様が仰る旦那様の奇行は家でもよくやっていますよ?」
「…え?」
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