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7.話とは?
しおりを挟む「お待たせしました」
私が応接室に向かうとソファに座って紅茶を飲んでいるロゼリア様がいました。
「!ユユ様!大丈夫ですか!?」
私に気づいたロゼリア様は立ち上がると私の方に駆け寄ってきますが、すぐにランさんとラミさんが間にはいって彼女を止めました。
「申し訳ありませんロゼリア様」
「奥様はまだ病み上がりなため、あまり近づかない方がよろしいかと」
「……そうですね。ごめんなさいユユ様、こんな時にお邪魔してしまって…」
「いえ、大丈夫です。それで今日は何かご用でも?」
「あ!そうなんです!あれからユユ様が倒れられたって聞いてとても心配していたんですよ!それで昨日ヨルト様からやっと熱が下がったと教えてもらったのでお見舞いの品を持ってきたんです!」
「それはありがとうございます。立ち話も何ですからお掛け下さい」
「はい!」
それからロゼリア様と当たり障りのないお話しをしましたが、特に何もロゼリア様への違和感は感じません。…私の勘違いだったのでしょうか?でも、あの言葉は気になりますし…もう少し時間を置いて様子を見るべきなのでしょうか?
「……それでユユ様に聞いたい事があるのですか…」
「はい?」
「…えーと……」
ロゼリア様はそう言ってチラチラと私の後ろで控えてくれているランさん達を見ます。これは…
「……ランさん、ラミさん少し下がっていてもらってもいいですか?」
もしお2人がいることで言いにくい何かがあるのなら少し席を外してもらうことで何か違和感の手がかりが掴めるかもしれません。
「「ダメです」」
「………」
…断られるかもしれないとは思っていましたが即答は少し悲しくなってしまいます。
そんなお2人に負けず私はきちんとお2人の方に向き直り、じっと彼女達の目を見てもう一度お願いします。
「お願いします」
「「………」」
「………」
「「………」」
「………」
「「……………………………わかりました」」
「!ありがとうございます!!」
「ですが部屋からはでません」
「扉の側で待機しております」
「はい。それでもいいですかロゼリア様?」
「はい!それで大丈夫ですよ!」
「「では」」
お2人はそう言って私の側から離れ、扉の前まで移動しました。そしてお2人が離れたのを見届けるとロゼリア様に尋ねます。
「……それでお話とは?」
「………それが最近ヨルト様のことでお聞きしたいことがあって…」
「旦那様の?」
「はい…」
ロゼリア様は声のトーンを少し落として心配気な…どこか不安そうな表情をします。何か大切なお話なのでしょうか?
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