72 / 122
第二章 目覚め
第72話 新たな友達
しおりを挟む
「ヴェルーカ、すまない。少し待っていてくれ」
桶に入れていたはずのタオルがないことに気がついて、セロは洗い場を離れた。
足早に道具置き場へ向かう。
空を見上げると、太陽はやや西に傾き始めていた。
作業が残っている上に、ケリーに相談したいこともある。ゆっくり話すことを考えれば、急いだ方がいいだろう。
日に焼けた木の竿からタオルを取って、すぐに引き返す。ヴェルーカの元へ戻ると、馬の前に知らない騎士が立っていた。
蜂蜜色の跳ねた癖っ毛が特徴的な少年だ。
少年が去るのを待ちたいところだが、時間が惜しい。
セロは勇気を出して声をかけた。
「こんにちは」
「あっ、お疲れさまです!」
笑顔の少年に会釈をして、セロはヴェルーカにブラシをかけ始めた。だが、少年は立ち去ることなく、何か言いたげにセロを見つめていた。
誰かにじっと見られるのは、あまり気分がよくない。
セロが居心地の悪さを感じていると、少年は躊躇いがちに話しかけてきた。
「あの……人違いだったら、ごめんなさい。ボクたち、前に会ったことがありませんか?」
今度はセロが少年の顔を凝視した。
言われてみれば、そんな気もしないことはないが。いつ、どこで会ったのか……なかなか思い出せない。
眉をしかめるセロに、少年は頭をかいた。
「えっと……パレードの前日でしたよね?たしか、ケリーさんに会いに来たって」
あの日のことは、よく覚えている。
ケリーに会うために騎士の訓練場へ来たが、一足遅くて会えなかった。だが、偶然そこにいた少年騎士が機転を利かせてくれたおかげで、クウェイと数年ぶりに話せたんだ。
「もしかして、君はクウェイを呼んで来てくれた……?」
「あ、そうですっ!前から何度かすれ違っていたんですけど、どこかで会ったことがある気がしてたんですよ!」
「気がつかなくて、すまなかった。あのときは、どうもありがとう」
「お力になれたなら、よかったです!」
少年は隣の空いている繋ぎ場に入った。
「それにしても、またお会いできるなんて!騎乗訓練をしてるってことは、お手伝いに来てくださってるんですね?」
「うん、そんな感じかな」
少年は、あっと短く声を出した。
「そういえば、まだ自己紹介をしていませんでしたね。ボクはニック・ラークです。気軽にニックって呼んでください」
「よろしく、ニック。僕の名前は……」
セロが名乗ろうとしたそのとき、ある言葉が脳裏を過ぎった。
『たしかに、その名前は嫌な記憶を思い出すから嫌だって言う人もいるかも知れないけど。人の事なんて、誰も気にしてないと思うぜ?だから、これからは普通に名乗ってみればいいんじゃないか?僕の名前はセロ・オルティスです、ってさ』
名乗る機会はしばらくないだろうと思っていたのだが……ちょうどいい機会だ。親友の言葉に励まされて、セロは口を開いた。
「僕の名前はセロ・オルティス。ニックの好きなように呼んでくれて構わないよ」
ニックは腕を組んで唸った。
「うーん……。では、セロさんって呼ばせて頂きますね!先輩を呼び捨てする訳にはいきませんから」
にこやかに手を差し出すニックからは、どことなくタークに似た雰囲気を感じる。
セロは握手を交わしながら、不思議な気持ちになっていた。ケリーの言う通り、人は他人のことを気にしていないのかも知れない。
ぼんやりと考えにふけっていたセロは、ふと自分の手を見て慌てた。
「ああ、すまない!ヴェルーカの毛で手が汚れていたんだ」
「いえ、気にしないで下さい。ボクも毎日、毛だらけ砂だらけになりながら過ごしていますから」
ニックは制服を指さして笑った。彼の馬は鹿毛なのか、上着には茶色や白い毛が無数に引っ付いている。
「洗うのが億劫になりますよね。でも、かわいい馬のためなら、どれほど制服が汚れても平気です!」
「ニックは本当に馬が好きなんだな」
「あれ?セロさんは馬が好きじゃないんですか?ヴェルーカと、とても仲がいいのに」
セロは首を横にふった。
「僕とヴェルーカは犬猿の仲だよ。毎日、喧嘩ばかりしているんだ」
声を潜めたつもりだったのだが、ヴェルーカにはすべて聞こえていたらしい。
ヴェルーカはセロの言葉が気に食わなかったのか、尻尾をヒュンッと鳴らして彼を叩いた。服を着ているとはいえ、馬の太くて丈夫な尾が当たるとそれなりの痛みを感じる。
ヴェルーカの一撃が命中した腕をさすりながら、セロはニックに肩をすくめてみせた。
「アハハッ!やっぱり仲良しじゃないですか!」
「そんなことないと思うが……」
「さっき、ヴェルーカはセロさんのことを『まだかな?』って待っていましたよ?」
「僕がタオルを取りに行っていたときか?」
「そうです。あのとき、ヴェルーカはボクが呼んでも、見向きもしなかったんですよ。じっと一点を見ていたので、誰かを待っているんだって、すぐにわかりました。少なくとも、ヴェルーカはセロさんのことが好きだと思います」
「でも、僕はまだヴェルーカと関わって数日しか経っていないし……きっと、早く帰りたかっただけだよ」
ニックはにっこりと微笑んだ。
「ヴェルーカはちゃんとわかってますよ。セロさんが新しいパートナーだってこと」
ブラシをかけていたセロの手が止まる。
「だって、ヴェルーカはつい最近まで馬房に閉じこもっていたんですよ?でも、セロさんが来てからは外に出たり、人を乗せられるようになりましたよね。これって、ヴェルーカがセロさんを信頼しているから、できたことだと思うんです」
ニックはヴェルーカの頬を両手で包み込んだ。構ってもらえて嬉しいのか、ヴェルーカは頭を下げて甘えている。
「ほら!セロさんが近くにいるときは、ボクにも興味をもってくれます。さっきは、あんなに無関心だったのに」
ニックはヴェルーカを撫でながら話し続ける。
「こうやってボクに甘えてくれるのも、何かあったときにセロさんが守ってくれるって、わかっているからだと思うんです。だから……セロさんも、もっとヴェルーカのことを信じてあげてください。きっと、ヴェルーカは喜んで答えてくれますよ!」
どうして、ニックは初対面の人間を相手に、こんなにも一生懸命になれるのだろう。その理由はわからないが、彼が馬を大切に思っていることは伝わってきた。
セロはニックのおかげで、大切なことに気付かされた気がした。
桶に入れていたはずのタオルがないことに気がついて、セロは洗い場を離れた。
足早に道具置き場へ向かう。
空を見上げると、太陽はやや西に傾き始めていた。
作業が残っている上に、ケリーに相談したいこともある。ゆっくり話すことを考えれば、急いだ方がいいだろう。
日に焼けた木の竿からタオルを取って、すぐに引き返す。ヴェルーカの元へ戻ると、馬の前に知らない騎士が立っていた。
蜂蜜色の跳ねた癖っ毛が特徴的な少年だ。
少年が去るのを待ちたいところだが、時間が惜しい。
セロは勇気を出して声をかけた。
「こんにちは」
「あっ、お疲れさまです!」
笑顔の少年に会釈をして、セロはヴェルーカにブラシをかけ始めた。だが、少年は立ち去ることなく、何か言いたげにセロを見つめていた。
誰かにじっと見られるのは、あまり気分がよくない。
セロが居心地の悪さを感じていると、少年は躊躇いがちに話しかけてきた。
「あの……人違いだったら、ごめんなさい。ボクたち、前に会ったことがありませんか?」
今度はセロが少年の顔を凝視した。
言われてみれば、そんな気もしないことはないが。いつ、どこで会ったのか……なかなか思い出せない。
眉をしかめるセロに、少年は頭をかいた。
「えっと……パレードの前日でしたよね?たしか、ケリーさんに会いに来たって」
あの日のことは、よく覚えている。
ケリーに会うために騎士の訓練場へ来たが、一足遅くて会えなかった。だが、偶然そこにいた少年騎士が機転を利かせてくれたおかげで、クウェイと数年ぶりに話せたんだ。
「もしかして、君はクウェイを呼んで来てくれた……?」
「あ、そうですっ!前から何度かすれ違っていたんですけど、どこかで会ったことがある気がしてたんですよ!」
「気がつかなくて、すまなかった。あのときは、どうもありがとう」
「お力になれたなら、よかったです!」
少年は隣の空いている繋ぎ場に入った。
「それにしても、またお会いできるなんて!騎乗訓練をしてるってことは、お手伝いに来てくださってるんですね?」
「うん、そんな感じかな」
少年は、あっと短く声を出した。
「そういえば、まだ自己紹介をしていませんでしたね。ボクはニック・ラークです。気軽にニックって呼んでください」
「よろしく、ニック。僕の名前は……」
セロが名乗ろうとしたそのとき、ある言葉が脳裏を過ぎった。
『たしかに、その名前は嫌な記憶を思い出すから嫌だって言う人もいるかも知れないけど。人の事なんて、誰も気にしてないと思うぜ?だから、これからは普通に名乗ってみればいいんじゃないか?僕の名前はセロ・オルティスです、ってさ』
名乗る機会はしばらくないだろうと思っていたのだが……ちょうどいい機会だ。親友の言葉に励まされて、セロは口を開いた。
「僕の名前はセロ・オルティス。ニックの好きなように呼んでくれて構わないよ」
ニックは腕を組んで唸った。
「うーん……。では、セロさんって呼ばせて頂きますね!先輩を呼び捨てする訳にはいきませんから」
にこやかに手を差し出すニックからは、どことなくタークに似た雰囲気を感じる。
セロは握手を交わしながら、不思議な気持ちになっていた。ケリーの言う通り、人は他人のことを気にしていないのかも知れない。
ぼんやりと考えにふけっていたセロは、ふと自分の手を見て慌てた。
「ああ、すまない!ヴェルーカの毛で手が汚れていたんだ」
「いえ、気にしないで下さい。ボクも毎日、毛だらけ砂だらけになりながら過ごしていますから」
ニックは制服を指さして笑った。彼の馬は鹿毛なのか、上着には茶色や白い毛が無数に引っ付いている。
「洗うのが億劫になりますよね。でも、かわいい馬のためなら、どれほど制服が汚れても平気です!」
「ニックは本当に馬が好きなんだな」
「あれ?セロさんは馬が好きじゃないんですか?ヴェルーカと、とても仲がいいのに」
セロは首を横にふった。
「僕とヴェルーカは犬猿の仲だよ。毎日、喧嘩ばかりしているんだ」
声を潜めたつもりだったのだが、ヴェルーカにはすべて聞こえていたらしい。
ヴェルーカはセロの言葉が気に食わなかったのか、尻尾をヒュンッと鳴らして彼を叩いた。服を着ているとはいえ、馬の太くて丈夫な尾が当たるとそれなりの痛みを感じる。
ヴェルーカの一撃が命中した腕をさすりながら、セロはニックに肩をすくめてみせた。
「アハハッ!やっぱり仲良しじゃないですか!」
「そんなことないと思うが……」
「さっき、ヴェルーカはセロさんのことを『まだかな?』って待っていましたよ?」
「僕がタオルを取りに行っていたときか?」
「そうです。あのとき、ヴェルーカはボクが呼んでも、見向きもしなかったんですよ。じっと一点を見ていたので、誰かを待っているんだって、すぐにわかりました。少なくとも、ヴェルーカはセロさんのことが好きだと思います」
「でも、僕はまだヴェルーカと関わって数日しか経っていないし……きっと、早く帰りたかっただけだよ」
ニックはにっこりと微笑んだ。
「ヴェルーカはちゃんとわかってますよ。セロさんが新しいパートナーだってこと」
ブラシをかけていたセロの手が止まる。
「だって、ヴェルーカはつい最近まで馬房に閉じこもっていたんですよ?でも、セロさんが来てからは外に出たり、人を乗せられるようになりましたよね。これって、ヴェルーカがセロさんを信頼しているから、できたことだと思うんです」
ニックはヴェルーカの頬を両手で包み込んだ。構ってもらえて嬉しいのか、ヴェルーカは頭を下げて甘えている。
「ほら!セロさんが近くにいるときは、ボクにも興味をもってくれます。さっきは、あんなに無関心だったのに」
ニックはヴェルーカを撫でながら話し続ける。
「こうやってボクに甘えてくれるのも、何かあったときにセロさんが守ってくれるって、わかっているからだと思うんです。だから……セロさんも、もっとヴェルーカのことを信じてあげてください。きっと、ヴェルーカは喜んで答えてくれますよ!」
どうして、ニックは初対面の人間を相手に、こんなにも一生懸命になれるのだろう。その理由はわからないが、彼が馬を大切に思っていることは伝わってきた。
セロはニックのおかげで、大切なことに気付かされた気がした。
3
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~
松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。
異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。
「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。
だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。
牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。
やがて彼は知らされる。
その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。
金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、
戦闘より掃除が多い異世界ライフ。
──これは、汚れと戦いながら世界を救う、
笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。
スティールスキルが進化したら魔物の天敵になりました
東束末木
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞 奨励賞、いただきました!!
スティールスキル。
皆さん、どんなイメージを持ってますか?
使うのが敵であっても主人公であっても、あまりいい印象は持たれない……そんなスキル。
でもこの物語のスティールスキルはちょっと違います。
スティールスキルが一人の少年の人生を救い、やがて世界を変えてゆく。
楽しくも心温まるそんなスティールの物語をお楽しみください。
それでは「スティールスキルが進化したら魔物の天敵になりました」、開幕です。
2025/12/7
一話あたりの文字数が多くなってしまったため、第31話から1回2~3千文字となるよう分割掲載となっています。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
Re:Monster(リモンスター)――怪物転生鬼――
金斬 児狐
ファンタジー
ある日、優秀だけど肝心な所が抜けている主人公は同僚と飲みに行った。酔っぱらった同僚を仕方無く家に運び、自分は飲みたらない酒を買い求めに行ったその帰り道、街灯の下に静かに佇む妹的存在兼ストーカーな少女と出逢い、そして、満月の夜に主人公は殺される事となった。どうしようもないバッド・エンドだ。
しかしこの話はそこから始まりを告げる。殺された主人公がなんと、ゴブリンに転生してしまったのだ。普通ならパニックになる所だろうがしかし切り替えが非常に早い主人公はそれでも生きていく事を決意。そして何故か持ち越してしまった能力と知識を駆使し、弱肉強食な世界で力強く生きていくのであった。
しかし彼はまだ知らない。全てはとある存在によって監視されているという事を……。
◆ ◆ ◆
今回は召喚から転生モノに挑戦。普通とはちょっと違った物語を目指します。主人公の能力は基本チート性能ですが、前作程では無いと思われます。
あと日記帳風? で気楽に書かせてもらうので、説明不足な所も多々あるでしょうが納得して下さい。
不定期更新、更新遅進です。
話数は少ないですが、その割には文量が多いので暇なら読んでやって下さい。
※ダイジェ禁止に伴いなろうでは本編を削除し、外伝を掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる