81 / 122
第二章 目覚め
第81話 克服
しおりを挟む
『辛かったな……遠征で大好きな人を二度も失って。ずっと一人で苦しんできたんだろう』
目に見えない障害を越えるように、ヴェルーカが大きく跳ね上がる。
荒波に呑まれる小船のごとく、体が激しく揺さぶられる。
セロは前に突き飛ばされそうになる体を起こして、必死で耐えた。
『ヴェルーカ、君は僕たちと同じだ。魔界軍に大切なものを奪われた。思い出すだけで、苦しくてたまらない……生きることを、投げ出してしまいたくなる』
「セロ、ヴェルーカ!頑張れっ!」
力強く叫ぶケリーの声。
姿を見る余裕はなくとも、彼の声に込められた強い思いが、セロを勇気づけてくれる。
『それでも、僕たちは生きないといけないんだ。兄さんとクウェイが、僕に進む道を遺したように。ホートモンドさんやエダナが君に託した願いは、君にしか背負えない。だから……!』
――ヴェルーカ、生きよう。僕たちと一緒に。
セロの思いが溢れた、そのとき。
ヴェルーカは前足をグッと突っ張って、渾身の力で立ち止まった。
突然の急停止に、セロは危うく馬場へ放り投げられそうになる。
固唾を飲んで見守っていたケリーは、ヴェルーカの背に残ったセロを見て、ほっと息をついた。
「ヴェルーカ……?」
乱れた息を整えるのも忘れて、セロはヴェルーカの顔を覗き込む。肺いっぱいに呼吸する馬の腹が、鞍の下で激しく動いている。
大きな瞳で虚空を見つめる、ヴェルーカ。
セロは不安でいっぱいになった。
「いきなり止まって休むのは、馬の心臓に悪い。ヴェルーカが落ち着くまで、少し歩こうぜ」
ヴェルーカに歩くよう促すと、馬はすんなり歩き始めた。セロが手綱を緩めると、ヴェルーカは首をうんと伸ばしながらゆっくりと歩き続ける。
「大丈夫か、セロ?」
「僕は大丈夫だ。でも、ヴェルーカが……」
心配そうなセロに、ケリーはにっこりと微笑んだ。
「あとで、ちゃんとケアしてやらないとな。でも、よかったな!騎乗前に宣言した通り、今日は落馬しなかったじゃないか!」
セロは、はっとした。
そうだ、必死になって忘れていたが、言われてみれば、たしかに落馬はしなかった。
「これで、ヴェルーカの気持ちが少しでも変わればいいんだが……」
自信なさげなセロに、ケリーは踏み台から立ち上がって手を広げた。
「それなら、ヴェルーカに聞いてみればいいじゃないか。ほらっ、速歩!」
ケリーのはしゃいだ掛け声に慌てながら、セロは手綱を持ち直した。
速歩の合図とともに、ヴェルーカは滑らかに走り出す。手綱を握る挙のわずかな動きにも反応して、両耳はしっかりとセロに向いている。
こんなにも、馬に見られている感じがしたのは初めてだ。
「常歩に落として、駆け足!」
丸馬場を一周回ったところで、ケリーは再び号令をかける。ヴェルーカは抵抗することも、暴れることもしない。いつもなら、何かしらの反抗をしていても、おかしくないのに。
一息ついたセロが、駈歩の合図を送った瞬間。
ヴェルーカは力強く踏み込んで、元気よく駆け出した。
砂を弾く蹄は三拍のリズムを軽快に刻み、馬は歌うように鼻を鳴らして機嫌よく走っている。
馬場の中央では、ケリーがにっこりと歯を見せて笑っている。
セロの心は踊り、感動に胸が締め付けられていた。
「いいぞっ、ヴェルーカ!その調子だ!」
大好きなケリーに褒められて嬉しかったのか、ヴェルーカの調子はますます軽くなり、他の大きな馬に負けない気勢で走り続ける。
ヴェルーカはもう、過去の恐怖に我を忘れて暴走することも、蘇るトラウマに怯えて跳ね上がることもない。
尖った黒い耳でセロを見つめ、乗り手の次の動きに集中するヴェルーカは、まるで別の馬と入れ替わったのではないかと思うほど、活き活きとしていた。
ケリーが号令をかけるまで、馬はその見事なステップを崩すことなく駆け続けた。
堂々と歩く馬の上で、セロは心の底から湧き上がってくる、たくさんの感情の波に飲まれていた。
感動と、驚きと、喜びと……溢れんばかりに込み上げる気持ちに、彼はどんな感情を抱いているのか、自分でもわからなくなってしまった。
「これがヴェルーカの答えだってさ。多分、セロもオレと同じ気持ちだと思うけど……どうだ?」
ケリーは嬉しそうに、にやついている。
ヴェルーカは首を曲げて、背中にいるセロをふり返った。馬は鼻息を荒くしているが、今までに見てきた苦しそうな姿とは、まったく違う。
馬の水晶玉のような瞳は輝きに満ちて、自信に溢れていた。
ようやく、本来のヴェルーカが戻って来たんだ。
「やったな、ヴェルーカ!本当によく頑張った!」
両手で馬の首を撫でながら、セロは全力でヴェルーカを褒めた。馬の声は聞こえないが、心地よさそうに目を細めるヴェルーカの表情からは、人間の微笑みに似たものを感じる。
気がつくと、セロは満面の笑みでヴェルーカの首を抱きしめていた。こんなにも馬という動物に愛しさを感じたことが、今までにあっただろうか。
セロがヴェルーカの復活を素直に喜んでいると、彼らを見守っていたケリーが、照れ臭そうに口を開いた。
「セロ、ありがとな。それと……騎乗前に無理だ、なんて言ってごめん。本当にヴェルーカのトラウマが消せるなんて、思ってなかったからさ……悪かった」
セロは不思議そうにケリーを見つめていたが、やがて、ふっと優しい笑みをこぼした。
「親友にありがとうも、ごめんもないって言ったのは、誰だったかな?」
ぎくりと肩を震わせて、ケリーはぎこちない笑顔を浮かべた。
「あ……いや、違う違う。ありがとうっていうのはさ。ほら、ヴェルーカの言葉を代弁したんだよ」
「ごめんって?」
「……うああっ!ずるいぞ、セロ!オレの言葉を横取りしてさ!」
会話を聞いていたのか、ヴェルーカがブウッと鼻を鳴らして二人を交互に見つめる。まるで、なだめるような馬の様子に、彼らは声を上げて笑った。
「アハハッ!オレたちが喧嘩してると思ったんだな?心配しなくても大丈夫だぜ、ヴェルーカ。オレとセロは、いつもこんな感じだからさ」
ヴェルーカの白い鼻筋を撫でながら、ケリーはセロにウインクして見せた。
きっと、ケリーも心から喜んでいるのだろう。
からりと晴れ渡った秋空の下、二人と一頭は仲よく並んで丸馬場を去った。誰もいなくなった馬場には、ヴェルーカの残した足跡が、砂の上に大きな円を刻みつけていた。
目に見えない障害を越えるように、ヴェルーカが大きく跳ね上がる。
荒波に呑まれる小船のごとく、体が激しく揺さぶられる。
セロは前に突き飛ばされそうになる体を起こして、必死で耐えた。
『ヴェルーカ、君は僕たちと同じだ。魔界軍に大切なものを奪われた。思い出すだけで、苦しくてたまらない……生きることを、投げ出してしまいたくなる』
「セロ、ヴェルーカ!頑張れっ!」
力強く叫ぶケリーの声。
姿を見る余裕はなくとも、彼の声に込められた強い思いが、セロを勇気づけてくれる。
『それでも、僕たちは生きないといけないんだ。兄さんとクウェイが、僕に進む道を遺したように。ホートモンドさんやエダナが君に託した願いは、君にしか背負えない。だから……!』
――ヴェルーカ、生きよう。僕たちと一緒に。
セロの思いが溢れた、そのとき。
ヴェルーカは前足をグッと突っ張って、渾身の力で立ち止まった。
突然の急停止に、セロは危うく馬場へ放り投げられそうになる。
固唾を飲んで見守っていたケリーは、ヴェルーカの背に残ったセロを見て、ほっと息をついた。
「ヴェルーカ……?」
乱れた息を整えるのも忘れて、セロはヴェルーカの顔を覗き込む。肺いっぱいに呼吸する馬の腹が、鞍の下で激しく動いている。
大きな瞳で虚空を見つめる、ヴェルーカ。
セロは不安でいっぱいになった。
「いきなり止まって休むのは、馬の心臓に悪い。ヴェルーカが落ち着くまで、少し歩こうぜ」
ヴェルーカに歩くよう促すと、馬はすんなり歩き始めた。セロが手綱を緩めると、ヴェルーカは首をうんと伸ばしながらゆっくりと歩き続ける。
「大丈夫か、セロ?」
「僕は大丈夫だ。でも、ヴェルーカが……」
心配そうなセロに、ケリーはにっこりと微笑んだ。
「あとで、ちゃんとケアしてやらないとな。でも、よかったな!騎乗前に宣言した通り、今日は落馬しなかったじゃないか!」
セロは、はっとした。
そうだ、必死になって忘れていたが、言われてみれば、たしかに落馬はしなかった。
「これで、ヴェルーカの気持ちが少しでも変わればいいんだが……」
自信なさげなセロに、ケリーは踏み台から立ち上がって手を広げた。
「それなら、ヴェルーカに聞いてみればいいじゃないか。ほらっ、速歩!」
ケリーのはしゃいだ掛け声に慌てながら、セロは手綱を持ち直した。
速歩の合図とともに、ヴェルーカは滑らかに走り出す。手綱を握る挙のわずかな動きにも反応して、両耳はしっかりとセロに向いている。
こんなにも、馬に見られている感じがしたのは初めてだ。
「常歩に落として、駆け足!」
丸馬場を一周回ったところで、ケリーは再び号令をかける。ヴェルーカは抵抗することも、暴れることもしない。いつもなら、何かしらの反抗をしていても、おかしくないのに。
一息ついたセロが、駈歩の合図を送った瞬間。
ヴェルーカは力強く踏み込んで、元気よく駆け出した。
砂を弾く蹄は三拍のリズムを軽快に刻み、馬は歌うように鼻を鳴らして機嫌よく走っている。
馬場の中央では、ケリーがにっこりと歯を見せて笑っている。
セロの心は踊り、感動に胸が締め付けられていた。
「いいぞっ、ヴェルーカ!その調子だ!」
大好きなケリーに褒められて嬉しかったのか、ヴェルーカの調子はますます軽くなり、他の大きな馬に負けない気勢で走り続ける。
ヴェルーカはもう、過去の恐怖に我を忘れて暴走することも、蘇るトラウマに怯えて跳ね上がることもない。
尖った黒い耳でセロを見つめ、乗り手の次の動きに集中するヴェルーカは、まるで別の馬と入れ替わったのではないかと思うほど、活き活きとしていた。
ケリーが号令をかけるまで、馬はその見事なステップを崩すことなく駆け続けた。
堂々と歩く馬の上で、セロは心の底から湧き上がってくる、たくさんの感情の波に飲まれていた。
感動と、驚きと、喜びと……溢れんばかりに込み上げる気持ちに、彼はどんな感情を抱いているのか、自分でもわからなくなってしまった。
「これがヴェルーカの答えだってさ。多分、セロもオレと同じ気持ちだと思うけど……どうだ?」
ケリーは嬉しそうに、にやついている。
ヴェルーカは首を曲げて、背中にいるセロをふり返った。馬は鼻息を荒くしているが、今までに見てきた苦しそうな姿とは、まったく違う。
馬の水晶玉のような瞳は輝きに満ちて、自信に溢れていた。
ようやく、本来のヴェルーカが戻って来たんだ。
「やったな、ヴェルーカ!本当によく頑張った!」
両手で馬の首を撫でながら、セロは全力でヴェルーカを褒めた。馬の声は聞こえないが、心地よさそうに目を細めるヴェルーカの表情からは、人間の微笑みに似たものを感じる。
気がつくと、セロは満面の笑みでヴェルーカの首を抱きしめていた。こんなにも馬という動物に愛しさを感じたことが、今までにあっただろうか。
セロがヴェルーカの復活を素直に喜んでいると、彼らを見守っていたケリーが、照れ臭そうに口を開いた。
「セロ、ありがとな。それと……騎乗前に無理だ、なんて言ってごめん。本当にヴェルーカのトラウマが消せるなんて、思ってなかったからさ……悪かった」
セロは不思議そうにケリーを見つめていたが、やがて、ふっと優しい笑みをこぼした。
「親友にありがとうも、ごめんもないって言ったのは、誰だったかな?」
ぎくりと肩を震わせて、ケリーはぎこちない笑顔を浮かべた。
「あ……いや、違う違う。ありがとうっていうのはさ。ほら、ヴェルーカの言葉を代弁したんだよ」
「ごめんって?」
「……うああっ!ずるいぞ、セロ!オレの言葉を横取りしてさ!」
会話を聞いていたのか、ヴェルーカがブウッと鼻を鳴らして二人を交互に見つめる。まるで、なだめるような馬の様子に、彼らは声を上げて笑った。
「アハハッ!オレたちが喧嘩してると思ったんだな?心配しなくても大丈夫だぜ、ヴェルーカ。オレとセロは、いつもこんな感じだからさ」
ヴェルーカの白い鼻筋を撫でながら、ケリーはセロにウインクして見せた。
きっと、ケリーも心から喜んでいるのだろう。
からりと晴れ渡った秋空の下、二人と一頭は仲よく並んで丸馬場を去った。誰もいなくなった馬場には、ヴェルーカの残した足跡が、砂の上に大きな円を刻みつけていた。
5
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~
松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。
異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。
「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。
だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。
牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。
やがて彼は知らされる。
その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。
金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、
戦闘より掃除が多い異世界ライフ。
──これは、汚れと戦いながら世界を救う、
笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。
スティールスキルが進化したら魔物の天敵になりました
東束末木
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞 奨励賞、いただきました!!
スティールスキル。
皆さん、どんなイメージを持ってますか?
使うのが敵であっても主人公であっても、あまりいい印象は持たれない……そんなスキル。
でもこの物語のスティールスキルはちょっと違います。
スティールスキルが一人の少年の人生を救い、やがて世界を変えてゆく。
楽しくも心温まるそんなスティールの物語をお楽しみください。
それでは「スティールスキルが進化したら魔物の天敵になりました」、開幕です。
2025/12/7
一話あたりの文字数が多くなってしまったため、第31話から1回2~3千文字となるよう分割掲載となっています。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
Re:Monster(リモンスター)――怪物転生鬼――
金斬 児狐
ファンタジー
ある日、優秀だけど肝心な所が抜けている主人公は同僚と飲みに行った。酔っぱらった同僚を仕方無く家に運び、自分は飲みたらない酒を買い求めに行ったその帰り道、街灯の下に静かに佇む妹的存在兼ストーカーな少女と出逢い、そして、満月の夜に主人公は殺される事となった。どうしようもないバッド・エンドだ。
しかしこの話はそこから始まりを告げる。殺された主人公がなんと、ゴブリンに転生してしまったのだ。普通ならパニックになる所だろうがしかし切り替えが非常に早い主人公はそれでも生きていく事を決意。そして何故か持ち越してしまった能力と知識を駆使し、弱肉強食な世界で力強く生きていくのであった。
しかし彼はまだ知らない。全てはとある存在によって監視されているという事を……。
◆ ◆ ◆
今回は召喚から転生モノに挑戦。普通とはちょっと違った物語を目指します。主人公の能力は基本チート性能ですが、前作程では無いと思われます。
あと日記帳風? で気楽に書かせてもらうので、説明不足な所も多々あるでしょうが納得して下さい。
不定期更新、更新遅進です。
話数は少ないですが、その割には文量が多いので暇なら読んでやって下さい。
※ダイジェ禁止に伴いなろうでは本編を削除し、外伝を掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる