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第五章【未来14歳/沙織26歳】
第61話 春になったね【未来14歳/沙織26歳】
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合格発表の日の朝。
カーテンのすき間から零れ落ちてくる陽射しの暖かさが、冬のものとは違っていた。淡く白く、キラキラと輝いていて、揺れる空気が春の訪れをしめしている。
ほんの少しだけ、甘い匂いを含んでいるような気がする。
(もう春なんだ、な)
私は制服に着替えると、胸のリボンをきゅっと結んで、息を吐く。泣いても笑っても、今日、決着がつく。
「あーねーちゃーー、おきたー」
つむぎがトコトコと歩いてきて、そのまま私の足にしがみつく。その柔らかいほっぺたが足にあたり、ぎゅっと抱きしめてくるその手の力が心地よい。
「つむぎ、おはよう」
「あーよー!」
もう、毎日可愛いなぁ。会うたびに、可愛らしさ世界ランクを更新し続ける妹の頭をぽんぽんと叩くと、しゃがみこんで、つむぎと目線を合わせる。
「お姉ちゃん、頑張ってくるよ」
「がんばえー!」
笑うつむぎに癒されつつ、リビングに出る。
いつも通り、テーブルで新聞を読みながらコーヒーを飲んでいたお父さんをみて、「おはよう」と声をかける。
「おはよう、未来。発表は高校の掲示板だったよね」
「うん。今時ネットでの発表じゃないなんて、変わってるよね」
「それが伝統、らしいね」
お父さんは手にしていたコップをそっとテーブルに置くと、私を見つめてきた。
「本当に、車で送っていかなくていいのかい?」
「うん、大丈夫。ゆっくり電車で行くよ」
私の家から高校までは電車で30分ほどの距離だ。この、近いような、遠いような微妙な距離が、そのまま私と沙織さんとの間の距離でもあった。
私は今日、それを超えに行く。
「それじゃ、行ってくるね、お父さん、つむぎ」
2人に声をかけた後、大事にたてられている、お母さんの写真にも手を振る。
「お母さんも。行ってくるね」
いってらっしゃい、と、応えてくれたような気がする。
私は玄関の扉をあけ、春が近づいてきている陽光を一身に浴びた。
桜は…ちゃんと、咲くだろうか?
■■■■■
電車の中。
乗客の姿は少なく、余裕で座ることができた。
揺られながら、外の景色を見る。
(高校に受かったら、毎朝、この電車に乗って通うことになるんだよね)
そう思うと、また緊張してきた。
心臓がどくんどくんと脈打っているのが分かる。
(大丈夫…絶対に、大丈夫)
試験の手ごたえはあった。勉強していたことが、ちゃんと出ていた。大丈夫…間違いない。そう自分に言い聞かせる。やれるだけのことはやったのだから、あとは天に身を委ねるだけだ。
(でも)
やはり、絶対ではない。手のひらが汗ばんでいるのがわかる。受かっていれば、沙織さんに近くなれる。でも、もしも落ちていたら…
(ううん、考えるな)
スマホを取り出して、画面を眺める。
朝、沙織さんから届いていたメッセージを見る。
『未来、信じてる。待っているから、ね』
たった一行。
でも、それだけで、私にはいろんな想いが伝わってくる。暖かさが胸の奥にじんわりとしみ込んできて、優しくて、柔らかくて、そして、泣きそうになる。
うん。沙織さん。いま、行くから。
追いつくから。
待っていて、ね。
■■■■■
校門の前にはたくさんの人がいた。
泣いている人、笑っている人、誰かに連絡をしようとスマホを手に持って話しかけている人、笑い声、ため息、その全部が混ざり合って、ざわついている。
「未来、おはよう」
声をかけてきたのは、凛だった。
いつも通りの、綺麗な黒髪。白い肌が陽光に照らされて、まるで名工の作った白磁の陶磁器のように艶めかしい。
「凛、おはよう」
少し緊張したまま、こたえる。見てみると、やっぱり凛の後ろに葵の姿も見える。凛とちがって短くまとめた髪。少しやけた肌。もとは同じふたごなのに、少しずつ違ってみえるのは、重ねた年月のちがいからなのだろうか。
「葵も、おはよう」
「おはよう」
返事がかえってくる。こちらは先ほどの凛の挨拶とは違って、あまり熱が入ってはいなかった。相変わらず、だなぁ。
いつも通りの反応に、かえって緊張がほぐれてくる。
「それじゃ、見に行こうか」
「うん、一緒に、ね」
「未来、緊張してる?」
「さすがに…してる」
「そっか」
凛が近づいてきて、そっと、手を握ってくれる。
「未来なら…大丈夫だよ。一緒の高校に、行こうね」
そう言って、笑う。凛の成績なら、望めばどんな高校にだって行けるはずなのに、凛が選んだ高校は私の志望校と同じだった。
凛の人生を、私が変えてしまったのかもしれない…なら、ちゃんと責任をもたないといけないな、と思う。
ちなみにその後ろで、葵ががるる…といった表情で睨んできている。まるで忠犬みたい、と、ちょっと不謹慎な想像をしてしまう。忠犬葵、いいかも。
「さ、行こう」
掲示板に近づくたび、心臓が強く脈打つ。
風が髪を揺らす。桜のつぼみは…ちゃんと咲くのだろうか。
番号が並んでいる。
全部の番号があるわけではない…とぎれとぎれに、何番か番号を飛ばして、まるで出来損ないの数列のようだ。
目が走る。
指先が震える。
(…あった)
一瞬、世界が止まった。
空気の音も、風の音も、なにもかもが全部なくなって、ただひとつ、数字だけがあった。
(私の、番号)
私の、未来。
沙織さんとの…未来。
「やった…ぁ」
嬉しい。しびれるほど、嬉しい。
思わずその場にしゃがみ込み、誰にも気づかれないように、小さなガッツポーズをする。あった。あった…。私の未来が、ちゃんとここにあった。
「おめでとう、未来!」
背中の上から声がする。
と思ったら、背中が暖かくなった。柔らかいなにかが、私を包み込んでくる。凛が、私に覆いかかってきていた。
「凛…」
「これで、一緒に通えるね!」
立ち上がり、凛を見つめる。
端正な和風人形のような凛が、満面の笑顔でピースサインをしている。
「凛も、あった?」
「もちろん。あと、葵も」
「あったよー」
こっちはダブルピースをした後、べーっと舌を突き出してきた。こいつめ、はは。
嬉しくて、嬉しくて、3人で抱き合って、そのまま「やったー!」と笑いあう。やった…やったぁ。力が抜けて、その場にへたり込んでしまいそうになる。
お互いを讃えあい、頭をくしゃくしゃにしながら、空を見つめる。
晴れ渡った、透き通った空。
伝えたい人がいる。
一番伝えたい人がいる。
私が視線を戻すと、凛が、ちょっとだけ悲しそうな顔をして、笑った。
「いっておいでよ」
「…え?」
「私と葵は、ちょっと寄るところがあるから、別の電車で帰るから」
「凛…?」
「未来には…一番に伝えたい人が、いるんでしょう?」
「…うん」
有難う、凛。
そして、ごめんね、凛。
私は手をふって、振り返って、走り始めた。
後ろから、「…未来、頑張ってね」という凛の声が聞こえてくる。
その声に押されるようにして、私は、走る。
(沙織さん)
私の、大好きな人。
私の、一番大切な人。
私の、彼女。世界一の、彼女。
この気持ちを、真っ先に伝えたい。
ポケットからスマホを取り出そうとして、そこで指が止まった。
違う。
この気持ちは、文字じゃ足りない。
会いたい。
会って、直接、伝えたい。
この、溢れんばかりの、キラキラした、暖かい気持ちを。
約束していた場所へと走る。
坂道を駆け上がる。
風が頬にあたる。
春を含んだその風は、熱くてたまらなかった。
足が止まらない。
一秒でも、一瞬でも早く、沙織さんに会いたい。
そして。
「未来」
坂の上で、春の光に包まれたその人が、私を待ってくれていた。
白いコートに、淡いピンクのストール。
誰よりも素敵なその黒髪が、光の中でキラキラと煌めいている。
「…沙織さんっ」
息を切らして立ち止まる。飛びつきたい。誰の目も気にしないで、飛びついて、抱きしめてもらいたい。
「私…わたし、ね」
「…うん」
「受かったよ…沙織さんの高校、受かったよ!」
涙があふれてくる。
頬が震えている。
沙織さんは、にっこりと笑ってくれて。
「おめでとう…未来」
私の方へと、駆け寄ってくれた。
おめでとう…おめでとう。
そう言って、ぎゅっと、ぎゅーっと私を抱きしめてくれる。
「よく頑張ったね」
「…うん。うん。私、頑張ったよ、頑張ったんだよ」
沙織さんの匂い。春の匂い。
柔らかな沙織さんの体温に包まれて、全身を包み込まれて、まるで、世界の冬が一瞬で終わったような気がした。
白い光。
春の、光。
私は沙織さんと手をつないで、坂道を歩いてのぼっていた。
「この先にね、私のお気に入りの場所があるの」
沙織さんは笑って、私を引っ張ってくれている。
坂道の両端には桜の木が植えてあって、つぼみが開き始めているのが分かった。春が近づいてきている。まるで私たちみたい、と思った。
「沙織さん」
「なぁに、未来?」
「これで、毎日、沙織さんに会えるんですね」
「そうだね…嬉しい?」
「すっごく!」
嬉しいです。嬉しいに、決まっているじゃないですか!一歩一歩坂道をあがりながら、握った手をさらに強く握りしめる。
「私も…嬉しい。嬉しい、けど」
「けど?」
「学校では…私は、水瀬先生、だよ」
「分かってます」
わかって、います。
私と沙織さんは、先生と、生徒。
学校では、それ以上の関係でも、それ以下の関係でもない。
けど。けど。
「沙織さん、今は?」
「ん?」
「いま、手を握ってくれている、この沙織さんは、先生じゃないよね?」
「…うん」
沙織さんが少し笑って、握っていない方の手で、私の頭を撫でてくれた。
「今の私は、水瀬沙織。あなたの…彼女」
彼女。彼女。
その響きが、嬉しくて、あたたかくて、死にそう。
坂道が終わり、人気のない公園についた。
そこは小さな公園で、ちょっと歩けば端までたどりつける。
私と沙織さんは手を握ったまま、そこまで一緒に歩いて行って、そのまま眼下に広がる街を見下ろした。
「…すごい」
「でしょ?私、時々ここに来るの。ここに来て、街を見て、ひとりで物思いにふけるのが好き」
広がる街。私が住んでいる田舎より、よっぽど大きい街。沙織さんが住んでいる街。そしてこれから、私が通う街。
「海、見えるかな」
「天気のいい日だったら、遠くにかすかに見えることもあるんだけどね」
沙織さんが目を細める。風が吹いて、横のその沙織さんの表情が、限りなく素敵に見える。
もう、駄目だ。
湧き上がる想いを抑えることなんて…できない。
「沙織さん」
「うん」
「私、高校生になります」
「うん」
「…もう、子供じゃありません」
それでも、まだまだ、子供だよ、と言いたそうな目をしている沙織さんを見て、その目を逸らさずに、まっすぐに見つめ返す。
もう、背の高さはほとんど変わらない。
もう、見上げていた、8歳の頃の私じゃない。
同じ視線で、視線を受け止めることができるようになったんだ。
「沙織さん、大好きです。ずっとずっと、初めて会った時から、大好きです」
「…うん」
「この気持ち…もう止まりません。私、沙織さんが、欲しいんです」
沙織さんは、少しだけ寂しそうで。
でも、すぐに、私を見つめ返して、私の視線を受け止めてくれて。
「未来…おいで」
小さく頷いて、私を導いてくれた。
もう、迷わない。
沙織さんに近づいて、顔を、近づけて。
沙織さんが、そっと私の頬に手を添えてくれた。暖かい指先。その指先が触れるだけで、痺れて暖かくて気持ちよくなる。
目を閉じる。
沙織さんの呼吸音が近づいてくる。
沙織さんの香りが近づいてくる。
暖かくて。柔らかくて。
気持ちよくて。
唇。
唇と、唇。
そっと、触れるように、押し付けるように。
私は。
沙織さんと、キスをした。
沙織さんが、キスをしてくれた。
溶けそう。
溶けてる。
私の唇が、沙織さんの唇に触れている。
沙織さんの唇の感触。柔らかい。
ずっと、こうしていたい。
私、愛されてる。
すっごく、伝わる。
すごい。
言葉を交わさなくても、気持ちって、こんなにはっきりと伝わるものなんだ。沙織さんの気持ちが伝わってきているってことは、私の気持ちも伝わっているってことで。
好きです。
好きです。
大好きです。
沙織さんの唇…気持ちいいです。
私の唇…気持ちいいですか?
私、ちゃんと、沙織さんを気持ちよくできてますか?
ずーっと。
ずっと永遠に続きそうだったその時間も、永遠には続かなくて。
唇が、離れる。
それと同時に、目を開ける。
近い。
沙織さんの目が、私の目のすぐそばにある。
キスってすごい。
こんなに、近づくんだ。
距離がゼロとゼロになるんだ。
真っ赤。
沙織さん、顔が真っ赤。
たぶん、私も真っ赤。
2人とも、真っ赤っか。
「キス、しちゃった…」
「キス、しちゃいましたね…」
2人とも、最初に零れた感想が、それだった。
もっとロマンティックなこといえなかったのかな、と思ったけど、真っ先に思いついた感想がそれだったのだから、仕方がない。
えへへ。
えへへへへへ。
私たち、キスした彼女同士になっちゃった。
「本当なら、大人の私が我慢しなくちゃいけないのに…我慢、できなかった…」
沙織さんが、汗をかきながら、おろおろしながらそう言っていた。なんかおかしくて、なんか愛おしくて、そんな沙織さんをずっとずっと見ていたくなる。
「我慢なんてしなくていいんですよ。私、沙織さんの彼女なんだから、私のこと、好きにしてくれてかまわないんですからね」
「…それは、駄目でしょう…一応、私、教師なんだし…」
一応がついちゃった。その一応って、言葉、とれるかな。
「えへへ。えへへへ。私のファーストキス、沙織さんに捧げちゃった」
「…も」
「ん?」
「…私、も」
照れてこぼした私のその言葉に、沙織さんが耳まで真っ赤にしながら、うつむきつつ、さっきまで私の唇が触れていたその唇を手で隠しながら、すっごく恥ずかしそうに、ぼそっとつぶやいた。
「私、も、ファーストキス…」
「あ」
「私のファーストキスも…未来に…奪われちゃった…」
あ。
えへ。
えへへへへへへ。
私だけが。
世界で、私だけが。
たった一人、私だけが。
沙織さんの唇の味、知っているんだ。
「沙織さんっ」
私は、沙織さんに抱き着いた。我慢なんてできなかった。愛おしくて、いとおしくて、年の差なんて関係ない、叔母と姪っ子だなんて関係ない、女同士だなんて関係ない、私は、ただ、沙織さんが大好きで、好きで、好きで、抱きしめたくて、欲しくて、全部ほしくて、たまらないんだ。
「これから先も、たくさん、キスしましょうねっ。沙織さんがキスしていいのは、私だけなんですからねっ」
ぎゅーって、する。
ぎゅーって、抱きしめかえしてくれる。
私に抱きしめられながら、沙織さんが、また、ぼそっと、可愛い声で呟いてくる。
「…未来がキスしていいのも…私だけ…だからね」
「はいっ」
それこそ、望むところだった。
私の望むすべてが、いま、私の手の中にあった。
風が吹いてくる。
春をのせた風が。
桜の花びらが一枚だけ、私たちの間に落ちてきた。
今は一枚だけの桜も、もうすぐ、満開の桜になるのだろう。
「春になったね」
「うん。やっと…春になりました」
遠いと思っていた、春が、来る。
私は、この春、高校生に、なる。
沙織さんの、隣で。
沙織さんの、見つめる未来の中、で。
カーテンのすき間から零れ落ちてくる陽射しの暖かさが、冬のものとは違っていた。淡く白く、キラキラと輝いていて、揺れる空気が春の訪れをしめしている。
ほんの少しだけ、甘い匂いを含んでいるような気がする。
(もう春なんだ、な)
私は制服に着替えると、胸のリボンをきゅっと結んで、息を吐く。泣いても笑っても、今日、決着がつく。
「あーねーちゃーー、おきたー」
つむぎがトコトコと歩いてきて、そのまま私の足にしがみつく。その柔らかいほっぺたが足にあたり、ぎゅっと抱きしめてくるその手の力が心地よい。
「つむぎ、おはよう」
「あーよー!」
もう、毎日可愛いなぁ。会うたびに、可愛らしさ世界ランクを更新し続ける妹の頭をぽんぽんと叩くと、しゃがみこんで、つむぎと目線を合わせる。
「お姉ちゃん、頑張ってくるよ」
「がんばえー!」
笑うつむぎに癒されつつ、リビングに出る。
いつも通り、テーブルで新聞を読みながらコーヒーを飲んでいたお父さんをみて、「おはよう」と声をかける。
「おはよう、未来。発表は高校の掲示板だったよね」
「うん。今時ネットでの発表じゃないなんて、変わってるよね」
「それが伝統、らしいね」
お父さんは手にしていたコップをそっとテーブルに置くと、私を見つめてきた。
「本当に、車で送っていかなくていいのかい?」
「うん、大丈夫。ゆっくり電車で行くよ」
私の家から高校までは電車で30分ほどの距離だ。この、近いような、遠いような微妙な距離が、そのまま私と沙織さんとの間の距離でもあった。
私は今日、それを超えに行く。
「それじゃ、行ってくるね、お父さん、つむぎ」
2人に声をかけた後、大事にたてられている、お母さんの写真にも手を振る。
「お母さんも。行ってくるね」
いってらっしゃい、と、応えてくれたような気がする。
私は玄関の扉をあけ、春が近づいてきている陽光を一身に浴びた。
桜は…ちゃんと、咲くだろうか?
■■■■■
電車の中。
乗客の姿は少なく、余裕で座ることができた。
揺られながら、外の景色を見る。
(高校に受かったら、毎朝、この電車に乗って通うことになるんだよね)
そう思うと、また緊張してきた。
心臓がどくんどくんと脈打っているのが分かる。
(大丈夫…絶対に、大丈夫)
試験の手ごたえはあった。勉強していたことが、ちゃんと出ていた。大丈夫…間違いない。そう自分に言い聞かせる。やれるだけのことはやったのだから、あとは天に身を委ねるだけだ。
(でも)
やはり、絶対ではない。手のひらが汗ばんでいるのがわかる。受かっていれば、沙織さんに近くなれる。でも、もしも落ちていたら…
(ううん、考えるな)
スマホを取り出して、画面を眺める。
朝、沙織さんから届いていたメッセージを見る。
『未来、信じてる。待っているから、ね』
たった一行。
でも、それだけで、私にはいろんな想いが伝わってくる。暖かさが胸の奥にじんわりとしみ込んできて、優しくて、柔らかくて、そして、泣きそうになる。
うん。沙織さん。いま、行くから。
追いつくから。
待っていて、ね。
■■■■■
校門の前にはたくさんの人がいた。
泣いている人、笑っている人、誰かに連絡をしようとスマホを手に持って話しかけている人、笑い声、ため息、その全部が混ざり合って、ざわついている。
「未来、おはよう」
声をかけてきたのは、凛だった。
いつも通りの、綺麗な黒髪。白い肌が陽光に照らされて、まるで名工の作った白磁の陶磁器のように艶めかしい。
「凛、おはよう」
少し緊張したまま、こたえる。見てみると、やっぱり凛の後ろに葵の姿も見える。凛とちがって短くまとめた髪。少しやけた肌。もとは同じふたごなのに、少しずつ違ってみえるのは、重ねた年月のちがいからなのだろうか。
「葵も、おはよう」
「おはよう」
返事がかえってくる。こちらは先ほどの凛の挨拶とは違って、あまり熱が入ってはいなかった。相変わらず、だなぁ。
いつも通りの反応に、かえって緊張がほぐれてくる。
「それじゃ、見に行こうか」
「うん、一緒に、ね」
「未来、緊張してる?」
「さすがに…してる」
「そっか」
凛が近づいてきて、そっと、手を握ってくれる。
「未来なら…大丈夫だよ。一緒の高校に、行こうね」
そう言って、笑う。凛の成績なら、望めばどんな高校にだって行けるはずなのに、凛が選んだ高校は私の志望校と同じだった。
凛の人生を、私が変えてしまったのかもしれない…なら、ちゃんと責任をもたないといけないな、と思う。
ちなみにその後ろで、葵ががるる…といった表情で睨んできている。まるで忠犬みたい、と、ちょっと不謹慎な想像をしてしまう。忠犬葵、いいかも。
「さ、行こう」
掲示板に近づくたび、心臓が強く脈打つ。
風が髪を揺らす。桜のつぼみは…ちゃんと咲くのだろうか。
番号が並んでいる。
全部の番号があるわけではない…とぎれとぎれに、何番か番号を飛ばして、まるで出来損ないの数列のようだ。
目が走る。
指先が震える。
(…あった)
一瞬、世界が止まった。
空気の音も、風の音も、なにもかもが全部なくなって、ただひとつ、数字だけがあった。
(私の、番号)
私の、未来。
沙織さんとの…未来。
「やった…ぁ」
嬉しい。しびれるほど、嬉しい。
思わずその場にしゃがみ込み、誰にも気づかれないように、小さなガッツポーズをする。あった。あった…。私の未来が、ちゃんとここにあった。
「おめでとう、未来!」
背中の上から声がする。
と思ったら、背中が暖かくなった。柔らかいなにかが、私を包み込んでくる。凛が、私に覆いかかってきていた。
「凛…」
「これで、一緒に通えるね!」
立ち上がり、凛を見つめる。
端正な和風人形のような凛が、満面の笑顔でピースサインをしている。
「凛も、あった?」
「もちろん。あと、葵も」
「あったよー」
こっちはダブルピースをした後、べーっと舌を突き出してきた。こいつめ、はは。
嬉しくて、嬉しくて、3人で抱き合って、そのまま「やったー!」と笑いあう。やった…やったぁ。力が抜けて、その場にへたり込んでしまいそうになる。
お互いを讃えあい、頭をくしゃくしゃにしながら、空を見つめる。
晴れ渡った、透き通った空。
伝えたい人がいる。
一番伝えたい人がいる。
私が視線を戻すと、凛が、ちょっとだけ悲しそうな顔をして、笑った。
「いっておいでよ」
「…え?」
「私と葵は、ちょっと寄るところがあるから、別の電車で帰るから」
「凛…?」
「未来には…一番に伝えたい人が、いるんでしょう?」
「…うん」
有難う、凛。
そして、ごめんね、凛。
私は手をふって、振り返って、走り始めた。
後ろから、「…未来、頑張ってね」という凛の声が聞こえてくる。
その声に押されるようにして、私は、走る。
(沙織さん)
私の、大好きな人。
私の、一番大切な人。
私の、彼女。世界一の、彼女。
この気持ちを、真っ先に伝えたい。
ポケットからスマホを取り出そうとして、そこで指が止まった。
違う。
この気持ちは、文字じゃ足りない。
会いたい。
会って、直接、伝えたい。
この、溢れんばかりの、キラキラした、暖かい気持ちを。
約束していた場所へと走る。
坂道を駆け上がる。
風が頬にあたる。
春を含んだその風は、熱くてたまらなかった。
足が止まらない。
一秒でも、一瞬でも早く、沙織さんに会いたい。
そして。
「未来」
坂の上で、春の光に包まれたその人が、私を待ってくれていた。
白いコートに、淡いピンクのストール。
誰よりも素敵なその黒髪が、光の中でキラキラと煌めいている。
「…沙織さんっ」
息を切らして立ち止まる。飛びつきたい。誰の目も気にしないで、飛びついて、抱きしめてもらいたい。
「私…わたし、ね」
「…うん」
「受かったよ…沙織さんの高校、受かったよ!」
涙があふれてくる。
頬が震えている。
沙織さんは、にっこりと笑ってくれて。
「おめでとう…未来」
私の方へと、駆け寄ってくれた。
おめでとう…おめでとう。
そう言って、ぎゅっと、ぎゅーっと私を抱きしめてくれる。
「よく頑張ったね」
「…うん。うん。私、頑張ったよ、頑張ったんだよ」
沙織さんの匂い。春の匂い。
柔らかな沙織さんの体温に包まれて、全身を包み込まれて、まるで、世界の冬が一瞬で終わったような気がした。
白い光。
春の、光。
私は沙織さんと手をつないで、坂道を歩いてのぼっていた。
「この先にね、私のお気に入りの場所があるの」
沙織さんは笑って、私を引っ張ってくれている。
坂道の両端には桜の木が植えてあって、つぼみが開き始めているのが分かった。春が近づいてきている。まるで私たちみたい、と思った。
「沙織さん」
「なぁに、未来?」
「これで、毎日、沙織さんに会えるんですね」
「そうだね…嬉しい?」
「すっごく!」
嬉しいです。嬉しいに、決まっているじゃないですか!一歩一歩坂道をあがりながら、握った手をさらに強く握りしめる。
「私も…嬉しい。嬉しい、けど」
「けど?」
「学校では…私は、水瀬先生、だよ」
「分かってます」
わかって、います。
私と沙織さんは、先生と、生徒。
学校では、それ以上の関係でも、それ以下の関係でもない。
けど。けど。
「沙織さん、今は?」
「ん?」
「いま、手を握ってくれている、この沙織さんは、先生じゃないよね?」
「…うん」
沙織さんが少し笑って、握っていない方の手で、私の頭を撫でてくれた。
「今の私は、水瀬沙織。あなたの…彼女」
彼女。彼女。
その響きが、嬉しくて、あたたかくて、死にそう。
坂道が終わり、人気のない公園についた。
そこは小さな公園で、ちょっと歩けば端までたどりつける。
私と沙織さんは手を握ったまま、そこまで一緒に歩いて行って、そのまま眼下に広がる街を見下ろした。
「…すごい」
「でしょ?私、時々ここに来るの。ここに来て、街を見て、ひとりで物思いにふけるのが好き」
広がる街。私が住んでいる田舎より、よっぽど大きい街。沙織さんが住んでいる街。そしてこれから、私が通う街。
「海、見えるかな」
「天気のいい日だったら、遠くにかすかに見えることもあるんだけどね」
沙織さんが目を細める。風が吹いて、横のその沙織さんの表情が、限りなく素敵に見える。
もう、駄目だ。
湧き上がる想いを抑えることなんて…できない。
「沙織さん」
「うん」
「私、高校生になります」
「うん」
「…もう、子供じゃありません」
それでも、まだまだ、子供だよ、と言いたそうな目をしている沙織さんを見て、その目を逸らさずに、まっすぐに見つめ返す。
もう、背の高さはほとんど変わらない。
もう、見上げていた、8歳の頃の私じゃない。
同じ視線で、視線を受け止めることができるようになったんだ。
「沙織さん、大好きです。ずっとずっと、初めて会った時から、大好きです」
「…うん」
「この気持ち…もう止まりません。私、沙織さんが、欲しいんです」
沙織さんは、少しだけ寂しそうで。
でも、すぐに、私を見つめ返して、私の視線を受け止めてくれて。
「未来…おいで」
小さく頷いて、私を導いてくれた。
もう、迷わない。
沙織さんに近づいて、顔を、近づけて。
沙織さんが、そっと私の頬に手を添えてくれた。暖かい指先。その指先が触れるだけで、痺れて暖かくて気持ちよくなる。
目を閉じる。
沙織さんの呼吸音が近づいてくる。
沙織さんの香りが近づいてくる。
暖かくて。柔らかくて。
気持ちよくて。
唇。
唇と、唇。
そっと、触れるように、押し付けるように。
私は。
沙織さんと、キスをした。
沙織さんが、キスをしてくれた。
溶けそう。
溶けてる。
私の唇が、沙織さんの唇に触れている。
沙織さんの唇の感触。柔らかい。
ずっと、こうしていたい。
私、愛されてる。
すっごく、伝わる。
すごい。
言葉を交わさなくても、気持ちって、こんなにはっきりと伝わるものなんだ。沙織さんの気持ちが伝わってきているってことは、私の気持ちも伝わっているってことで。
好きです。
好きです。
大好きです。
沙織さんの唇…気持ちいいです。
私の唇…気持ちいいですか?
私、ちゃんと、沙織さんを気持ちよくできてますか?
ずーっと。
ずっと永遠に続きそうだったその時間も、永遠には続かなくて。
唇が、離れる。
それと同時に、目を開ける。
近い。
沙織さんの目が、私の目のすぐそばにある。
キスってすごい。
こんなに、近づくんだ。
距離がゼロとゼロになるんだ。
真っ赤。
沙織さん、顔が真っ赤。
たぶん、私も真っ赤。
2人とも、真っ赤っか。
「キス、しちゃった…」
「キス、しちゃいましたね…」
2人とも、最初に零れた感想が、それだった。
もっとロマンティックなこといえなかったのかな、と思ったけど、真っ先に思いついた感想がそれだったのだから、仕方がない。
えへへ。
えへへへへへ。
私たち、キスした彼女同士になっちゃった。
「本当なら、大人の私が我慢しなくちゃいけないのに…我慢、できなかった…」
沙織さんが、汗をかきながら、おろおろしながらそう言っていた。なんかおかしくて、なんか愛おしくて、そんな沙織さんをずっとずっと見ていたくなる。
「我慢なんてしなくていいんですよ。私、沙織さんの彼女なんだから、私のこと、好きにしてくれてかまわないんですからね」
「…それは、駄目でしょう…一応、私、教師なんだし…」
一応がついちゃった。その一応って、言葉、とれるかな。
「えへへ。えへへへ。私のファーストキス、沙織さんに捧げちゃった」
「…も」
「ん?」
「…私、も」
照れてこぼした私のその言葉に、沙織さんが耳まで真っ赤にしながら、うつむきつつ、さっきまで私の唇が触れていたその唇を手で隠しながら、すっごく恥ずかしそうに、ぼそっとつぶやいた。
「私、も、ファーストキス…」
「あ」
「私のファーストキスも…未来に…奪われちゃった…」
あ。
えへ。
えへへへへへへ。
私だけが。
世界で、私だけが。
たった一人、私だけが。
沙織さんの唇の味、知っているんだ。
「沙織さんっ」
私は、沙織さんに抱き着いた。我慢なんてできなかった。愛おしくて、いとおしくて、年の差なんて関係ない、叔母と姪っ子だなんて関係ない、女同士だなんて関係ない、私は、ただ、沙織さんが大好きで、好きで、好きで、抱きしめたくて、欲しくて、全部ほしくて、たまらないんだ。
「これから先も、たくさん、キスしましょうねっ。沙織さんがキスしていいのは、私だけなんですからねっ」
ぎゅーって、する。
ぎゅーって、抱きしめかえしてくれる。
私に抱きしめられながら、沙織さんが、また、ぼそっと、可愛い声で呟いてくる。
「…未来がキスしていいのも…私だけ…だからね」
「はいっ」
それこそ、望むところだった。
私の望むすべてが、いま、私の手の中にあった。
風が吹いてくる。
春をのせた風が。
桜の花びらが一枚だけ、私たちの間に落ちてきた。
今は一枚だけの桜も、もうすぐ、満開の桜になるのだろう。
「春になったね」
「うん。やっと…春になりました」
遠いと思っていた、春が、来る。
私は、この春、高校生に、なる。
沙織さんの、隣で。
沙織さんの、見つめる未来の中、で。
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