性別詐称王女、ノエル殿下の暗躍

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2. 調印式

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 二人で酒を酌み交わした翌日。ベンジャミンは何事も無かったかのように仕事に邁進し、ノエルも大人しく過ごしていた。ジョエルの報告書が上がってくるまでは待機だ。今日は荷解きをさぼっていた嫁入り道具――山積みの本をなんとかすることにした。
 侍従長に頼んで、壁一面に本棚を追加してもらう。家具をどけて壁際を空けなければならなかったが、侍従長はノエルの頼みに嬉々として応じた。使用人たちが何人もやってきて、広い部屋の中をすっかり模様替えしてくれた。壁には空いた本棚がずらりと並べられる。書庫の空いた棚を移動してきてくれたらしい。埃を被っていたので磨き上げてきてくれた。ご丁寧に転倒防止の加工もしてくれる。
 どうもありがとうとノエルが微笑むと、侍従長以下、使用人たち皆が頬を染めた。いつでもお呼びくださいと侍従長にはむしろ喜ばれた。
 一日がかりで整理しても終わらず、ノエルは一度諦めそうになった。分野別に箱に仕舞っておいたはずなのに他の分野の本が紛れ込んでいたり、著者名順で並べるかタイトル順で並べるかで小一時間悩んだりと、本にこだわりがあるだけに小さなことで時間がかかってしまった。
 ドタンバタンと物音を出しながら夜まで頑張っていると、ベンジャミンの部屋との間の扉が控えめにノックされた。
「どうぞ」
ノエルは本を抱えながら声を掛ける。扉が開き、ベンジャミンが覗き込んできた。
「その、先程から大きな音がするが、大丈……すごい本だな!」
ベンジャミンは思わずといった様子で声を上げた。ノエルは床を見る。分類済の本は既に本棚に詰め込み始めているのだが、分類しづらい本や特殊な装丁の本はどこに置くべきか決めかねており、床に山ほど放置したままだ。本棚に詰め込んだ本も後からやっぱり並べ替えたい気持ちになることは予想がついていて、本棚に入れてもまた取り出すことになるだろうと思っている。
「あなたの嫁入り道具、やたら多いとは思っていたが……まさか全部本ですか?」
「八割方は」
ノエルが苦笑いすると、ベンジャミンは釣られたように笑った。初めて笑顔を見て、ノエルは驚く。ベンジャミンは笑うと少年のような雰囲気になった。
「手伝いましょうか」
「え? いえ、でも」
お仕事中では?とノエルが尋ねると、ベンジャミンは少し照れながら言った。
「いや、あなたと話して気が楽になって……無理して夜まで仕事をするのはやめたのです。そうしたら手持ち無沙汰で」
「そうですか、よかった」
ノエルがほっとしてそう言うと、ベンジャミンは気を取り直して問いかけた。
「入っても?」
「もちろん」
何をすればいいですか?とベンジャミンは本の山を眺めて言う。ノエルはうーんと唸った。
「正直……特にお任せできることはありません。本の並びには少々こだわりがあるほうで」
ベンジャミンは瞬きをした。
「そ、そうですか」
「だから、私が片付け中に本を読み始めないように、見張っていていただけませんか?」
ノエルの冗談めかした言葉にベンジャミンはくすりと笑った。
「見張る?」
「ええ、懐かしい本を見るとどうしても手を止めて読んでしまって、気づいたら読み終わっていることもあって」
夜までかかってしまったのはそれも原因だった。ノエルは半分本気だ。ベンジャミンは目元を緩めた。では、と言って本棚近くのソファに腰掛け、ノエルが動き回るのを見ている。
「本がお好きなんですね」
ベンジャミンの言葉に、ノエルは本を棚に仕舞いながら頷く。
「私はあまり外に出られませんでしたから。立派な王女は外などでは遊ばず、城の中で慎ましく美しく過ごすのだと教えられて、ずいぶん反発したものでした。本を読めるようになってから世界が変わって、私の心は救われたのです」
ベンジャミンが黙ったので、ノエルは振り返った。彼は複雑そうな顔をしていた。ノエルはかすかに笑う。
「そんな顔をしないで。私は不幸ではないんです」
「……あなたは強い」
ベンジャミンは真面目な顔で言った。ベンジャミンが言うと、どんな言葉も確信に満ちて聞こえる。ノエルは照れて本棚に向き直った。
「楽天的なのです」
それからは黙々と作業をした。見られていると、普段の倍は早く進む。ほとんど終わらせたところで、黙って見ていたベンジャミンが口を開いた。
「あなたは、やはり……男性なのだな」
「ええ、なぜ?」
ノエルは最後の一抱えを片付けながら答える。ベンジャミンは言い淀んだ。ノエルが振り返ると、バツが悪そうな顔をしている。
「いや、今日の格好を見て……」
ノエルは自分の服装を見下ろした。今日のノエルは男性の装いだった。長い髪もひとつにまとめている。ドレスに近いいつもの格好では動きづらかったのだ。ノエルはふっと笑った。
「人間の目など、信用のならないものでしょう?」
ノエルの言葉にベンジャミンは瞠目し、それから頷いて小さく笑った。
「確かにそうだ」
ノエルは最後の一冊を棚に仕舞い、よし!と腰に手を当てた。
「いい仕事だった」
ベンジャミンが部下に言うように労った。ノエルは声を上げて笑う。ベンジャミンはソファから立ち上がると、所在なげに部屋を歩き回り、本棚を見るともなしに眺めた。険しい顔をしている。どうしたのだろうとノエルが見ていると、ベンジャミンは「あー」と言いあぐねてから、控えめに言った。
「明日から、食事を共にしませんか」
ノエルは眉を上げた。
「もちろん」
「本当に?」
ベンジャミンが勢い込んで聞き返し、ノエルはおかしくなって笑った。ベンジャミンは確か、ノエルの二つか三つほど歳上だったはずだ。凛々しい顔をして、まるで幼い少年のような目でノエルを見るので、むず痒くなってしまう。
「なぜ私が断るんです、めおとになるのに」
「そう……そうですね」
ベンジャミンはしばし黙り込んだ。またムッとしたような顔になる。考え事をしている時の顔らしい、とノエルはだんだん分かってきた。ノエルがベンジャミンを見上げていると、ベンジャミンはたっぷり逡巡してから、ようやく言った。
「口づけしても?」
ノエルは瞬きをした。ベンジャミンは顔を逸らして即座に否定する。
「いえ! 嫌なら断ってください、すみません。婚姻もまだなのに」
生真面目だ。放っておいたらいつまでも反省していそうなので、ノエルはベンジャミンの袖を引いた。ベンジャミンはハッとしてノエルを見下ろした。
「男の格好ですが、いいでしょうか?」
ノエルが見上げると、ベンジャミンは視線をうろつかせた。
「も、もちろん。あなたは、どんな服装でも、その」
ノエルは微笑んで言葉を待った。ベンジャミンが仏頂面で黙り込んでしまったので、ノエルはさらに相好を崩した。なんて可愛い人と婚約したのか。
「ベンジャミン様」
そっと呼ぶと、ベンジャミンは意を決して、ノエルの頬を両手で包んだ。ベンジャミンの手は、大きく硬い軍人の手のひらだった。口を引き結んだ強面が近づいてきたので、ノエルはくすくす笑いながら瞼を下ろす。少し緊張したが、愉快だった。
 口づけは優しかった。口説くのは不慣れでも、口づけは初めてではないのかもしれない。何度かそっと啄んでから、ベンジャミンは離れていった。ノエルは目を開けた。ベンジャミンはむっとした顔をしている。どうやら照れているらしい。
「私はベンジャミン様に嫁いできて、幸運でした」
ふと、言葉が口をついて出た。ベンジャミンが尋ねる。
「なぜ?」
ノエルは昨日から思っていたことを口にした。
「あなたのことを、愛せそうなので」
ベンジャミンは今度こそ言葉もなく、再びノエルに口づけた。


◆◆◆


 ノエルとベンジャミンの婚姻にあたり、調印式は十日後に執り行われることになった。民へのお披露目は来年となる。今の季節は秋、民は収穫の時期で冬支度に忙しい。皇太子妃となる姫君が遠方のため、旅程としても春にしたいということで、半年後、つまり翌年の初夏に第一王子夫妻が調印式と披露宴をし、晩夏にノエルたちのお披露目だ。それまでノエルがただの客人というわけにもいかないので、調印式のみ先に執り行うことになった。お披露目式では、それぞれで王都での祭りが催されるらしい。一度に執り行わないのは、祭事を増やすことで民の楽しみを増やし、流通と消費を促すことも目的のようだ。
 少しお時間を頂く、と言っていたジョエルの資料がもう上がってきて、ノエルは苦笑した。
「少しくらい手を抜いてはどうだ」
「とんでもございません」
ジョエルが眉を上げて叛意を示した。ノエルは頷く。
「そうだろうな」
ノエルは資料を熟読しはじめる。ジョエルは静かに傍に控えた。

 ノエルの目下の懸念は、「男の嫁を迎えたことを、ベンジャミンがどの程度うまく利用できているのか」ということだった。
 ノエルを迎えたことでベンジャミンの得る利益は、王位継承権争いから外れること、そして友好国デーヴァとの血縁ができること。デーヴァは小さいが風土がよく、農作物の出来がいい豊かな国だった。デーヴァとの繋がりが深まることはベンジャミンの、そして国の利益になることに相違なく、それ単体で見れば、ベンジャミンの立場がより強固になったとも取れた。ノエルが男であるという事実をうまく使わなければ、ベンジャミンへの警戒心はより強まるように思える。
 ノエルが男であることで被る損害としては、「男色の王子」としてベンジャミンがそしられることが上げられるが、ベンジャミンへの侮辱はノエルへの、ひいては友好国デーヴァへの侮辱となるので、そこは母国の盾を大いに使わせてもらおうと思っている。ノエルは自国では溺愛されているのだ。
 そういうわけで、ベンジャミンのあのまっすぐな性格では、ノエルの性別についてはさほど活用できていないのではと思われた。ノエルは、まずはそこから始めることにした。

 ジョエルの報告によれば、ノエルの性別について明確に知っているのは、国王夫妻と第一王子、侍従長、ジョエルの選定した数名の側仕えの侍従たち、そして閣議に参加する貴族たちの一部のみであった。その他については、特に箝口令も敷いていないので、噂が流れるに任せていた。ジョエルが調べた限りは――つまり、シラミ潰しに調べた限りは――噂はどれも不確実なもので、「ノエル殿下は男だと聞いた」「性別不詳だ」「あの美しさで男のはずがない」といった曖昧なものだった。ノエルはひとまず、噂の発信源になることにした。


◆◆◆


「なあ、聞いたか?」
「ノエル様だろ」
二人の近衛兵は誰も通らない廊下の警備に飽きて、ひそひそと言い合った。
「男の服装をして歩いてたってよ」
「それ本当の話なのか? 俺は絶世の美女だって聞いたぜ」
「マイケルが嘘を言ってたんじゃなきゃ、本当だ。あいつはノエル様の居住区の警備だから」
「本当なんだったら、一度見てみたいけどね」

「見た?」
「見た見た! ノエル様でしょ」
下働きの女たちは洗濯をしながら大声で言い合った。
「美しかったわねぇ……」
「あれで男だなんて、反則じゃない?」
「あたしなんて、おしろいをどんだけはたいたって、あんな美しい肌にはなれないよ」
「ほんとに女じゃないの?」
「だってズボンを履いてたよ、貴公子みたいな」

「いーや、信じないね。俺は馬車に乗ったノエル様をこの目で見たんだ。あんな美女が男のはずはねぇ! 女に賭ける!」
酒場で兵士が叫んだ。誰かが呆れ声で宥める。
「賭けるったって、ここにいる誰も、本当は男なのかなんて本人に聞けやしないよ」
「ベンジャミン様は本当に男を娶ったのかな?」
「王位継承権争いを避けるためなんだと」
「そうなの? 王族様も大変だねぇ」

 噂は、時折ジョエルの手の者に軌道修正をされながら、少しずつ広まっていった。「王位継承権争いを避けるため」という文言が肝要だった。
 これはノエルの母親が用いた手法だった。彼女はノエルが成長しすぎて性別を隠しきれなくなると、信頼できる者の手から直接噂を広め、「王位継承権争いを避けるために女として育てられた、美しき悲劇の王子」の像を作り上げた。ノエルの美貌もそれに一役買っていた。人々は、ノエルが催事の際に王宮から笑顔で手を振るたび、「悲劇の中でも美しく育った健気な王子」に涙し、熱心に手を振り返した。
 「美しい」こともこの作戦には必要だったので、ノエルはドレスを着る日と、男装の日とを交互に設けた。より多くの人の目に止まるよう、なるべく外で過ごす。先日は男装の姿を見たはずの近衛兵が、ドレスを着たノエルを見て目を白黒させているのを横目に、ノエルは笑いを堪えて歩いた。

 そうこうしているうちに、調印式の日が来た。この日の支度のために選ばれた侍女たちが、ノエルを美しく着飾らせた。ノエルのドレスは白で、喉仏の目立つ首元は細やかなレースの装飾で隠された。淡く化粧が施され、唇には下品でない程度に、華やかな紅がさされる。器用な侍女の手で編み上げられた髪には、控えめな髪飾りが飾られる。華美さの抑えられた装いは、ノエルの素地の美しさを際立たせた。
「お美しいですわ」
侍女がため息とともに零した言葉に、ノエルは微笑んだ。
「ありがとう」
侍女たちは頬を染めた。
「本当に、男性とは思えないくらい……」
言いかけた侍女を、他の侍女が慌てて止めた。あっ、と言うように、失言をした侍女は口に手を当てた。ノエルは咎めず、ただ微笑んでいる。腰を折って謝罪する侍女を止めて、ノエルは特にその発言内容には言及しなかった。
 調印式には、王の親族と、主要な貴族たちが呼ばれた。披露宴は来年となるため出席者は控えめだ。披露宴では、デーヴァからの貴賓を含め、この倍の人が呼ばれることになるだろう。
 ノエルは付き添いがいないため、ジョエルにエスコートされての入場となった。ノエルが赤い絨毯を踏んで進むと、好奇の視線が、不躾でない程度にいくつも飛んできた。ノエルは口元に完璧な微笑みを作り、上品に進む。感嘆のため息が聞こえた。
 調印台の前に、国王夫妻とベンジャミンが待っている。ベンジャミンはいつも通りにキリリと凛々しい顔をしていた。ノエルと目が合うと、頷いてくれる。ノエルは重いドレスが軽くなったような心地がした。ベンジャミンの横に並び立つと、国王夫妻に深い礼をする。国王が口を開いた。
「この日、我らが善き友、デーヴァ王国から、第一王女ノエル・オーブリー・デーヴァを我が一族に迎え入れる」
国王はベンジャミンへ視線をやる。
「我が息子、ベンジャミン」
ベンジャミンは腰を折って一礼した。国王は問いかける。
「そなたはノエル王女を伴侶として慈しみ、尊重し、支えあっていくと誓うか?」
「誓います」
ベンジャミンは力強く言った。国王は頷き、ノエルに優しい眼差しを向けた。
「ノエル王女」
ノエルはドレスの裾を持ち上げて一礼した。
「そなたもベンジャミンを伴侶として慈しみ、尊重し、支えあっていくと誓うか?」
「誓います」
国王は満足そうに頷く。
「では、こちらに署名を」
二人は婚姻証明書にサインをした。闊達な字で署名したベンジャミンの名前の下に、ノエルもサインをする。
「それでは、これより二人は正式な伴侶となった。アルトメリア国王の名において、二人の婚姻を保証する」
ノエルはベンジャミンを見上げた。ベンジャミンは真面目な顔を崩さなかったが、ノエルに向かって黙って頷いた。
 二人は参列者に向かって一礼する。参列者たちから祝福の拍手が贈られた。ベンジャミンが腕を差し出し、ノエルはそれに軽く手をかける。退場の際は、入場の際よりも不躾に顔を見られた。皆、拍手をしながら何かを囁き交わしている。ほとんどが驚きと賞賛の表情だ、とノエルは判断した。美しい笑顔を崩さずに、退場まで完璧な花嫁を演じた。
 式場を出ると、ジョエルから控え室に案内される。ここで親族と軽食をとってから終了とのことだった。後から国王夫妻と第一王子がやってきて、皆でお茶と軽いお茶菓子を楽しんだ。皆はノエルの美しさをまるで国宝のように誇らしげにし、思う存分褒めそやしてからお開きとなった。
 別れ際、ノエルは王妃になにげなく誘いかけた。
「今度、お茶会を開きませんか? 王宮に務める淑女たちも誘って」
王妃は大喜びだった。
「まあ! それは素敵だわ。誰をお呼びするか考えなくちゃ」
ノエルはにっこりと笑った。


◆◆◆


「その……とても綺麗なので、しばらくそのままでいてくれませんか」
部屋に戻ってからベンジャミンが大真面目に頼むので、ノエルは頼みを聞いてあげたくなったが、断った。
「申し訳ありません、コルセットがとてもきつくて」
正直、お茶を飲むのも一苦労だった。ベンジャミンは慌てて「ならすぐに着替えましょう」と意見を翻す。
「代わりに、キスをしてもいいですよ」
ノエルがいたずらっぽくウインクすると、ベンジャミンは苦いものでも食べたような顔をして、それから顔を近づけてきた。そっと一度だけ口づけされる。
「その、紅が」
言い訳するように囁かれた。なるほど、とノエルは頷き、ベンジャミンの襟首を掴んで、その口元にぶちゅっと唇をつけた。ベンジャミンの唇の横に、綺麗な赤いキスマークがつく。
「ちょ、ノエル様!」
「あはは!」
ベンジャミンは口元を触り、指先が赤く染まったのを見て焦った顔をした。
「侍女に落としてもらってください」
ノエルは笑いながら言って、侍女を呼んだ。呼ばれた侍女たちは目を白黒させたりくすくす笑ったりしながら、ノエルの着替えを手伝い、化粧を落として、ついでに第二王子のキスマークも落としてくれた。
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