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決戦

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「はい!」ミーアも俺の後についてきた。そして、俺達が歩いていると、前から誰かがやってきた。
「誰だ?」俺はその人物に声をかけた。すると、「私は四天王の一人、闇使いのラミスだ!」
「そうか……」
「ほう……。なかなか肝の据わっている奴じゃないか……」
「まあな……」
「ふっ……。なら、私と戦うか?」
「遠慮しておく……」俺は断った。
「そうか……。ならば、ここで死ね!」
「え?」
「ダークネス・ナイトメア!」ラミスは黒い霧を発生させた。
「くそ!これじゃ何も見えない……」
「タクトさん!危ない!」
「え?」
俺はミーアの声に反応し、後ろを振り向いた。すると、闇の塊が俺に迫ってきていた。
「うわぁー!!」俺は急いで避けたが、ギリギリ間に合わずに直撃してしまった。
「ぐはっ!?」俺は吹き飛ばされた。そして、壁に激突した。
「がはっ……」あまりの衝撃に息ができない状態だった。だが、「ヒール!」俺はすぐに回復魔法を唱えた。傷はすぐに治った。
「やるじゃん……。今のを避けるなんて……」ラミスは感心していた。
「はあはあ……。危なかったぜ……」俺は冷や汗をかいていた。
「どうやら、私の勝ちみたいだな……」
「そうだな……」俺は諦めかけていた。
「では、さらばだ……」
「待ってくれ!」俺は引き留めようとしたが、間に合わなかった。
「逃げられた……」俺はため息を吐いた。
「仕方ありませんよ……」ミーアは慰めるように言った。
「とりあえず、先に進もう……」俺とミーアは再び魔王軍本部に向かって歩いて行った。
俺とミーアが魔王軍本部に着くと、そこには多くの魔族たちが待ち構えていた。
「待っていたぞ!勇者め!」
「よくも、我らの同胞を殺してくれたな!」
「許さん!」などと言いながら襲い掛かってきた。
「うるさいな……」俺は面倒くさそうに言った。
「タクトさん!私に任せてください!」ミーアが剣を構えた。
「分かったよ……」俺は素直に従った。
「ホーリーライト!」ミーアが光属性の攻撃を放つと、ほとんどの敵が倒れた。
「やったか!?」
「いいえ……。まだです……」ミーアが警戒していると、一人の男が姿を現した。
「フッ……」男は不敵に笑っていた。
「お前は……」俺は男の顔を見て驚いた。なぜなら、その顔は俺と同じ顔をしていたからだ。
「久しぶりだな……。兄貴……」
「弟よ……」俺達はお互いに睨み合った。
「どういうことだ?」ミーアは混乱して俺に聞いてきた。
「こいつは俺の弟だ……」
「弟!?」ミーアは驚いていた。
「ああ……。紹介するよ……。弟のレオンハルト・ドラグーンだ……」「よろしく頼むぜ!」
「はあ……?」ミーアは訳の分からないという表情をしていた。
「まあ、そういう反応になるよね……」俺は苦笑いをした。
「貴様らはここで死ぬのだ……」レオンハルトは攻撃態勢に入った。
「俺達を殺すだと?ふざけるんじゃねえ!」俺は怒りをぶつけた。
「なら、やってみろ!」
「上等だ!!いくぞ!ミーア!」
「はい!」
こうして、俺とミーアの戦いが始まった。
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