彼との恋は、あくまで仕事で

森井 里留華

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1章.非日常の始まり

恋人のフリ

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「はい、はい……えぇ、大丈夫です。確かに承りました。それでは本日の午後、そちらに伺わせていただきますね。はい、失礼します」


 大ちゃんの声が聞こえる。お仕事の電話だろうか。目を覚ました私は、ソファーの上で体を起こした。


「よぉ、千穂。起きたか」

「おはよぉ、大ちゃん……」


 まだぼんやりとする目を右手でコシコシと擦りながら大ちゃんを見上げると、彼は「あーあ」と言って意地悪な顔で笑った。な、何?


「お前、服しわしわじゃん。それで帰んの?」

「えっ、嘘! やだなぁ、折角家でお風呂入ってから着替えて来たのに。これからまたシフト入ってるのに、流石にこのままじゃ行けないか……」


 呟いた瞬間、部屋の温度が二、三度下がった。何やら不穏な空気を感じて、私はそろりと大ちゃんに目をやる。


「……何、お前今日もあそこ行くの?」

「……そうだけど?」


 ど、どうして急に不機嫌になっちゃったの? 私何か気に触ること言ったかな?
 焦って自分の言葉を思い返してみたけど、何が彼の機嫌を急降下させたのか分からない。むしろ、特におかしなことは言ってない気が……。

 ここ最近、大ちゃんの様子がおかしい。昨夜だってそうだった。
 突然不安そうになったり不機嫌になったり、らしくない弱音を吐いたり。いつからだったかな。

 なんとなくデジタル時計の日付けを確認した私は、そこに表示された時刻を見て思わず「やばっ!」と声を上げた。


「今日、開店からシフト入ってるの! 一回家にも帰りたいし、私もう行くね!」

「ちょっ、千穂、」


 慌てたように立ち上がった大ちゃんを無視して、私は荷物を手早くまとめた。元々あまり持って来ていなかったから、あっと言う間に準備ができる。


「行ってくるね!」

「あーもう、くっそ……。千穂、今夜も終わったらちゃんと報告来いよ」

「はーい! じゃあまた後でね!!」


 事務所の扉を閉めるとき、僅かな隙間から大ちゃんが額を押さえているのが見えた。それに首を傾げながら、私は事務所を後にしたのだった。





♢♢♢♢♢♢





「あっつー」


 歩きながら涼を求めて、私はパタパタと手で顔を扇いだ。
 あーあ……まだ午前中なのに、どうしてこんなに暑いんだろ。一回家に帰ってから服を着替えて、メイクまでして来たのに……汗で全部が台無しになっちゃいそうだ。
 私は顔を顰めて、空で照り付ける太陽を睨む。

 大通りから一本中に入った路地を行くと、すぐに目的地に到着だ。日陰を選びながら角を曲がってきた私は、お店の前に誰かがいることに気が付く。

 あ、女の子の二人組だ。流行りの服を着こなして、ばっちりメイクも決めている。見たことのない顔だから、どこかでこのお店の噂を聞いてきたのかな?

 新規のお客さんは素直に嬉しい。でも彼女たちのようにキラキラした女の子が増えたら、今までみたいな隠れ家のような雰囲気はなくなるんだろうなぁ。
 ……うーん。それはそれで、ちょっと寂しいような気もする……。

 なんてことを考えながら、私はお店に歩み寄った。女の子たちの横を通り過ぎて、“CLOSED”という札の掛かった扉に手を掛ける。
 鍵は空いてるかなー、なんて思いながらノブを下げると、何の抵抗もなくガチャリと開いた。誰か来てるみたいだ。


「あ、おはよう片桐さん。今日も暑いね」


 チリリンと鳴ったドアベルに、中にいた橘さんが振り返った。にこりと笑った顔が今日も爽やかだ。


「おはようございます! すみません、遅くなりました」

「大丈夫だよ、俺もちょっと前に着いたところだから。それにまだ全然遅くないしね」


 既に着替えていた橘さんは微笑むと、「表の水遣りして来るね」と言って外に出て行った。

 うぅむ、実にスマート。さすが橘さん。
 きっとこういうところが、女子には受けるんだろうなぁ。この前妹尾さんも、「橘って近所の人たちのファンクラブがあるんだって。知ってたー?」って言ってたし。

 私はありがたく橘さんにお任せすることにして、奥のスタッフルームに進んだ。ガチャリとドアを開けたけど、そこには誰の姿もない。私と橘さんの他にも厨房担当の人が一人シフトに入っている筈なんだけど、まだ来てないみたいだ。
 うーん、これはますます急がなきゃ。先輩を一人で黙々と働かせ続けるわけにはいかないしね。

 私は部屋の隅っこの衝立の裏で手早く制服に着替えて、駆け足気味にホールへと戻った。
 ガチャッと扉を開けて「お待たせしました!」と声を上げようとして、けれどまだ橘さんがいないことに気付く。私は思わず瞬いた。


「あれ、橘さんまだなんだ」


 無人のホールでキョロキョロしながら一人呟く。うん、どこにも橘さんの姿はない。
 え、何だか遅くない? 表の水遣りなんていっても、五分もあれば十分なのに。てっきりもう戻ってきてると思ってたんだけど、何かあったんだろうか。
 私は首を傾げながら、扉を開けて外に出てみた。


「橘さ……あ」


 橘さん、いた。こっちに背中を向けて立ってる。

 だけど不自然に言葉が途切れたのは、さっきの女の子二人組が橘さんに話しかけているのに気付いたからだ。私は慌てて自分で自分の口に手をやって、言いかけていた言葉を必死に飲み込む。
 ふぅ、あとちょっとで話に割り込んで邪魔しちゃうところだった。危ない危ない。

 そろりと息を吐きつつふと下に目線をやれば、植木鉢の土は乾いたままだった。今までずっと話し込んでたんだろう。 
 そうだ! 折角だし、私が水遣りしておこう。橘さんに頼りきりってのも気が引けるし。

 だけどそう思って邪魔にならないようにそぉっとホースを拾い上げたとき、三人の会話が私の耳に届いた。


「え~、いいじゃないですかぁ!」

「絶対楽しいですよ!」

「申し訳ありませんお客様、でもこれから仕事なんで……。だからちょっと、そういうのは難しいですね」


 会話の内容から察した私は、ホースを手にしたまま固まって目を見開く。

 こ、これはいわゆる、逆ナンなるものではないですか!?
 は、初めて見た……本当にあるんだ、積極的だな。

 でもやっぱりさすが橘さんと言うべきか、女の子達のお誘いにもたじろがずにやんわりと断っている。角が立たないような柔らかさがあるけど、なんだか慣れてる感じだ。これなら女の子達も諦めるでしょ。


「じゃあっ、連絡先だけでも教えてもらえませんか?」

「えっ!?」


 あっ、しまった!

 なんて思ったときには遅かった。想像と違う展開に思わず声を上げてしまった私の方を見て、女の子達が「何?」と眉根を寄せる。
 えっ、顔っ、顔怖いよ、橘さんと喋ってるときと全然違う! そんなに睨まないでーーー!

 そのとき、橘さんと目が合った。心底困ったような顔をしている彼に、咄嗟に考えるより先に口が動く。


「すみませんお客様、お話が偶然聞こえてしまったもので。申し訳ありませんが、当店ではそういったサービスはございません」


 どうぞお引き取りください、という意味を込めて頭を下げると、冷たい眼差しが私に刺さった。折角キレイな顔してるのに、怖っ……。
 その不機嫌さを隠そうともせず、女の子その一(仮)が口を開く。


「でも、今ってまだ開店前なんですよね? じゃあこれはお店のサービス云々じゃなくって、私たちが個人的にお兄さんにお願いしてることなんですけど」


 だから邪魔して来んな! 空気読めよ! と言いたげな雰囲気がビシバシ伝わってくる。
 いや、でもちょっと待ってねお嬢さん方、空気読むべきなのは多分あなた達の方だよ。後ろの爽やかお兄さん超困った顔してるのに、何で気付かないかなー?

 そのときふっと私は、あることを思い付いた。やばい、名案。私天才かもしれない。


「そう、ですね……。確かに今は営業時間外です。なので、店員としてではなく、一人の女として一つ言わせてもらいますね」

「も~、何ですか? 私たち、今忙しいんですよ?」


 プクッと膨れた顔をする女の子その二(仮)。
 うん、顔と口調は可愛いけど、目が全く笑ってませんよ。怖いなぁ。
 ……でもそんな顔ができるのも、今のうちだけだからね?

 私は心の中でニヤリと悪い笑顔を浮かべながら、表向きはにっこりと微笑んで見せた。


「その人、私の彼氏なんです。だから、渡してあげられません」

「「えぇっ!?」」


 おぉ、見事に女の子その一とその二の声が被った。
 でも驚いているのは彼女たちだけではなくて、その後ろで橘さんも目を見開いている。
 うん、まぁそりゃそうなりますよねー。でもお願い、話を合わせて下さい!

 そう思いながら橘さんに必死に念力を送っていると、彼とばっちり目が合った。
 途端に心得た顔になった橘さんが、ふわりと微笑む。


「うん、実はそうなんだ。だから、君たちとは遊べないし連絡先も教えられないや。折角誘ってくれたのに、ごめんね」


 ふわわわわ~ん

 あ、あれれ? 気のせいかな、今橘さんの後ろからお花が飛んでいるのが見えたような。心なしか、キラキラが辺りに振りまかれている気もする……。

 接客用じゃなくて普段の柔らかい喋り方になった橘さんの笑顔に、女の子二人は赤面した。さっきまでの勢いは見る影もなく、「えっと、あの……」とか言ってまごまごしてる。
 分かるよ。なんかキラキラしてて、言葉出てこないよね。

 そうして女の子達は、真っ赤な顔のまま帰って行った。





「橘さん、勝手なことしちゃってすみません……。お話、聞こえてしまって」

「ううん、むしろありがとうね。いつもはもっとちゃんとお断りできるんだけど、今日の子たちは粘り強くて」


 完全に女の子達の背中が見えなくなった後、私は橘さんに頭を下げた。彼は笑ってちょっと困ったように眉尻を下げる。


「え? いつも、って……もしかして、こういうことよくあるんですか?」

「あ、いや……よくってほどではないかな」

「いや橘さん、それつまりあるってことですよね!?」


 何ともぽやっとした橘さんの言葉に思わず突っ込みながら、私は頭をフル回転させた。

 もしかしなくてもこれは、チャンスではないだろうか。さっきのは咄嗟の思い付きだったけど、堂々と橘さんの恋人のフリができるかもしれない!


「あの、橘さん。ちょっと提案なんですけど……」

「うん? どうしたの?」

「あの、ですね。私を恋人として採用する気はありませんか?」

「えっ?」


 目を見開く橘さん。まぁそうなるよね。私は慌てて言葉を続ける。


「あの、もちろんフリです! 橘さん、今付き合ってる方いないって聞いて! 橘さんに本当に好きな人ができたらすぐにやめます。迷惑もかけません。だからそのっ、逆ナン防止アイテム的な軽いノリで……」


 言いながらどんどん自信が無くなってきて、言葉が尻すぼみになってしまった。
 ど、どうしよう。普通これ、下心ありとかヤバイ奴とか思うよね?

 必死に頭をフル回転させていると、橘さんが「あー、妹尾かな? まったくもう、アイツは……」と言うのが聞こえてくる。
 すみません橘さん、彼女情報は妹尾さんからじゃなくて報告書からなんです……。
 なんて言えるはずもなくて、「やっぱりナシで!」と叫ぼうとしたそのとき。橘さんがふわりと笑った。


「そうだね、お願いしようかな?」

「え……う、嘘、本気ですか?」

「あれ、もしかして冗談だった?」

「や、あの、そんなことないんですけど、ほ、ほんとにいいんですか……?」


 待って待って、ちょっと頭が追っ付かない……! 本当は撤回する気満々だったのに、え、本気で言ってます?
 しどろもどろに答える私に、橘さんは柔らかく笑う。


「ふふ、片桐さんが言い出したことなのに。それとも、俺の恋人のフリは嫌かな?」

「ち、ちが……っ!」


 思いっきり首を横に振ると、橘さんが「ありがとう。じゃあよろしく頼むね」と微笑んだ。
 嘘、ほんとに私、橘さんの恋人(偽)になっちゃったの……?

 でも、橘さんは本当にいいのだろうか。私の知る限り、橘さんは女性と少し距離をとっているのに。

 人当たりがいいから分かりにくいけど、ある一定の距離以上は踏み込まないし踏み込ませない、みたいなところが橘さんにはある。相手を勘違いさせるようなことも絶対にしないし。
 ……まぁ、それでも優しくて素敵な男の人だから、すごくモテてしまうんだろうけど。


「た、橘さん……」

「ん?」

「あの、」

「おーい、橘ぁ、片桐ちゃーん!」


 私が本当にいいのか尋ねようとしたとき、遠くから私たちを呼ぶ声が聞こえた。妹尾さんだ。そっか、今日もシフト同じだった。

 このお店で働いている人はみんなそこそこ若い。一番の年長者である店長ですらまだ四十前だったはずだ。
 その中でも私たち三人は特に若く、また歳も近いからか、よくシフトが重なっていた。多分店長が気を回してくれているんだと思う。ありがたや。


「妹尾さん、おはようございます!」

「おはよう」

「おっはー! ねぇ、二人とも店の前で何してんのー?」


 近付いてきた妹尾さんが、乗っていた自転車を停めながら訊いた。そこで三人で店内に入りながら、さっきまでの話を橘さんが妹尾さんに話し出した。
 あ、本当にいいのか訊くタイミング逃しちゃったな。まぁいっか、またそのうち訊いてみよう。


「……ってことだから、悪いけど妹尾もよろしくね」

「へー、恋人のフリね! いいじゃん、おもしろそー」

「でも、自分から提案しておいてアレなんですけど、恋人のフリってどうやったらいいんですかね?」


 楽し気に妹尾さんは笑うけど、対する私は情け無い顔付きになっていると思う。でもそんなことには構ってられない。

 ───そう。実は恋人(偽)になることばかりに気を取られて、実際に恋人のフリをするには何をするべきなのかは全く考えていなかったのだ。


「んー? 恋人っぽいことすればいいでしょー」

「恋人っぽいって……例えばどんなのですか?」

「え。えっと、そこはほらさ、橘が教えてくれるって」


 軽く答えた妹尾さんだったけど、私が質問を重ねるとそのまま橘さんに丸投げした。さては彼も特に何も考えずに答えたな。
 急に話を振られた橘さんが瞬く。


「えぇ、俺? うーん、どうだろう……。名前で呼び合う、とか?」

「な、名前ですか……。えっと、叶多さん、とか?」


 首を傾げながら言ってみると、橘さん───叶多さんは微笑んだ。


「うん。よろしくね、千穂ちゃん」


 うわ。大ちゃん以外の男の人に名前を呼ばれるのって、なんか変な感じだ。すごくムズムズする。

 ───こうして私は、晴れて叶多さんの恋人(偽)になったのだった。


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