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1章.非日常の始まり
休日の過ごし方
しおりを挟む「おぉっ、さすが千穂! めっちゃ似合ってる、かわいい!」
「ひ、陽毬、声おっきい……」
今日は十月最初の火曜日。そして久々の完全オフ日! ということで、私は大学時代の友人である陽毬とショッピングモールに遊びに来ていた。ここしばらくなかった解放感に、何だか身体が軽くなった気分だ。
実は、なかなかお休みの日ってないんだよね。お店の定休日は月曜日で、それ以外はシフト制。大ちゃんの事務所の方は一応火曜日が定休日ってことになってるけど、依頼が入っていたりしたら関係なく出動するから……ちゃんとしたお休みは本当に久しぶり。浮かれてしまっている自覚がある。
───でもだからって、それとこれとは別だよね。
「陽毬、やっぱりこれは無理だよ」
「何言ってんの。持って生まれたもの活用しなきゃ、宝の持ち腐れでしょ?」
「宝……? や、でもこの服は流石に露出しすぎじゃ」
「だぁーーー! もぅ、ウダウダ言わない!! いいじゃん値段だってお手頃なんだし、たまには冒険してみようよ!」
陽毬はそう言うけど、あいにくそんな勇気は持ち合わせていない。試着室の鏡に映った私は、胸元も背中も大きく開いたミニワンピを着ていた。脚も剥き出しだし、ぴったりとしたシルエットで身体のラインが丸わかりだ。
……おぉう、痛い。痛すぎる。てか、こんなセクシー系はそもそも私のキャラじゃないし。
「私の服はいいから。どうせだし、陽毬も服見ようよ」
「私はさっきから何個か買ってるし、むしろ千穂こそ新しい服ゲットしなきゃでしょ? イケメンの恋人なら、見劣りしないように気合い入れなさい!」
「こ、恋人じゃなくて偽物だもん。だから大丈夫だし」
私はイヤイヤと首を振る。ついでに両手も振って否定しておく。
実は、陽毬には叶多さんの恋人のフリを始めたことを話してあった。……とは言っても守秘義務があるし、言えないことの方がむしろ多いんだけどね。
とりあえず彼女には、とあるイケメンの恋人(偽)をする依頼中だ、とだけ話した。
するとなぜか陽毬は俄然やる気になって「次の休みは出掛けるよ!」と言い、今日私をここに引っ張ってきたという訳だ。
「チッチッチッ、甘いわね千穂。考えてもみなさいよ。偽物でも何でも、周りからしたらアンタはそのイケメンの恋人なのよ? 釣り合わないとか思われる様じゃ、説得力もクソもないわ」
「ひ、陽毬さん? 言葉遣いが荒くなってるよ?」
思わず顔が引き攣るけど、確かに陽毬の言うことにも一理ある。
確かに、私の目的は叶多さんの恋人のフリをすることじゃなくて、あくまでも愛子さんに諦めさせることだもんね。突っ込みつつもちょっと納得する。
「それにもしかしたら、そのイケメンとほんとに恋が始まるかもよ?」
「えー、そんな訳ないよ? あくまで仕事だし、本気になっちゃ駄目なんだから。それに陽毬に言ってなかったっけ、私は大ちゃんが好きなんだよ?」
私が首を傾げながら言うと、陽毬は目を剥いた。驚きからか、その声がちょっと大きくなる。
「はぁ!? まだそんなこと言ってるの? 大ちゃんって幼馴染のお兄さんのことでしょ?」
「そうだけど……」
彼女の言いたいことが分からないまま私が頷くと、陽毬は呆れたように溜息をついた。えっ何、どうかしたの?
「アンタのそれ、多分恋じゃないわよ」
「えぇっ、何で!?」
「だって千穂、その人に対してどう思ってるのよ」
問われて思わず瞬く。そんなこと、改めて考えたことなんてなかったな。ちょっと思案してしまう。
そして、私が導き出した答えは……
「……意地悪だけどたまに優しくて、一緒にいるのが楽しいお兄ちゃん的存在……?」
「……はぁ。あのねぇ、それ一緒に居すぎて愛情と恋情勘違いしてるだけでしょ。アンタのその気持ち、家族に対する気持ちとどう違うの?」
「えぇ……」
どう違うの、なんて訊かれても困る。今までそんなこと、考えてもみなかったし。ただ私はずっと、大ちゃんのことが好きなんだと思ってた。
「うーん……」
「恋ってそりゃ人によって色々あるだろうけど……でもアンタのそれは違う気がする」
「そう、なのかな」
「……まぁ、アンタの気持ちはアンタにしか分からないし、これはあくまで私の考えだけど。だからあんまり気にしすぎることないわ」
「陽毬……ありがと」
陽毬からしたらきっと、考えるまでもなく答えが出ることなんだろうな。それでも私の考えを尊重して、完全に否定したりしないでくれるのが嬉しい。ちょっとジーンときた。
「で、お相手のイケメンとはどんな感じなの?」
「どんな感じ、って言われても……別に普通だよ?」
「えぇー。恋人のフリしてるんでしょ? なんかこう、甘い雰囲気になったりしないの?」
うーん、甘い雰囲気って言ったって……。私は困って眉尻を下げる。
恋人のフリを始めてから二週間ちょっと経ったけど、実は私と叶多さんの関係はあんまり変わっていない。
もちろん恋人に見える様に努力はしてるし名前で呼び合うのも続けてるけど、相変わらず叶多さんとの間には距離を感じる。あまり触れたり触れられたりしないし、立ち入った質問もされない。多分私が叶多さんに深いことを尋ねても、はぐらかされて答えてもらえないだろう。
そう素直に伝えると、面白くないと唇を尖らされた。
♢♢♢♢♢♢
「結構遅くなっちゃったな……」
ショッピングモールからの帰り道。
陽毬と過ごすのが楽しすぎて、思ってたよりも遅くなってしまった。すっかり日は沈み、夜空には月が顔を覗かせている。
歩きながら思い返すのは、試着室での陽毬との会話だ。
ずっと昔から、大ちゃんのことが好きなんだと思ってた。
私にとって他の男の人と大ちゃんが違うのは確実だ。だから短絡的に「これが恋だ!」と思っていたけど、何で大ちゃんだけ特別なのかを考えたことはなかった。
もしかしたら陽毬の言う通り、大事な幼馴染だから特別なのかもしれない。
でももし仮にそうだとして、私にはそれを見極める術がないんだよね。
彼氏なんていたことないし、少女マンガよりも大ちゃんの部屋で少年マンガを読んで青春時代を過ごしてきた。恋愛に関する知識なんてほぼ皆無だ。
「恋、ねぇ……」
「あれ、もしかして千穂ちゃん?」
「わぁっ!」
び、びっくりしたびっくりしたびっくりしたーーーっ!!!
背後から唐突に掛けられた声に振り返ると、ラフな格好の叶多さんがいた。コンビニにでも行ってきた帰りなのか、手にビニール袋を持っている。
「叶多さん! めちゃくちゃびっくりしました……」
「あぁ、ごめんね。びっくりさせるつもりはなかったんだけど……。ところで千穂ちゃん、今から帰るところなの?」
「そうなんです。実は今日、大学のときの友達と遊んできて」
「そっか、仲良しなんだね」
にこにこと笑った叶多さんと並んで、なんてことない話をしながら歩く。
「千穂ちゃんの家はどっち? 送るよ」
「えぇっ!? そんな、申し訳ないです! 大丈夫です、一人で帰れますよ?」
「駄目だよ。大事な後輩を、こんな暗い中一人で帰らせられません。何かあったらどうするの?」
あ、叶多さん今、後輩って言った。
そうだよねぇ。普通にしてたら私、叶多さんが働くお店で一緒に働くただのバイトです。もちろん、恋人でも何でもない。
でもそんな相手にも叶多さんは気遣いを忘れない。ほんと優しいなぁ。こういうところがモテる要因なんだろう。
「すみません、ありがとうございます。じゃあ向こうの角の辺りまでお願いしてもいいですか? そこを曲がったらすぐなんで」
「そっか、分かった。じゃあそうするね」
頷いた叶多さん。指定した場所まではあっという間で、私は叶多さんに頭を下げて別れた。
それにしても、びっくりしたなぁ。私の恥ずかしい独り言、聞こえてなかったらいいんだけど。
なんて思いながら角を曲がろうとしたとき、そこにガラの悪い男の人たちが数人たむろしているのに気が付いた。
うわ最悪、不良じゃん。早く通り過ぎよう。
「あれ、オネーサン、こんばんわぁ」
「どしたの、こんな時間にー」
「ヒマしてんの? 何ならオレらと遊んでく?」
あっちゃぁ……声掛けられちゃったよ。無視無視。
でもそのまま足早に通り過ぎようとしたとき、急に目の前にヌッと人が立ちはだかって、慌てて私は足を止める。
しまった、立ち止まっちゃった。どうしようかと考える間もなく、目の前に立った男の人に馴れ馴れしく腕を掴まれた。
煙草の煙が顔に掛かって、思わず眉を顰める。
「離してください」
「えぇー、いーじゃん。オレら別に、やなことしないよ? 一緒に楽しいことしようよ~」
「しません」
言葉少なに拒絶するけど、手は解放されない。他の男たちもニヤニヤと下卑た笑いを浮かべて、私に近寄ってくる。
───怖い!
けれどそのとき、聞き慣れた声が背後からかけられた。
「悪いけど、彼女から手を離してくれる?」
え? この声……叶多さん?
後ろに目をやると、さっき別れたばかりの叶多さんが立っていた。肩で息をしている。
もしかして……気が付いて、追い掛けてきてくれたの?
「何だテメェ。カンケーねぇだろ、すっこんでろ」
「関係なくないよ、恋人なんだから」
睨む不良たちをものともせず、叶多さんははっきりと言い切った。そして私の方を向き、手を伸ばす。
「おいで千穂ちゃん。一緒に帰ろう?」
「叶多さん───」
私が腕を振り払おうともがくと、「チッ、男いんのかよ」と言って乱暴に突き放された。そのまま叶多さんの方によろけて転びそうになると、叶多さんが慌てて抱き抱えてくれる。
……もしかして、震えてる?
叶多さんを見上げると、心なしか顔色も悪い気がする。多分街灯のせいだけじゃない。
行こう、と促されて、何も言えないまま不良たちの前を通り過ぎた。
♢♢♢♢♢♢
不良たちの姿が見えなくなった途端、叶多さんはその場にしゃがみ込んだ。どう見ても具合が悪そう。ど、どうしよう。
「か、叶多さん、ありがとうございました。あの、大丈夫ですか……?」
「っは、ごめん……。ちょっとまって、もうすこししたら、たぶんおちつくから」
途切れ途切れに言う叶多さん。ちょっと迷った後、そっとその背中に手を添えた。ゆっくりと上下にさすってみたけど、叶多さんは拒絶しない。
そのまましばらくして、「ふぅ……」と叶多さんが大きく息をついた。だいぶ落ち着いたのか、顔色も幾分マシになったように見える。
「ごめんね、もう平気。千穂ちゃんも大丈夫?」
「私は叶多さんのお陰で何もなかったですけど……。叶多さん、どうかしたんですか?」
「ううん、何もないよ。大丈夫」
「嘘、何もないようには見えませんでした。……それとも、私じゃ話せませんか?」
ずるい言い方をしてるのは分かってる。案の定、叶多さんは言葉に詰まった。
それからちょっと困った様に視線を彷徨わせ───口を開く。
「笑わないでね?」
「もちろんです」
私が大きく頷くと、叶多さんは目を合わせないまま「……煙草」と呟いた。
「煙草、ですか?」
「うん。俺ね、───火が、駄目なんだ」
「火……」
「そう、火。……実は小さい頃、交通事故に合って。俺は、両親と車で弟を迎えに行く途中だったんだ。後から聞いたんだけど、飲酒運転の車に前からぶつかられたらしくてね。───車が、燃えた」
私は息を呑んだ。
そうか、そう言えば三条様にも聞いていた。事故で両親を亡くしたのだと。そのとき彼は、その場にいたんだ。
「辺りがオレンジ色に染まる中、助手席から母が俺に手を伸ばすんだ。熱くて痛くて苦しくて、でも俺は泣くしかできない子どもだった。……途中で気を失ったらしくて、目が覚めたら知らない真っ白な天井があったよ」
「叶多さん……」
「それからはもう、駄目なんだ。車も、火も。情け無いよね、こんな歳になってもトラウマが消えないんだ。たかが煙草の小さな火にさえ、平常心を保っていられない」
叶多さんは、寂しげに笑う。
「幻滅した? こんなの、残念すぎるよね。自分でも思うよ。すごく───嫌になる」
叶多さんは自嘲するように言って顔を伏せた。
私は思わず手を伸ばして、ギュッと彼を抱き締めた。これが初めてだ、ちゃんと叶多さんに触れるのは。
「幻滅なんて、する訳ありません。どんな叶多さんでも、叶多さんは叶多さんです。トラウマの一つや二つ、何ですか。そんなものがあってもなくっても、全然関係ありませんよ。───だからそんなに、自分で自分を否定しないでください」
意識してゆっくり言うと、おずおずと私の背中に腕が回された。そして少しずつ、そこに力がこもる。
「ほんとにそう、思う……?」
「もちろんです」
答えると、明確に彼の手に力が入った。
「千穂ちゃんは前も、同じことを言ってくれたよね」
「え、言いましたっけ」
「言ったよ。ムキムキの俺でもむちむちの俺でもいいんでしょ?」
あぁ、確かに言った。思い出した。叶多さんと妹尾さんに思いっきり笑われたよね。それにしても、叶多さんもよく覚えてたな。
「そうでしたね」
「今でもそう思ってる?」
「はい。太ってても痩せていても、トラウマがあっても怖がりでも強がりでも、全部ひっくるめて叶多さんです」
「───ありがとう」
叶多さんは私から離れると、花が綻ぶように笑った。キラキラと、夜空の星も霞むような笑顔が浮かぶ。
叶多さんは私の両手をとった。
「千穂ちゃん。これからもよろしくね」
そう言った叶多さんは、それはそれは麗しく微笑んだ。
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