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初めての遠征 その2
良い夜〜ダーティとディックの場合〜
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部屋に入ったダーティが鍵を閉めた瞬間。鳥籠の中から黒い影が飛び出した!
大男がダーティを壁際に追いやり片手を壁に突く。夢魔の瞳がギラギラと煌めきを帯び、女と見まごうほどの美男子を見下ろした。
まるで赤ずきんを追い詰めた狼のような構図だが……狼には赤ずきんを捕食する権利など無い。
甘く呼吸する狼の体に赤ずきんは腕を回す。すると猛獣の体が切なそうにブルリと震えた。
「随分我慢していたようだな」
追い詰められているはずの男は余裕たっぷりの声で訊ねる。
「当たり前だ。あの2人といたらマトモにアンタに触れられねえ」
「そうだな。……ラブ、せめて風呂に入らせてくれないか? 汗を流したいんだが」
というささやかな願いを一蹴し、ディックは更にダーティを追い詰める。
ダーティの両手を掴み壁へと押さえ込み、更に獲物の足の間に己の足を差し逃げられないようにした。
今までの空白を埋めるように、ディックはダーティへ官能映画顔負けの接吻の大雨を降らせる。
汗の臭いすら、この夢魔にとっては興奮材料でしかないようだ。
2人のとろけた吐息のみが1人部屋を支配し続ける。
「ダーティ……早く、アンタのが欲しい」
ディックはダーティの体に手を這わせズボンに手を忍ばせる。
既に強張り始めている欲望にディックは「ん……」と感嘆の唸り声を上げた。
「アンタも欲しいだろ? 俺のが……」
「あぁ。そうだな」
ダーティはディックの体に腕を回し、鍛えられた臀部を鷲掴みにした。
「ん゛っ」
「マトモにできてないんだ。今夜だけは……互いに満足するまで体を重ねようか」
「……ん♡」
「ではラブ……被虐性愛者のお前がいつまでも服を着て良いと思ってるのか?」
サファイアの瞳に冷酷な光が灯り、ディックは一瞬だけ怯んだ。
「……だな」
ディックはダーティの手から離れ、ジャケットのボタンに手をかける。
スルスルと布が擦れる音を立てながら自分で脱げる物を全て脱ぐ。
「いつも以上に窮屈そうだな」
ダーティは奴の下半身へ一瞥だけくれてやった。
確かにダーティの言う通りだ。格子状の貞操具の中で勃起させてしまっている為、タコ糸で縛られたチャーシューのように恥肉が貞操具からはみ出してしまっている。
「アンタが俺を煽るような事ばかりするからだ」
ダーティとの生活で身に付いたマゾとしての習慣なのだろう。何を言われてもなお両腕を背に回す体勢を崩さず、秘部を隠そうとしない。
「そうだったか?」
裏の無い言葉にディックは深く溜息を吐く。
あぁ、コイツは覚えていないんだ。フザけた会を開いて散々煽った挙句眠った事を……
「都合の良い頭してやがる」
「良いかラブ? 人間とは都合の良い生き物だ。その気になれば私はお前を捨てる事も、食べる事も……殺す事だってできる」
「できねえくせに」とディックは呟いた。
「だがもし、アンタが俺を飼えなくなったらその時は……俺を殺してくれ。それがアンタの飼い主としての最後の使命だ」
「毎回思うんだが……他の人間に飼われるか、野生に戻るかしないのか?」
「俺に抱かれてえって奴らは多かったが、俺を抱きてえって奴はそうそういねえ」
それを聞いたダーティはクスリと笑った。
「お前が抱かれる前提なんだな?」
「こんな体にされちまったんだ。もうマトモに攻めやれる気がしねえ」
「あぁ。そうだったな……初めて出会った時、お前は____」
過去に向いた意識を、ディックが凄みのある声で引き戻す。
「おい。今はそんな事どうでも良いんだ」
「ハハッ……そうだな」
ダーティはその場で膝を突き、ディックの恥部を下から上へとなぞるように舌を這わせる。
「……っ」
それだけでディックは表情を歪めた。
熱を帯びた鉄の檻で囚人が暴れ出し、ギチギチと音を立て始める。
そして我慢の証が滴り落ち、床を汚してしまった。
「あーあ……後で片付けろよ?」
と上目遣いで命じる様はまさに帝王。
「……わかってる」
フーッ♡ フーッ♡ と苦しそうに呼吸し、帝王のオモチャはひたすら耐え続けるしかなかった。
***
「あ……あのっ、ダーティ……」
お飾りへの責めを耐え抜き熱を帯びたディックの声が、防音の魔道具が置かれた部屋の静寂を破った。
ディックは今、硬い床の上で四つん這いになり、無防備な窄まりをダーティに解されているのだ。
2本の指で、ディックが悦ぶよう激しい手つきで肉壁を温めてゆく。
「解さなくて……いいから……っ」
肉茎からマゾ汁が1滴垂れた。
「早く……アンタのを____」
「挿れてくれ」という言葉は、ディックを襲った鈍痛によりかき消された。
ダーティが空いている手で、パンパンに張った肉袋を鷲掴みにし乱暴に握り締めたからだ。
限界を超えて膨れ上がった2つの玉が、ダーティの指の間からピョンと逃げ出す様は何とも不恰好である。
「お゛っ!! ん゛ゔぅゔぅぅッ!!」
男にしか理解できない激痛に悶えディックは獣の如き咆哮を上げた。
「黙って尻を突き出していろ! それとも……もっと痛い目に遭いたいか?」
「……あぁ」
ディックは顔を青ざめさせ額に脂汗を浮かべながらも、口元に笑みを貼り付けながら続けた。
「もっと……もっと痛えのをくれよ!」
それを聞いた途端ダーティは邪悪な笑みを浮かべて指を引き抜いた。
そしてマゾのだらしなくぶら下がった肉の玉へ、思い切り張り手を喰らわせた!
パァン! という快音が部屋中に響き渡る!
「お゛っ♡♡♡」
一際大きく鳴いたディックは、張り手に押し出され少量の精を吐き出した。
ダーティは力一杯大男の体を押し体勢を変えてやった。
仰向けにさせ股を大きく開かせるという夢魔にふさわしい姿にすると、革靴を履いたままの足で思い切り奴の睾丸を踏み潰した!
「ん゛お゛お゛ぉぉぉぉぉッッ♡♡♡」
演奏家に踏み潰された楽器は一際残酷な調べを奏でる。
「こんな事をされても喘ぎ悦ぶのだから救いようがない!」
まるでタバコの火を揉み消すようにグリグリと靴底を押し付けながら、「あぁ、あぁ!」とダーティは感嘆の声を上げる。
既に彼は体の一部を強張らせ、女々しい雄を更に女々しくする準備を済ませている。
「セーフワードを忘れた訳じゃないだろう!? それなのにラブ、お前は夢魔にとって最も大切な器官を奪われ、踏み躙られても、その言葉を言おうとしない! お前の言う通りだ、お前のような被虐性愛者、正しく飼える人間などそうそういない!」
「お゛っ……俺も。アンタ以外に飼われるのを想像でぎい゛ぃい゛ぃぃぃッッ♡♡」
端正な顔を涙でめちゃくちゃにしながら、ディックはまたすずめの涙程度の精を漏らしたのだった。
***
「あ゛っ……あ゛ぁ……あ゛……♡」
喘ぎながら床に突っ伏しているディックの睾丸は真っ赤に染まり、2倍ほどに膨れ上がっている。どうやら美青年に相当虐められたようだ。
ダーティが肉玉に指の腹を這わせると、ディックは「ん゛ぅっ♡」と呻いて痛がった。
「さて……楽しんだ所でそろそろ____」
とようやくダーティが衣服を脱ごうとした所で……ハッとして顔を上げた。
演奏家の耳が確かに捉えたのだ。若い女性の、絹を裂くような悲鳴を……
「……ラブ」
「ん」
「今、女性の悲鳴が聞こえなかったか?」
「確かに聞こえたな」
「……っ!」
ダーティは悲鳴を無視できず、相棒を置いてけぼりにして部屋を出て行った。
「お、おい! ……ったく」
ディックはのろのろと起き上がり必要最低限の物だけ身に纏うと、黒い霧となり空に消えた。
大男がダーティを壁際に追いやり片手を壁に突く。夢魔の瞳がギラギラと煌めきを帯び、女と見まごうほどの美男子を見下ろした。
まるで赤ずきんを追い詰めた狼のような構図だが……狼には赤ずきんを捕食する権利など無い。
甘く呼吸する狼の体に赤ずきんは腕を回す。すると猛獣の体が切なそうにブルリと震えた。
「随分我慢していたようだな」
追い詰められているはずの男は余裕たっぷりの声で訊ねる。
「当たり前だ。あの2人といたらマトモにアンタに触れられねえ」
「そうだな。……ラブ、せめて風呂に入らせてくれないか? 汗を流したいんだが」
というささやかな願いを一蹴し、ディックは更にダーティを追い詰める。
ダーティの両手を掴み壁へと押さえ込み、更に獲物の足の間に己の足を差し逃げられないようにした。
今までの空白を埋めるように、ディックはダーティへ官能映画顔負けの接吻の大雨を降らせる。
汗の臭いすら、この夢魔にとっては興奮材料でしかないようだ。
2人のとろけた吐息のみが1人部屋を支配し続ける。
「ダーティ……早く、アンタのが欲しい」
ディックはダーティの体に手を這わせズボンに手を忍ばせる。
既に強張り始めている欲望にディックは「ん……」と感嘆の唸り声を上げた。
「アンタも欲しいだろ? 俺のが……」
「あぁ。そうだな」
ダーティはディックの体に腕を回し、鍛えられた臀部を鷲掴みにした。
「ん゛っ」
「マトモにできてないんだ。今夜だけは……互いに満足するまで体を重ねようか」
「……ん♡」
「ではラブ……被虐性愛者のお前がいつまでも服を着て良いと思ってるのか?」
サファイアの瞳に冷酷な光が灯り、ディックは一瞬だけ怯んだ。
「……だな」
ディックはダーティの手から離れ、ジャケットのボタンに手をかける。
スルスルと布が擦れる音を立てながら自分で脱げる物を全て脱ぐ。
「いつも以上に窮屈そうだな」
ダーティは奴の下半身へ一瞥だけくれてやった。
確かにダーティの言う通りだ。格子状の貞操具の中で勃起させてしまっている為、タコ糸で縛られたチャーシューのように恥肉が貞操具からはみ出してしまっている。
「アンタが俺を煽るような事ばかりするからだ」
ダーティとの生活で身に付いたマゾとしての習慣なのだろう。何を言われてもなお両腕を背に回す体勢を崩さず、秘部を隠そうとしない。
「そうだったか?」
裏の無い言葉にディックは深く溜息を吐く。
あぁ、コイツは覚えていないんだ。フザけた会を開いて散々煽った挙句眠った事を……
「都合の良い頭してやがる」
「良いかラブ? 人間とは都合の良い生き物だ。その気になれば私はお前を捨てる事も、食べる事も……殺す事だってできる」
「できねえくせに」とディックは呟いた。
「だがもし、アンタが俺を飼えなくなったらその時は……俺を殺してくれ。それがアンタの飼い主としての最後の使命だ」
「毎回思うんだが……他の人間に飼われるか、野生に戻るかしないのか?」
「俺に抱かれてえって奴らは多かったが、俺を抱きてえって奴はそうそういねえ」
それを聞いたダーティはクスリと笑った。
「お前が抱かれる前提なんだな?」
「こんな体にされちまったんだ。もうマトモに攻めやれる気がしねえ」
「あぁ。そうだったな……初めて出会った時、お前は____」
過去に向いた意識を、ディックが凄みのある声で引き戻す。
「おい。今はそんな事どうでも良いんだ」
「ハハッ……そうだな」
ダーティはその場で膝を突き、ディックの恥部を下から上へとなぞるように舌を這わせる。
「……っ」
それだけでディックは表情を歪めた。
熱を帯びた鉄の檻で囚人が暴れ出し、ギチギチと音を立て始める。
そして我慢の証が滴り落ち、床を汚してしまった。
「あーあ……後で片付けろよ?」
と上目遣いで命じる様はまさに帝王。
「……わかってる」
フーッ♡ フーッ♡ と苦しそうに呼吸し、帝王のオモチャはひたすら耐え続けるしかなかった。
***
「あ……あのっ、ダーティ……」
お飾りへの責めを耐え抜き熱を帯びたディックの声が、防音の魔道具が置かれた部屋の静寂を破った。
ディックは今、硬い床の上で四つん這いになり、無防備な窄まりをダーティに解されているのだ。
2本の指で、ディックが悦ぶよう激しい手つきで肉壁を温めてゆく。
「解さなくて……いいから……っ」
肉茎からマゾ汁が1滴垂れた。
「早く……アンタのを____」
「挿れてくれ」という言葉は、ディックを襲った鈍痛によりかき消された。
ダーティが空いている手で、パンパンに張った肉袋を鷲掴みにし乱暴に握り締めたからだ。
限界を超えて膨れ上がった2つの玉が、ダーティの指の間からピョンと逃げ出す様は何とも不恰好である。
「お゛っ!! ん゛ゔぅゔぅぅッ!!」
男にしか理解できない激痛に悶えディックは獣の如き咆哮を上げた。
「黙って尻を突き出していろ! それとも……もっと痛い目に遭いたいか?」
「……あぁ」
ディックは顔を青ざめさせ額に脂汗を浮かべながらも、口元に笑みを貼り付けながら続けた。
「もっと……もっと痛えのをくれよ!」
それを聞いた途端ダーティは邪悪な笑みを浮かべて指を引き抜いた。
そしてマゾのだらしなくぶら下がった肉の玉へ、思い切り張り手を喰らわせた!
パァン! という快音が部屋中に響き渡る!
「お゛っ♡♡♡」
一際大きく鳴いたディックは、張り手に押し出され少量の精を吐き出した。
ダーティは力一杯大男の体を押し体勢を変えてやった。
仰向けにさせ股を大きく開かせるという夢魔にふさわしい姿にすると、革靴を履いたままの足で思い切り奴の睾丸を踏み潰した!
「ん゛お゛お゛ぉぉぉぉぉッッ♡♡♡」
演奏家に踏み潰された楽器は一際残酷な調べを奏でる。
「こんな事をされても喘ぎ悦ぶのだから救いようがない!」
まるでタバコの火を揉み消すようにグリグリと靴底を押し付けながら、「あぁ、あぁ!」とダーティは感嘆の声を上げる。
既に彼は体の一部を強張らせ、女々しい雄を更に女々しくする準備を済ませている。
「セーフワードを忘れた訳じゃないだろう!? それなのにラブ、お前は夢魔にとって最も大切な器官を奪われ、踏み躙られても、その言葉を言おうとしない! お前の言う通りだ、お前のような被虐性愛者、正しく飼える人間などそうそういない!」
「お゛っ……俺も。アンタ以外に飼われるのを想像でぎい゛ぃい゛ぃぃぃッッ♡♡」
端正な顔を涙でめちゃくちゃにしながら、ディックはまたすずめの涙程度の精を漏らしたのだった。
***
「あ゛っ……あ゛ぁ……あ゛……♡」
喘ぎながら床に突っ伏しているディックの睾丸は真っ赤に染まり、2倍ほどに膨れ上がっている。どうやら美青年に相当虐められたようだ。
ダーティが肉玉に指の腹を這わせると、ディックは「ん゛ぅっ♡」と呻いて痛がった。
「さて……楽しんだ所でそろそろ____」
とようやくダーティが衣服を脱ごうとした所で……ハッとして顔を上げた。
演奏家の耳が確かに捉えたのだ。若い女性の、絹を裂くような悲鳴を……
「……ラブ」
「ん」
「今、女性の悲鳴が聞こえなかったか?」
「確かに聞こえたな」
「……っ!」
ダーティは悲鳴を無視できず、相棒を置いてけぼりにして部屋を出て行った。
「お、おい! ……ったく」
ディックはのろのろと起き上がり必要最低限の物だけ身に纏うと、黒い霧となり空に消えた。
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