the last one 〜最後の一匹〜

パレット太郎

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4話 猫を修道院に連れて行っても、猫のまま

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ミケは、マチルダのパートナーだった。

マチルダ…………

ピークの嘗ての恋人。

スパイ同士の恋。

騙し騙されの世界で、唯一愛したマチルダ…………

彼女は…………
三重スパイだった。

味方の國から潜入した北方の國、更に母方の母国である北欧の國…………そこが彼女の拠点であった。

俺もまた、騙されていた…………

まぁ、俺から言わせれば二重も三重も変わりねぇ。

それよりも彼女を、愛していたから。

ある日、彼女はミッションを実行する為に、ミケを部屋に置いて出て行った。今日のミッションは表向きの銀行員を装って、証券会社の配置、間取りを確認するものであった。裏ではドラッグを売買している……そういう噂は俺の耳にも聞こえていた。
 
ミケの頭をクシャっと撫でて、マチルダは部屋を出て行く。建物脇にある駐車場に止めている、いつものスチームパンク風のルーアンヴァンに乗り込む。

車体側面に蒸気排気口が並び、走るたびに白煙を吹く。真鍮と黒鉄で組まれた外装、リベット打ちの重厚デザイン。内部は石炭+蒸気+試験的エーテル燃料で動くハイブリッド。音は「キュルルルッ……シューーーッッ!!」っていう独特の走行音…………

その音が鳴った瞬間、
ルーアンヴァンは、爆発、大破した。

全ては、バレていたのだ。三重スパイ。マチルダは知らない。味方の國と、北方の國、そして北欧の國が、

グルであった事を。

そうなれば既にスパイの意味を成していない。
これはマチルダだけでなく、全諜報員に言える事だ。

汚れた國同士が手を取り合う。
1番、起きてはならない、
事が歪んだ政治というその名の元に、
御御旗を掲げ始めたのだ。

ピークは、マチルダとの思い出を回想する。

何をするでも無くベッドで戯れ…………
たまにミケが、邪魔しに来て…………
夕刻に食材を買って、ワインを呑む。
何気ない生活が、愛おしくて……

膝の上に乗るミケ。

こいつも、思う所はあるんだろうなぁ…………

俺は何も知らないフリを続ける…………

呑む酒が、苦い…………

…………………………
猫を修道院に連れて行っても、猫のまま」(エチオピア)
意味:本質は変わらない。
例:どんな環境でも、彼は猫のままだね、変わらないよ。
…………………………
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