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第6章 お披露目祭り

波乱のお披露目会 #2

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 アミィール様の唇を奪う者は誰も許さない。しかし、森の妖精神は1番の推しだった……………これは、喜べばいいのか?百合展開は求めてないんだが…………?




『何ぼーっとしてんだよ、お前はこっちだ』


 「は?…………!」




 セオドアが声に振り返ると___オレンジ色の刈り上げ、たくさんのピアスがついた福耳、金色の瞳、4本の腕の太陽神・ドゥルグレが、唇を重ねてきた。


 このことにはセオドアもパニックに陥る。


 は!?は!?


 何されてんだ俺!?



 そんなセオドアの心など知らないと言わんばかりにオレンジ色の魔法陣が生まれる。リーファの時のようにオレンジ色の光が_____手の甲に流れ込んだ。セオドアは顔を歪める。



 熱い!なんだこれ!?さっきから何が起きてるんだ!?



 勿論、これを見たアミィールが黙っているはずもなく。



 「ッ、セオ様!

 太陽神!なんのつもり!?」


『契約印だよ。お前の親には借りがあるからな、喜べ!』



 「…………殺す、殺しますわ、ダーインスレイヴ」



 「あ、アミィール様!およし下さい!」






 _____こうして、急遽慌ただしくなったお披露目会は終わったのだった。






 *  *  *





 「………………………………」



 「………………………………………」






 お披露目会が終わった後、サクリファイス大帝国に向かう馬車内には沈黙が流れていた。



 セオドアはちら、と向かいに座るアミィールを見る。アミィールは___セオドアを見ていた。


 め、目が合ってしまった…………!この空気の中目が合うのはよくない。

 セオドアは目をそらす。右手の甲には____オレンジ色の契約印。俺は、太陽神・ドゥルグレと契約を…………したらしい。


 先にサクリファイス大帝国に帰ってしまったアルティア皇妃様は『私とラフェエルみたいな主従関係だよ!』と満面の笑みで言っていた。つまり、俺は無理矢理太陽神の主人になってしまったのだ。




 それは、………まあいい。まだいい。キスは嫌だったけど、まだいい。だけど、そのキスによって嫉妬が強めのアミィール様がお怒りになるのはよくない。


 しかし。


 アミィール様は俺を怒れないでいるのは____自分も、森の妖精神・リーファに同じことをされたからだ。



 「…………セオ様」


 「は、はい!」



 突然呼ばれて肩が跳ねた。な、何を言われ「……………ごめんなさい」…………え?



 アミィール様は目を伏せて、今にも泣きそうな顔をした。


 「わたくし、セオ様以外とキスをしてしまいました……………わたくしは、穢れてしまったのです…………」



 「そ、そんなことはありません!」



 突然の謝罪に、身体が勝手に動いた。椅子から立ち上がり、アミィール様の隣に来て抱きしめる。


 そんなこと言ったら、俺だって…………




 「私だって…………ドゥルグレ様に、唇を………………」



 「……………ッ、セオ様!」



 「んっ!」




 アミィール様はがば、と顔を上げて唇を重ねてきた。アミィール様が積極的に唇を何度も重ねてくる。…………嬉しくて、俺もそれに答えた。



 何度もそれを繰り返して____唇が痛くなってきた頃に、銀の糸を引いて離れた。


 アミィール様は息を荒らげ、涙を流しながら俺を見る。



 「…………セオ様の唇の消毒、終わりました。わたくしのセオ様にキスをした太陽神など嫌いです…………」



 「ッ…………アミィ……………」




 セオドアは優しく、でも力強く抱き締めた。……………本当に、いつもかっこいいのにこういう所が女の子で……………好きすぎる。






















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