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第21章 元龍神の末裔の『呪い』

"龍神の住処"・アトランティス

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 「…………ここは………」



 ラフェエル皇帝と共に浮遊魔法・フライの魔法で来た場所は___ゴツゴツとした山のような場所だった。上空から見た時、RPGゲームによくある大空洞のような場所。その場所に___小さな穴があった。防御魔法のような膜が張ってある。



 降り立ってすぐにラフェエル皇帝はその穴に近づき、言葉を紡いだ。




「___龍神の住まうアトランティス、我の訪問を許し給え」





 その言葉にパリン!と音を立てて魔法が砕け散り、質素な作りの通路が顕になる。そこで、ラフェエル皇帝様は俺を見た。



 「行くぞ」


 「___この先に、アミィール様はいらっしゃるのですか」


 「ああ。___ここが、"龍神の住処"・アトランティスだからな」

 「………!」


 ラフェエル皇帝様はそれだけ言って、中に入っていく。俺も急いで続いた。

 ラフェエル皇帝様が小さな炎魔法を指先の上に浮かせて進む。単純な作りの通路を渡り切ると、螺旋階段があった。かなりの距離がある。


 セオドアは前を歩くラフェエルに聞いた。


 「龍神の住処、とはなんですか?」


 「____此処は、元々龍神が住んでいた。重要国家機密だから知るものは少ない。


 アルティアの故郷でもある」


 「………アルティア様の、故郷…………」



 そう言われて、周りを見渡す。灰色と黒しかない、ゴツゴツした色気のない場所だ。人が住める場所ではない。………それが、アルティア様が人間でないことを現しているようで、悲しかった。


 暗い顔をしているセオドアに、ラフェエルは歩きながら淡々と言葉を紡ぐ。



 「龍神は此処を根城にしていた。第1皇太子は此処で死ぬ運命だった。………歴史が深いから壊してはいない。

 それに、アミィールの身体が暴走したのなら野放しには出来ないからな」



 「……………暴走?」




 そう聞き返した頃には、旋階段を下り終えていた。再び、単純な構造の通路……だけど、先程の通路とは違い、空から日差しが漏れている。吹き抜けになっている。


 ラフェエル皇帝は空を見上げながら言う。


 「____アルティアもそうだった。最も、アイツの場合は龍になって暴れたりはしなかったが………お前も見たのではないか?禍々しい黒い光を」


 「___!ラフェエル皇帝、何か知っているんですか!」



 俺は大きな声で聞いた。今にも掴みかかりそうになる。でも、それをしなかったのは………振り返ったラフェエル皇帝様が、悲しげな顔をしていたから。



 「その黒い光は___『呪い』だ」


 「『呪い』…………?」 




 正直、俺は『呪い』と『代償』の区別がついていない。『代償』というのはアルティア皇妃様が1度死んで復活したことにより身体が脆くなっている、だから定期的に意識を失い熱を出す、というものだ。


 けど、それと『呪い』は違うのか………?
 確かに、『代償』の話を聞いた時『初代龍神にサクリファイス大帝国の国民が呪いをかけた』とは言っていたが………



 頭をフル回転させて考えるセオドアに、ラフェエルは昔話を聞かせるような口調で、口を動かした


 「___初代龍神は、元々……人間達の争いで生まれた死者達の思い……"亡者の思い"の塊だ。人間の浅ましい魂が生み出した代物。初代龍神は生き物ではない、故に不死の生き物だった。

 その身体でたくさんの人間を屠った。それを止めようとしたのが___私達の先祖、ゼグスだ」


 「ゼグス………って、星の妖精神様ですか?」




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