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第3章 森の妖精神と次期龍神
森の妖精神に愛されし姫の特性
しおりを挟む「はぁ……………………………………」
人気のないテラス、私はスケルトを解除して手すりに寄りかかる。髪飾りを取ってくしゃ、と髪をかきあげた。
シースクウェア大国の歓迎パーティでも思ったけど、やっぱり私はこういうパーティ好きじゃない。どの言葉もお世辞と嘘に塗れてる気がしてならない。前世で令嬢系小説を見てたイメージが焼き付いてしまっているのかもしれない。…………どっちでもいいけど、嫌い。
「はーーー、早く終わらないかなあ。寝たいなあ」
「アルティア様は、お疲れですか?」
「うわぁっ!」
突然声を掛けられて肩が跳ね上がる。見ると___白を基調としたドレスを身に纏い、両手にグラスを持ったエリアスが立っていた。エリアスはすぐに頭を下げた。
「も、申し訳ございません!驚かせてしまい申し訳ございません!勝手にお名前を呼んでしまい申し訳ございません!」
「い、いやいやいや!それは全然いいよ!怒ってないよ!………っていうか!なんでいるの!?」
私は慌てて頭を下げるエリアスに近づいた。エリアスは頭を下げ、たどたどしく言う。
「えっと………………、会場にいるアルティア様は魔力が少なかったので………………それに、透明なアルティア様がこちらに行くのが見えて…………………それで……………」
「え………………………?」
予想外の答えに呆然とした。ドッペルゲンガーを何度も使っているけど、ガーランド以外にバレたことはない。スケルトも同じだ。アトランティスに居るリングもカイテルも透明化した私を見つけられなかった。かくれんぼの時多用していたし、バレない自信があるからこそ実用してるし…………………いや、そんなことよりも。
「………………エリアスさん、あなた、魔力が見えるの………………?」
昔、ガーランドに魔力の可視化をしてみろと言われたことがある。楽勝と思って試して見たけど、全然できなくて。そんな私にガーランドは言ったんだ。
『いくらアルでも魔力の可視化は出来ないんだね。でもね、世の中にはごく稀にそれができる人間が居るんだよ。凄く希少な力なんだ。
魔力が見えれば相手がどのくらい強いのかわかるし、もっと言えば伏兵が潜んでいても魔力が見えてるから上手に隠れてもバレるんだよ?
ちなみに我はできるぞ!ははは!』
…………………最後のムカつく一言までしっかり覚えている。この話が本当だということは……………エリアスって凄くない!?
「エリアスさん!!!」
「は、はい!?」
私は思わず彼女の肩を掴む。グラスに入ったシャンパンっぽい飲み物が揺れるけどそんなのどうだっていい。
「あなた、とっても凄いわ!」
「え、え?」
「魔力の可視化なんてそうそうできるものじゃない!とても恵まれてるのね!」
「あ、ええと……………………そんなに褒められると、照れます…………………」
かぁ、と紅くなるエリアス。なんだこの可愛い生き物は。オドオドしてるイメージが強いけど、エリアスはやっぱり美人だ。というか可愛い?可愛い生お姫様だ………………
自然と拝むポーズを作る私に戸惑いながら喉が乾いていませんか?とシャンパンっぽい飲み物を差し出すエリアス。私はそれを受け取った。可愛い子から頂いたありがたい飲み物、飲ませて頂きます。
くい、と一口。しゅわしゅわでちょっと苦い。……………ていうか、私初めてお酒飲んだかも。20超えてないけどいいのかな?いや、でもここは異世界だし守るのも変?と、それは置いといて。
「ありがとう、喉が潤うわ」
「喜んでいただけたならよかったです。…………あの、もしかして、パーティはあまり好きではないのですか?」
「……………うん。私、こういう場、嫌いみたい。というか人間と話すのが得意じゃない、かな。
私とラフェエルは仮初の婚約者なのに、婚約者として振る舞わなきゃいけないとか、そうじゃなくとも言葉に裏があるんじゃないかって勘ぐって素直に受け取れなくて…………私の知らないラフェエルの話を聞いて………でも、私がちゃんとしないとラフェエルの評価を下げちゃうかもしれないでしょ?だから必死に取り繕って………
それが、ちょっとだけ辛い」
初めて飲んだお酒のせいか、はたまたエリアスが話しやすい相手だからか………思いのほか口が回る。
「___アルティア様はラフェエル殿下の事がお好きなんですね」
「え」
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