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第5章 聖女、聖の精霊と次期龍神
聖女の挑発
しおりを挟む龍神の言葉に、私は怯む。
その言葉は完璧なヒロインである私が1番言われたくない事だった。
聖女で、養子だけど皇女で、顔面偏差値の高い男達に狙われるこの私が使役する聖の精霊・カーバンクルはとても強い聖の魔法を宿してるけど____見た目がとっても、格好悪い。
リスって…………リスってなに……………?
カーバンクルといえばさ、小さくて可愛くて………って言うのが相場なのに、もはや怪獣なのである。顔はなかなかに可愛いけれど、とてつもなく格好悪いのだ。
でも!
「見た目に惑わされるなんて愚かよ!カーバンクルはとっても強いんだからッ!」
「あー…………はいはい、わかりました。でも私はこんな弱そうな見た目の生き物と戦う気にはならないわ。
大人しく降参してくれない?することしてくれたらもう関わらないわ」
女はそう言って魔法を唱えすらしない。完全になめている。腹が立った。
「…………あらあらあらあら、ビビってるんですかぁ?実は龍神って言うのは嘘で、ラフェエル様を誑かしたのでは?ラフェエル様はとってもイケメンですし?その身体と顔で惑わすなんて下劣な女ですねえ?やはりあなたにラフェエル様は相応しくないのですよ。おわかりですか?」
『な、フラン様、おやめ下さい………!』
負け惜しみのような言葉を並べているとカーバンクルが私の言葉を遮って守るように大きな手で隠した。
『この御方は本当に、本当に龍神です、とっても恐ろしい力を持った……………!"隠された真実"に関わる御方で……………』
「そんなもの知らないわよ。だって私は見てないもの。そうやってラフェエル様を誑かす悪女から救う為に私は無理やり契約解除の儀を行ったんですわ!最高でした、あのクールなラフェエル様の驚く顔、怯えた顔、眠る時に見せた悔しそうな顔…………………今思い出してもうっとりしてしまうわ……………!
これから龍神とやらを始末して、ラフェエル様を起こして………………私色に染めて差し上げないと…………それこそ、私がいないと何も出来ないダメ男に…………………ここに監禁してもいいわ、媚薬やありとあらゆる道具を駆使して、私の虜にして差し上げるのです……………嗚呼、考えるだけでドキドキしてしまいますわ…………………
そうだ、ラフェエル様にも龍神が死ぬところを見せて差し上げなければ………………フライ」
私は浮遊魔法を唱えた。寝ているラフェエル様を無理やり浮かせてステンドグラスに貼り付けた。すやすやと寝ているお姿も美しいのですから、罪な御方_____「……………………るな」………………?
「…………………!」
ラフェエル様を眺めていると、小さな声が聞こえた。声のした方を見ると______龍神の黒髪が宙に浮いていた。黒い粒子を纏い、黒い光を発している。黄金色の瞳がこれでもかというぐらい見開かれてて……………………猫の瞳のように光っていた。
「ふざ……………けるなあ!!!」
「きゃあっ!!」
『フラン様!』
室内であるにも関わらずゴオッ、と強風が吹いた。立ち込める黒い光_いえ、魔力?_を纏って下を向いたまま、龍神は言った。
「私の居ない時にラフェエルを攫い、手を加え、あまつさえ私利私欲の為に苦しめるとこの私に向かっていう………………………?この私をここまで侮辱するなんて…………………………
________覚悟は、出来てるわよね?」
「_____!」
ゆらり、顔をあげた。
黄金色の瞳が____妖しく、美しく光っていた。
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