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最終章 We are Free !
元次期龍神"復活の儀"
しおりを挟む『その契約印が残っているということは、アルティア様の魂は未ださ迷っているということなのです』
森の妖精神・リーファは静かにそう言う。氷の精霊・シヴァも言葉を重ねた。
『龍神の血と魂は特殊でな、思いが残るのと同じように、身体が四散した状態でも魂さえあるなら身体ごと復活できるんだ。
そうだろう?ハデス』
『ああ。本当に迷いが無いなら契約印は消えているはず。あるということは、そういうことなのだろう』
死神・ハデスは金色の目を伏せて静かに言う。
原理など今はどうでもいい。
アルティアが生き返るのなら生き返らせたい。
ラフェエルは縋るようにハデスに詰め寄った。
「その方法を教えろ!今すぐにだ!」
『焦らないで…………っていいたいけど、焦っちゃうよね、実際早くしないと復活出来なくなっちゃうし』
水の精霊・アクアは悲しげな顔をしてそう言った。そんなアクアを海の妖精神であるマリンがぽんぽん、と頭を軽く叩いてやりながらラフェエルを見た。
『方法はひとつ、その右目に私達全員の魔力を注ぎ込むの。契約印は契約者と繋がっているわ』
『……………だが、……………人間がその身に受けるのは、死ぬよりきつい』
闇の精霊・ケルベロスは拙い言葉でそう言う。聖の精霊・カーバンクルも同じようにたどたどしく言葉を紡いだ。
『それに、これは伝承で……成功した人を僕は見たことなくて………』
『………………そういう賭けに近い方法だ。
それでも、お前はやれるのか?』
土の精霊・グランドはラフェエルに尋ねた。ラフェエルは睨みつけるように見据えて口を開く。
「私はやれる。…………必ず、アルティアを復活させるんだ」
「だよな、ラフェエルならそういうと思った」
クリスティドはそう言ってラフェエルの肩を抱く。その横で杖を抱き締めるエリアスもこくこくと頷く。
「ラフェエル様ならきっと出来ます!」
「………… 私は、お止めしたいですが…………聞き入れて、貰えないでしょう」
リーブは目を閉じながらそう述べた。ガロはぎゅ、とラフェエルの足にひっつく。
「ラフェさん、アルさま、助けて」
「当たり前に助けますよね?お姫様が待ってますよ!乙女的展開!アリです!」
フランはぐっ、と親指を立てて意味不明なことを言う。
……………私は、恵まれているな。
そして、アルティアも。
そう思うと自然に笑みが零れた。
そして、その顔で神々を見た。
「_____神々、そして精霊よ、……………私に力を授けてくれ」
『……………ふぅん、本当に助ける気なのね。いいわ、協力してあげる。
じゃあ、私から。少し屈んで』
ラフェエルは言われたとおり膝を着いた。マリンは右目に手を当てる。
『いい?今から魔力を送るわ。絶対気絶しちゃダメよ、契約印が消えちゃうから。………最後まで耐えなさい。
___海の妖精神・マリン=ユートピア=ネプチューンはアルティア=ワールド=ドラゴンの復活を願うわ』
マリンがそう言うと、藍色の魔力がラフェエルの右目に流れ込む。
「………………っ」
右目に激痛が走った。身体にも痛みは巡り、微かに震える。1度受けただけでも意識が途切れそうになる。
しかし。
それをしてしまったら、アルティアは蘇らない。ラフェエルは歯を食いしばった。
「………………次」
『じゃあ、僕がやる!ちゃんとアルティアを救ってね!
水の精霊・アクア=ユートピア=ネプチューンはアルティア=ワールド=ドラゴンの復活を願うよ!』
水色の魔力が右目に浸透していく。これも痛い。…………まだまだ、居る。気を引き締めろ。
「………次」
ラフェエルは黒い契約印を光らせた。
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