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最終章 We are Free !
エピローグ
しおりを挟む______私達は、運命から開放された。
ラフェエルは"死ぬ運命"を。
私は"不自由な運命"を。
勿論、それで物語が終末する訳では無い。
これは現実なのだから、明日も明後日も、私達の運命は変わっていく。
これは終わりじゃない、始まりなのだ。
新たな始まり。
_____私の願いは"自由"、"普通の幸せ"だった。
新たな称号・"皇帝の妃"が自由なのかはわからない。
皇帝の妃が"普通の幸せ"だとは思えない。
面倒臭いことも、覚えなきゃいけないことも沢山あるから、自由とか幸せとか考える余裕はないのかもしれない。
でも。
「………………アル」
裸で抱き合うアルティアとラフェエルは、カーテンから漏れる月明かりに照らされている。
お互いの顔には前のような悲しみも、絶望もない。あるのはただの、お互いを慈しみ、思いやる"愛し合う男女の顔"である。
「アル、…………アルティア、私はお前を一生____愛する。
この命を捧げて誓おう」
「馬鹿、そうじゃないでしょう?
____私達はもう命を捧げあわなくても、ずっと居れるんだから。
ラフェー………ううん、ラフェエル。
私も、貴方を一生愛しましょう____」
2人は、どちらとも言わずに唇を重ねる。
____私達は、"お互いを愛し合う自由"を手に入れた。
悲しいことは沢山あった。
苦しいことは沢山あった。
でも。
それは全て無駄じゃない。
全部全部、私達には必要だったことだった。
そして。
私達は、これから"夢見ることができなかった明日"を生きるんだ______。
愛し合う2人を優しく見守る満月は、とても美しく静かに輝いていた。
____これは、悪役令嬢でもヒロインでもなく、世界征服していた龍神に転生したアルティアと、
_____龍神に与えられた宿命から逃れられなかったラフェエルが、
世界の常識を壊して、愛する人と結ばれた物語である_______
Fin.
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