きっとこれは、パステルカラーの恋愛だろう

水澤玲音

文字の大きさ
34 / 36
第1章 誘拐事件編

33話 絶対に救う

しおりを挟む
  激しい雨と風が吹く中、学校から出た俺は走っていた。矢澤先生と玲奈がいる場所までは10キロ近く離れている。俺は今までに無いくらいに走った。信号が赤の時に途中で悠一からもらったエナジードリンクの存在を思い出し、一気に飲み干した。そのおかげか分からないが疲労が吹き飛び、再び全力で走れるようになった。目的地が視界に入り、もう少しで着きそうになった時に、ほとんど休み無しでさすがに疲労が体に溜まって足が止まりそうになったが、俺は「ここでゆっくり走るな。ここで妥協すると救えたものも救えなくなるぞ」と自分に喝を入れて、最後の力を振り絞って走るペースを上げた。
  何とか目的地についた俺は林の中を探しまわった。すると、林の奥に古いコテージみたいな建物があった。俺は気配を消して窓から覗いて見るとそこには玲奈と矢澤先生の姿があった。俺は窓ガラスを近くにあった石で割り、すぐに移動して正面のドアを蹴り破った。俺が建物に入った瞬間、玲奈に名前を呼ばれた。
俺は「先生なんで、こんなことしたんだ。先生のことを尊敬してたのに。」と問いただしたら、先生は「まあ、落ち着け羽島」と言い近づいてきた。そして、催眠ガスをかけてきた。俺は薄れていく意識のなか、絶対に助けるんだと強い意志を持っていたから自分の舌を噛み切り、痛みで眠らないようにした。先生は「何がそんなにお前を奮い立たたせているんだ。」と聞いてきたから、「大事な人を守りたいその一心で俺はここまで来たんだ。」と反論すると、「本当は眠らせるだけにしようとしたが羽島、お前から先に殺すしかないのか。残念だよ。」と言いナイフをカバンから出したのだった。
  先生がナイフを突き刺してきたので、回避しようとしたが、今までの疲労があり回避が少し遅れて腹の横をかすり、血が出ていた。自分の腹から出る血を見て俺は「痛って~マジで殺りにきてるじゃん。こっちも覚悟を決めますか。まだゾーンを意識的に解放出来ないけどやるしかない」と決意して、ナイフを構えている先生に意識を向けた。睡魔が襲って来る中、1番最初にやるべき事を考え、まずはあの危険なナイフをどうにかしないと思い、両膝を曲げて半身の姿勢から重力に身を任せ前方に倒れ込み、落下の速度にサッカーで鍛えた渾身の脚力を上乗せしたスピードで先生に近づいてナイフの持ち手を払った。そのまま勢いを殺しきれず先生に突進して壁にぶつけた。先生が「羽島、今の動き凄かったな。」と言ったので、俺は「今の動きを瞬電とでも呼んでます。先生これで形勢逆転です。おとなしく捕まってください。」といった。先生が「そうだな。降参だよ」いった瞬間に急に痛みが来て離れたら、先生の手にはスタンガンがあった。スタンガンでやられたらしい。痛みで痺れている俺に先生は躊躇泣くスタンガンを当ててきた。俺はさっき割った窓ガラスの破片を先生の目をめがけて投げ、先生が交わした瞬間を利用して距離を取った。俺はひとつだけ策を思いつき、先生を気絶させるにはこれしかないと考え、俺は瞬電を行い先生に接近して眼突きをしようとした。しかし、先生はそれを読んでいたのか眼突きをした手にスタンガンをあてて、来たが無理やり金的をした。先生の体勢が崩れた瞬間に拳に体重と身体の回転により生まれる力を集中させることで威力を数倍に上げた突きを鳩尾に喰らわせた。「爺さん直伝奥義 激旋」激旋をくらった先生が「ただでは、やられない。」と言い拳銃を出し、玲奈に向かって発砲した。俺は先生の前に立って、玲奈に弾が当たらないようにした。そして直後先生が力なく倒れるのを見て、玲奈の方に行こうとしたが力が入らず、その場に倒れてしまった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが

akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。 毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。 そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。 数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。 平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、 幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。 笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。 気づけば心を奪われる―― 幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

幼馴染の許嫁

山見月 あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。 彼は、私の許嫁だ。 ___あの日までは その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった 連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった 連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった 女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース 誰が見ても、愛らしいと思う子だった。 それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡 どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服 どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう 「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」 可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる 「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」 例のってことは、前から私のことを話していたのか。 それだけでも、ショックだった。 その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした 「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」 頭を殴られた感覚だった。 いや、それ以上だったかもしれない。 「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」 受け入れたくない。 けど、これが連の本心なんだ。 受け入れるしかない 一つだけ、わかったことがある 私は、連に 「許嫁、やめますっ」 選ばれなかったんだ… 八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。

幼馴染

ざっく
恋愛
私にはすごくよくできた幼馴染がいる。格好良くて優しくて。だけど、彼らはもう一人の幼馴染の女の子に夢中なのだ。私だって、もう彼らの世話をさせられるのはうんざりした。

許婚と親友は両片思いだったので2人の仲を取り持つことにしました

結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
<2人の仲を応援するので、どうか私を嫌わないでください> 私には子供のころから決められた許嫁がいた。ある日、久しぶりに再会した親友を紹介した私は次第に2人がお互いを好きになっていく様子に気が付いた。どちらも私にとっては大切な存在。2人から邪魔者と思われ、嫌われたくはないので、私は全力で許嫁と親友の仲を取り持つ事を心に決めた。すると彼の評判が悪くなっていき、それまで冷たかった彼の態度が軟化してきて話は意外な展開に・・・? ※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています

いちばん好きな人…

麻実
恋愛
夫の裏切りを知った妻は 自分もまた・・・。

【完結】少年の懺悔、少女の願い

干野ワニ
恋愛
伯爵家の嫡男に生まれたフェルナンには、ロズリーヌという幼い頃からの『親友』がいた。「気取ったご令嬢なんかと結婚するくらいならロズがいい」というフェルナンの希望で、二人は一年後に婚約することになったのだが……伯爵夫人となるべく王都での行儀見習いを終えた『親友』は、すっかり別人の『ご令嬢』となっていた。 そんな彼女に置いて行かれたと感じたフェルナンは、思わず「奔放な義妹の方が良い」などと言ってしまい―― なぜあの時、本当の気持ちを伝えておかなかったのか。 後悔しても、もう遅いのだ。 ※本編が全7話で悲恋、後日談が全2話でハッピーエンド予定です。 ※長編のスピンオフですが、単体で読めます。

幼馴染み同士で婚約した私達は、何があっても結婚すると思っていた。

喜楽直人
恋愛
領地が隣の田舎貴族同士で爵位も釣り合うからと親が決めた婚約者レオン。 学園を卒業したら幼馴染みでもある彼と結婚するのだとローラは素直に受け入れていた。 しかし、ふたりで王都の学園に通うようになったある日、『王都に居られるのは学生の間だけだ。その間だけでも、お互い自由に、世界を広げておくべきだと思う』と距離を置かれてしまう。 挙句、学園内のパーティの席で、彼の隣にはローラではない令嬢が立ち、エスコートをする始末。 パーティの度に次々とエスコートする令嬢を替え、浮名を流すようになっていく婚約者に、ローラはひとり胸を痛める。 そうしてついに恐れていた事態が起きた。 レオンは、いつも同じ令嬢を連れて歩くようになったのだ。

処理中です...