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イエス・キリストの十二使徒+αに由来する人名の各国での表記と発音、使徒の簡単な人物紹介

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【国名略称凡例】

英:英蘭(イングランド)/英吉利(イギリス)
愛:愛蘭土(アイルランド)
威:威勒士(ウエールズ)
仏;仏蘭西(フランス)
独:独逸(ドイツ)
伊:伊太利亜(イタリア)
西:西班牙(スペイン)
葡:葡萄牙(ポルトガル)
蘭:和蘭陀(オランダ)
羅:羅馬尼亜(ルーマニア)
芬:芬蘭土(フィンランド)
露:露西亜(ロシア)


◆◆◆

【ペテロ|(ペトロ)】
英:ピーター(Peter)
仏:ピエール(Pierre)
伊:ピエトロ(Pietro)
独:ペーター(Peter)
西・葡:ペドロ(Pedro)
露:ピョートル(Пётр)

【語源・意味】
シモン・ペテロ(シモン・ペトロ)とも。

ペテロはギリシャ語 petros「石,岩」で、イエスにより付けられた「岩(ケファ。ギリシャ語でペトロス)」という仇名に由来。
シモンはヘブライ語 Shimeon 「耳を傾けている、聞いている、従順」から。

【人物像】
使徒の筆頭格。アンデレの兄で漁師。
本名はバルヨナ・シモン。バルヨナ(Barjona)は「ヨナの子」の意。ちなみにヨナは「鳩」の意。
カトリックにおいては「初代のローマ教皇」とされている。

漁師、船員(漁師だったから?)、錠前職人(天国への鍵をたくされたという伝承がある)・鍛冶屋、屠殺業者、時計職人の守護聖人。
記念日(聖名祝日)は6月29日(ユリウス暦を使用する正教会では7月12日あたり)

ローマで逆さ磔(頭を下にして十字架にかけられる)で処刑

持物アトリビュート
・鍵
・聖ペトロ十字(逆十字架)
・三重横木司教杖
・書物
・雄鶏
・ジャスパー(碧玉)


◆◆◆

【アンデレ】

英:アンドルー/アンドリュー(Andrew)
仏:アンドレ (Andre)
独:アンドレアス (Andreas)
西:アンドレス (Andres)
伊:アンドレア (Andrea)
露:アンドレイ(Андрей)

【語源・意味】
ギリシャ語 Andreasアンドレアス「男性の」から派生し、「男らしい,強い,雄雄しい,勇敢な」の意。

【人物像】
ペテロの兄弟。漁師。
一説に兄と共に洗礼者ヨハネの弟子であったが、ヨハネがイエスを「神の子羊である」と言ったのを聞いて、イエスに従った。
魚屋、漁師の守護聖人。記念日は11月30日。
アカイアでX型の十字架にて磔刑。

持物アトリビュート
・聖アンデレ十字(X型の十字、斜め十字)
・ブルーサファイア


◆◆◆

【ヤコブ(ゼベダイの子ヤコブ/大ヤコブ)】

英:ジェームズ(James)/ジェイコブ(Jacob)
仏;ジャック(Jacques)/ジャーム(James)/ジャコブ(Jacob)
(注:ジャックが新約聖書のヤコブで、ジャコブが旧約聖書のヤコブを指すので、イエスの弟子のヤコブはジャックの方)
独:ヤーコブ(Jakob)
伊:ジャコモ(Giacomo)/ヤコボ(Jacopo)
西:ハコボ(Jacobo)/ハイメ(Jaime)/ディエゴ(Diego)
葡:ジャイム(Jaime)
愛:シェイマス(Seamus, Seamus)
露:ヤーコフ(Яков/Iakov, Yakov,)

【語源・意味】
旧約聖書に登場するヤコブ(別名イスラエル:神の勝者)に由来。
原意は「踵(踵を掴む者=人を出し抜く者)」(双子の兄エサウの踵を掴んで生まれてきたことから。)

【人物像】
「アルファイの子ヤコブ(小ヤコブ)」と区別するため、ゼベダイの子ヤコブ/大ヤコブとも呼ばれる。
ヨハネの兄弟。
兄弟揃ってイエスに「ボアネルゲス(雷の子)」とあだ名される。
労働者、農民、牧者、巡礼者、騎手、兵士、薬屋、獣医、鍛冶屋、毛皮職人、リューマチ患者、関節炎患者の守護聖人。

記念日は7月25日。正教会での記憶日は4月30日(ユリウス暦を使用する正教会では5月13日に相当)
ヘロデ王(ヘロデ・アグリッパ1世)によって殺害される。

持物アトリビュート
・帆立貝
・巡礼杖
・外套
・鍔広帽
・瓢箪
・剣
・ホワイトカルセドニー(白玉髄)

◆◆◆

【ヨハネ(ゼベダイの子ヨハネ/福音記者ヨハネ)】

英:ジョン(John)、シェーン(Shane)※アイルランド語のショーン(Sean)が英語化したもの
仏:ジャン(ジャン)
独:ヨハンネス/ヨハネス(Johannes)、ハンス(Hans)、ヨハン(Johann)
西:フアン/ファン(Juan)
葡:ジョアン(Joao)
伊:ジョバンニ/ジョヴァンニ(Giovanni)
露:イヴァン/イヴァーン/イワン(Иван、Ivan)
蘭:ヤン(Jan)
羅:イオアン(Ioan)
威:エヴァン/エバン(Evan)
愛:ショーン(Sean)

【語源・意味】
ヘブライ語のヨーハーナーン(Johanan)「神(ヤハウエ)は恵み深い」から。

【人物像】
洗礼者ヨハネとは別人。
大ヤコブの兄弟。
『ヨハネによる福音書』、『ヨハネの手紙一』、『ヨハネの手紙二』、『ヨハネの手紙三』、『ヨハネの黙示録』などの著者と言われる。

書店、印刷業、製本工、製紙業、彫版師、文筆家、書記、彫刻家、漁師、葡萄農家、ガラス屋、蝋燭製造、籠職人、公証人、鏡職人、てんかん・足の病気・火傷の患者の守護聖人。
記念日は12月27日。
正教会での記憶日は10月9日(修正ユリウス暦使用教会では9月26日)
処刑(殉教)されることなく、天寿を全うしたらしい。

持物アトリビュート
・蛇又は竜の付いた杯
・書物(本・巻物)、ペン、インク壷
・鷲(嘴でペンかインク壷をくわえる)
(旧約聖書『エゼキエル書』1:10に登場する四つの生き物(ライオン、牛、ワシ、人)の内の「鷲」)
・釜
・エメラルド

◆◆◆

【ピリポ(フィリポ)】

英:フィリップ(Philip/ Phillip)※男性名
  フィリッパ/フィリパ(Philippa, Filippa)※女性名
  名字のフィリップス (Philips)
仏:フィリップ(Philippe)※男性名
  フィリピーヌ(Philippine)、フィリッパ/フィリパ(Philippa, Filippa)※女性名
独:フィーリプ/フィーリップ(Philipp)
伊:フィリッポ(Filippo)
西・葡:フェリペ/フェリーペ(Felipe)
露:フィリップ(Филипп)

【語源・意味】
ギリシャ語のphilo(友愛)+ hippos(馬)で「馬を愛する者:ピリッポス/フィリッポス(Philippos)」

【人物像】
ギリシア系の人物らしく、ギリシア人(またはギリシア語を話すユダヤ人)がイエスに面会するときには仲介者となった。
ナタナエル(バルトロマイ)とイエスを引き合わせた。
帽子屋、手芸材料店の守護聖人。記念日は11月14日
(ユリウス暦をもちいる場合、グレゴリオ暦11月27日に相当)
小アジアで磔刑

持物アトリビュート
・十字架(十字架型の杖)
・パン籠
・サードニクス(赤縞瑪瑙)

◆◆◆

【バルトロマイ(ワルフォロメイ)/ナタナエル】

英:バーソロミュー(Bartholomew)/ナサニエル(Nathaniel)
仏:バルテルミ/バルテルミー(Bartholome/Barthelemy)
独:バルトロメウス(Bartholomaus)/ナターナエル(Nathanael)
露:ヴァルフォロメイ/ワルフォロメイ(Варфоломей)
伊:バルトロメオ(Bartolomeo)
葡:バルトロメウ(Bartolomeu)
西:バルトロメ(Bartolome)

【語源・意味】
バル・トロマイ→アラム語「タルマイの息子」
ナタナエル→ヘブライ語「natan "彼は与える" + el "神"。神は与えたもう/神の賜物」

【人物像】
マタイ・マルコ・ルカの各福音書にはバルトロマイという人物が使徒とされるが、ヨハネ福音書にその名は無く、代わりにナタナエルという人物の名が上げられる。
そのため伝統的にバルトロマイの本名がナタナエル(つまり「タルマイの息子ナタナエル」)であるという見方がされてきている。

最初はイエスに対して懐疑的だった(「ナザレくんだりから傑物が出るはずもない(意訳)」)が、ピリポの薦めで実際にイエスと会って感激し、弟子となる。
生皮剥ぎの刑で殉教したとされることから、解剖学の象徴とされる。
皮革職人の守護聖人。記念日は8月24日


持物アトリビュート
・ナイフ
・剥がされた皮
・レッドカーネリアン(紅玉髄)


◆◆◆

【マタイ/マテオ(徴税人のマタイ/福音記者マタイ)】

英:マシュー(Matthew)
仏:マテュー/マチュー (仏: Matthieu)
独:マテウス (独: Matthaus)
露:マトフェイ/マトヴェイ (露: Матфей) 
伊:マッテオ/マッテーオ(Matteo)
西:マテオ(Mateo)

【語源・意味】
ヘブライ語「神 (ヤハウェ)の贈り物」のギリシア語表記マタイオス (Matthaios)

【人物像】
「アルファイの子レビ」とも。
元ローマ帝国収税人。突然現れたイエスに「ついてこい」と言われ、そのまま職を捨てて付き従った。
『マタイによる福音書』の著者とされる。

取税人という自出らしく、銀行(金融関係)、税務署の守護聖人とされる。記念日は9月21日。 
ペルシャで殉教、あるいは、エチオピアで剣で殺されたとも

持物アトリビュート
・有翼の人物
(旧約聖書『エゼキエル書』1:10に登場する四つの生き物(ライオン、牛、ワシ、人)の内の「人」)
・書物(福音記者であることに由来)
・ペン/インク壷(福音記者であることに由来)
・斧
・戈槍
・アメシスト(紫水晶)


◆◆◆

【トマス】

英:トーマス/トマス(Thomas)
独:トマス(Thomas)
西:トマース(Tomas)
葡:トマーシュ/トマース(Tomas)
仏:トマ(Thomas)
伊:トンマーゾ(Tommaso)
露:ファマー(Фома)


【語源・意味】
アラム語で「双子の」の意。

【人物像】
「ユダ・ディディモ(ディディモ(Didymus)はギリシア語で「双子の」の意)」とも呼ばれるため、本名はユダであるという説もある。

情熱的だが、一寸ずれた所がある。
イエスが復活したと聞いても、「自分の目で見て、触れてみなければ信じない」と言ったことから西欧では「疑い深いトマス」、正教会では「研究を好むフォマ(トマスの東方教会風の呼び方)」とも呼ばれる。

建築家(大工・測量技師・左官・石工)、差物師、幾何学者の守護聖人。記念日は7月3日 。
インドにて剣で殺害される。

持物アトリビュート
・腰帯(聖母マリアの被昇天が信じられず、証拠を求めたところ、天からマリアの腰帯が降ってきた、という伝説に由来)
・槍/短剣(殉教の仕方に由来)
・指矩(曲尺)/定規(建築設計用具)
・ベリル(緑柱石)


◆◆◆

【ヤコブ(アルファイ(アルパヨ)の子ヤコブ/小ヤコブ)】

英:ジェームズ(James)/ジェイコブ(Jacob)
愛:シェイマス(Seamus, Seamus)
仏;ジャック(Jacques)/ジャーム(James)/ジャコブ(Jacob)
(注:ジャックが新約聖書のヤコブで、ジャコブが旧約聖書のヤコブを指すので、イエスの弟子のヤコブはジャックの方)
独:ヤーコブ(Jakob)
伊:ジャコモ(Giacomo)/ヤコボ(Jacopo
西:ハコボ(Jacobo)/ハイメ(Jaime)/ディエゴ(Diego)
葡:ジャイム(Jaime)
露:ヤーコフ(Яков/Iakov, Yakov,)


【語源・意味】
アルファイはヘブライ語「形態を変える」の意(らしい)
あるいはギリシア神話の河神アルペイオスに由来する人名か。

【人物像】
「ゼベダイの子ヤコブ(大ヤコブ)」と区別するため、小ヤコブとも呼ばれる。
ペテロに「主の兄弟」と呼ばれたため、イエスの兄弟、または従兄弟と言う説がある。
(イエスの兄弟とされる「主の兄弟ヤコブ/義人ヤコブ」という人物も、別にいる)

帽子職人、反物商の守護聖人。記念日は5月3日。
エルサレムで石打の刑に処される。または、縮緬棒で打ち殺されたとも。

持物アトリビュート
・縮絨棒/砧/棍棒(殉教の仕方に由来)
・司教杖/司教冠/司教服(エルサレム司教になったという伝説から)
・トパーズ(黄玉)


◆◆◆

【シモン/熱心党のシモン】

英:サイモン(Simon)/シメオン(Simeon)
仏:シモン(Simon)※男性名
  シモーヌ (Simone) ※女性名
独:ジーモン(Simon)/ジーメオン(Simeon)
伊:シモーネ(Simone)
露:シーモン(Семён/Semyon)

【語源・意味】
シモンは「シメオン」が変化したもので、「(神は)聞かれた/耳を傾ける・聞く」の意。

【人物像】
ギリシア語原文のマルコの福音書では「熱心者のシモン」、ルカによる福音書では「熱心党員のシモン」と、微妙に表現が違っていたりする。
熱心党(ゼロテ派)とは「信仰に熱心なあまり、過激派的な行動を取りがちな人々」の総称。ローマ支配に対するユダヤ側のレジスタンス闘争者の事を指す。
「熱心者シモン」「ペトロと呼ばれたシモン」とも。

新約聖書に名前が出てくるのみで、詳細は記されない。
「イエスの兄弟シモン」と同一視されることもある。
ペルシャにて殉教。鋸引きの刑(というか、のこぎりで体をまっぷたつに切り裂かれて)で処刑されたとされる。
木こりの守護聖人

持物アトリビュート
・鋸(のこぎり)
・十字架
・ピンクヒヤシンス(風信子石)※ヒヤシンスはジルコンの内で橙色系のもの


◆◆◆

【タダイ/ユダ・タデオ】

英:サディアス/サデウス(Thaddaeus)

【語源・意味】
タダイは「母の胸」の意味の「タドゥ」が変化したモノ。
彼の名を「心」の意味の「レーブ」から変化した「レバイ」とする写本もある

【人物像】
本名はユダ(ヤコブの子ユダ)だが、イスカリオテのユダと区別するために「タダイと呼ばれるユダ」と呼ばれる。
小ヤコブと共に、イエスの兄弟、または従兄弟と言う説がある。
イスカリオテのユダと名前が同じであったため、かつてはその名前を出すことが憚る者が多く、長く「忘れられた聖人」となっていた。
そういった経緯から、敗北者、窮乏・挫折・絶望に陥った人々、無実の罪や誤解によって失墜した人の復権、成功の見込みのない運動と主張の守護聖人とされる。
記念日はカトリックでは10月28日、正教会では6月19日
ペルシャで殉教。


持物アトリビュート
・棍棒
・戈槍
・槍
・クリソプレース

◆◆◆

【マティア(マテア、マッテア)】

英:マティアス(Matthias)
独:マティアス/マチアス(Matthias、Matias)

【語源・意味】
マタイと同義。

【人物像】
古くからのイエスの弟子。
イスカリオテのユダの死後、籤によって選ばれ、12使徒に加えられる。
記念日は5月14日
天寿を全うしたらしい。

持物アトリビュート
・斧
・鉾槍
・石
・剣
・本
・クリソライト(ペリドットまたはクリソベリル)

◇◇◇

【イスカリオテのユダ(イスカリオテのシモンの子ユダ)】

英:ジューダス(Judas)/ジューダ(Judah)
  短縮形:ジュード(Jude)

【語源・意味】
「ユダ」は「賛美」の意。
イスカリオテは「イーシュ・カリオテ(ケリヨト)」と仮定すると「カリオテ出身の男(イーシュ)」。

【人物像】
高価な香油をイエスの足に塗ったベタニアのマリアに「それを高く転売して貧しい人たちに施しをした方が良かったのに」と言うも、イエスに「この先も助けるべき貧しい人たちは皆の周りにいるが、私はもうじきいなくなる。いなくなる前に私のためにこうしてくれるマリアを責めてはいけない」と諭される。
使徒集団の会計を司っていたが、不正をはたらいていた。

銀貨三十枚(30シェケル)でイエスを売り(逮捕する時の目印として「イエスの頬に接吻」をした)、それを悔いて首を吊って自殺(転落して臓腑をぶちまけたとも)

一説に『イエスの処刑は神の計画の内で、ユダの「裏切り」も計画の中に含まれており、ユダは神の思し召し通りに動いただけである。彼の罪は「裏切り行為」ではなく、その後に「自殺した」ことにある』という解釈もある。

持物アトリビュート
・財布/銀貨をいれた袋
・鳩
・悪魔

※描く際には
・光冠(後光)がない。
・「最後の晩餐」の場合、席が他の人物と机を挟んで反対側。
・服装は黄色
とされる事が多い。

◇◇◇

【パウロ(パウロス)/サウロ】

英:ポール(Paul)
仏:ポール(Paul)
独:パウル(Paul)※ファーストネーム/パウルス (Pauls)※ファミリーネーム 
伊:パオロ(Paolo)
西:パブロ(Pablo)※愛称「パブリート(Pablito)」。
露:パーヴェル/パヴェル/パベル(Pavel/Павел)
芬:パーヴォ(Paavo)

【語源・意味】
ラテン語paulus、ギリシア語Paulos「小さな」で、本来は氏族名(名字)。
「サウロ」はヘブライ語で、パウロ(パウロス)はギリシア語名。

【人物像】
元は熱心なユダヤ教徒であり、新興宗教であるキリスト教の迫害者だった。
キリスト教徒捕縛の旅の途中、突然「何故迫害するのか」というイエスの声と光を浴びて倒れ、失明。イエスの「ダマスコの町へ入れ」との言葉に従い、その地でアナニアという信徒が彼のために祈ると「目から鱗のようなものが落ち」、光を取り戻す。
以降熱心なキリスト者となり、各地への布教、特に異邦人への伝道を行う。

新約聖書「パウロ書簡」群の著者とされる。

織物業者、神学者の守護聖人。記念日は6月29日。
ローマで斬首される。

持物アトリビュート
・剣
・本

◇◇◇

【マルコ(福音記者マルコ/マルコと呼ばれたヨハネ)】

英:マーク(Mark/Marc)
仏:マルク(Marc)、
独:マルコ(Marko)
伊:マルコ/マールコ(Marco) 
西:マルコス(Marcos)
チェコ/ポーランド:マレク(Marek)
露:マルク(Mark/Марк)

【語源・意味】
ローマ神話の軍神「マルス(Mars)」に由来するらしいラテン語のMarticus(マルティクス)の省略形のMarcus(マルクス)が語源。

【人物像】
新約聖書中の「マルコによる福音書」の著者とされる。
公証人、ガラス職人、建築労働者の守護聖人。
カトリック教会・正教会での記念日は4月25日(ユリウス暦を使用する正教会では5月8日に相当)。

持物アトリビュート
・ライオン/翼のあるライオン
(旧約聖書『エゼキエル書』1:10に登場する四つの生き物(ライオン、牛、ワシ、人)の内の「ライオン」)
・本

◇◇◇

【ルカ(路加)/福音記者ルカ/ルカノス(ルカヌス)】

英:ルーク(Luke)、ルーカス(Lucas)
仏:リュック(Luc)、リュカ (Lucas)
独:ルーカス(Lukas)
伊:ルカ/ルーカ(Luca)、ルーチョ (Lucio)、ルチアーノ/ルシアーノ(Luciano)
西:ルシオ/ルーシオ/ルッシオ(Lucio)、ルーカス (Lucas)、ルシアーノ (Luciano)
葡:ルシオ(Lucio)、ルーカス (Lucas) 
露:ルカ/ルカー(Лука、Luka)

【語源・意味】
ラテン語のルキウス (Lucius) 、ルカス (Lucas) に由来。
語源はラテン語で「輝く」の意の「ルクス(lux)」

【人物像】
シリアのアンテオケア生まれ。ギリシア語話者であるらしい。
新約聖書の「ルカによる福音書」および「使徒行伝」の著者とされる。
使徒パウロの協力者・随従者。
パウロ書簡の一つ「コロサイ人への手紙」に『愛する医者ルカ(4章14節)』と記載されており、職業は医師であったとされる。
各地に「聖ルカ(聖路加)」を冠する医療機関があるのはそのため。
また、初めて聖母マリアを絵に描いた画家であったという伝承があり、それにちなんでネーデルランドの各都市にある画家ギルドがみな「聖ルカ組合」を名乗った。
カトリック教会での記念日は10月18日、正教会での記憶日は4月22日(5月3日)。
医者と芸術家(特に画家)の守護聖人。
生涯独身で、天寿を全うしたという。

持物アトリビュート
・牛(翼のある牡牛)
(旧約聖書『エゼキエル書』1:10に登場する四つの生き物(ライオン、牛、ワシ、人)の内の「牛」)
・本/巻紙
・外科医療器具(の入った袋)
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