デスゲームで出会った美少年とトキメキたい!

あげにゃんこ

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ハジマリ

内容はぁ?

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「さてさて、まずはゲームと言いましたがぁ、お察しの通りこれはいわゆるというやつでぇす!」

デスゲーム、という単語に耳を疑う余地もなく納得してしまう。この状況でいうゲームなのだからまあそういう事なのだろう、というのは容易に検討がついていた。

状況を飲み込むとまではいかなくとも、起きていることの片鱗を掴み、話を聞くだけの余裕は出来た。

「ゲーム内容はぁ、僕の担当じゃないので教えられませぇん。でもでも!このゲームの賞品は教えられますよぉ!気になりますよねぇ?」

スーツの男は気味の悪い薄ら笑いで調子よく話している。
もし、ゲームの内容が単なる殺し合いだとしたら、さっきのような大柄な男に殴られたらイチコロだ。私は不安に駆られ、

「あの、このゲームの内容ってどんなのだと思いますか…? 殺し合いとか…?」

と私はコソッと隣の美少年に声をかけた。彼は座って同じようにスーツ男の話を聞いていたようだ。彼は私の声に一瞬驚いたあと、

「少なくともゲームバランスが崩れるような内容にはしないと思うな。僕の予想でしかないけどね。」

顔だけこっちに向けて優しい声でそう言い、苦笑いをした。確かにその通りだ。こんな大掛かりなことをするヤツらならきっとそんな単純なことさせないだろう。ならばゲームと言うからには頭脳戦だろうか──────────

そんなことを考えていると、

「っ」

と横から声が漏れ、そちらを向くと美少年が目の前を驚いた顔で見つめている。
慌てて前方を見ると、先程まで壇上にいたはずのスーツの男があの不気味な薄ら笑いを浮かべて目の前に立っていた。

音がしなかった。

「話さないように、と言ったのにぃ、若い人は聞き分けが悪いですねぇ。」

声が出ない。咄嗟のことに身体も固まって動けない。スーツの男の顔を見たままどうすることも出来なかった。

スーツの男は私の方へ、一歩歩み出た。

殺される──────────

「…すみません、ゲームの賞品が何か気になっちゃって。」

そう思った瞬間、隣の彼が顔色を変えずそう言った。
すると、スーツの男は彼の方を向いてケタケタと大きく笑いだし、

「そうですか、わかってますねぇ!あなた達はぁ!そう、今回のゲームの賞品はぁ!!!」

そう言いながらくるっと壇上に向き直ると、瞬きの間に壇上へ再度立っていた。
それは人知を越えた所業だった。そのままスーツの男は壇上でスポットライトを浴びながら両手を大きく広げた。

「あなた達の記憶とぉ!願い事1つでぇす!!

皆さんの中にも気付いておられる方もいると思いますがぁ、記憶はゲームに不要要素なので取り除かせていただきましたぁ。

ゲームの勝者にはこちらが返却されまぁす!

そして願い事!これはあの人を生き返らせたい、不老不死になりたい、金持ちになりたいどんな願いでも叶いまぁす!!
我々が保証しましょぉ!!」

そう言ってスーツの男は楽しそうに拍手をした。
そして、人差し指を立てて、 

「でもでも、皆さんは勝つためにぃ、このルールだけは守りましょぉー!

まず、暴力は絶対禁止ぃ!もちろんゲーム内容によってはありにもなりますがぁ!

次に、我々ディーラー側の指示に従うことぉー!

そして最後!敷地内からでないことぉ!!」

と説明した。
敷地内、という言葉に違和感を覚えたが、暴力が禁止事項になっているのを聞いてひとまずは安心できた。すぐに殺されるという心配は無さそうだ。

「ルールはぁこのくらいかなぁー、じゃあちゃぁんと聞いてくれた皆さんに僕からプレゼントォ!」

スーツの男がそう言うと、私たちの足元の床が直方体に切り抜かれ、中からバッジが出てきた。六角形の白地で真ん中に数字が書いてある。

17だ。

「皆さん記憶がないと名前がなくて識別がめんどぉですよねぇ、なのでそちらは任意の場所につけてくださぁい!参加者は99人!番号は1~99までありまぁす。」

スーツの男らが識別しやすくするためでもあるのだろう。と思ったが、大人しく左の胸につけた。隣を見ると、少年はズボンのポケットに付けたようだ。

ほとんどの人がつけたのをニヤニヤとしながら確認した後、スーツの男は頷き、胸ポケットから黒地のバッチを取り出した。

「それではみなさんが一番気になってるであろう僕のお名前はぁー!320と書いて、と読みまぁす!!よろしくねぇー?」
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