26 / 28
26
「……嘘でしょう?」
私は鏡の中の自分を見て、絶句していた。
そこに映っていたのは、いつもの「作業着の女」ではなかった。
深く艶やかなミッドナイトブルーのドレス。
生地には最高級の「伸縮性魔法シルク」が使われており、どんなに動いても破れないし、筋肉の動きを阻害しない。
そして何より、デザインだ。
背中が大きく開いたバックレススタイル。
これにより、日々の懸垂で鍛え上げられた広背筋(ラットスプレッド)の美しい逆三角形ラインが、隠されることなく露わになっている。
さらに、腕部分はノースリーブで、上腕三頭筋のカットが照明を受けて芸術的な陰影を描いている。
「素晴らしい……」
専属のデザイナー(筋肉フェチ疑惑あり)が、私の背中を見てうっとりと溜息をついた。
「コロロ様の『鬼の貌(オーガ)』のような背筋……! それを縁取るレースの装飾! これぞ『強さ』と『美』の融合です!」
「……褒め言葉として受け取っておくわ」
私は恐る恐る体を捻ってみた。
窮屈さはゼロ。
これなら、突然ドラゴンが襲ってきてもハイキックで撃墜できる。
「コロロ、準備はいいか?」
扉が開き、正装したシリウスが入ってきた。
彼は私を見た瞬間、足を止めた。
そのアイスブルーの瞳が、熱っぽく揺れる。
「……美しい」
彼は私の手を取り、甲に口づけをした。
「私の想像以上だ。夜空のようなドレスが、君の白磁の肌と……研ぎ澄まされた筋肉を引き立てている」
「筋肉を褒める貴族なんて、貴方くらいよ」
「最高の賛辞だと言っただろう? さあ、行こう。戦場(ホール)が待っている」
彼は私の腕を取り、エスコートした。
***
大広間は、数百人の貴族たちで埋め尽くされていた。
煌びやかなシャンデリア、生演奏の音楽、そして飛び交う噂話。
「お聞きになりまして? 陛下が連れてきた女性のこと」
「なんでも、隣国を追放された悪役令嬢だとか……」
「野蛮な女だそうよ。きっとドレスも着こなせない田舎娘に違いありませんわ」
そんな意地悪な囁きが聞こえてくる。
ふん、どこに行ってもこういう手合いはいるものね。
「陛下のご入場です!」
儀典長の声が響き渡る。
重厚な扉がゆっくりと開いた。
シリウスが胸を張り、堂々と歩き出す。
私はその半歩後ろを、背筋をピンと伸ばして進んだ。
淑女の歩き方ではない。
体幹を固定し、地面をしっかりと捉える「武術の歩法(すり足)」を応用した、ブレのない移動。
ザッ、ザッ、ザッ。
静寂。
会場中の視線が私たちに突き刺さる。
「……っ!」
誰かが息を呑んだ。
「な、なんだあの美しい女性は……?」
「あの背中……なんて気高い……!」
「歩くだけで風圧を感じるぞ……!?」
嘲笑の声は聞こえない。
あるのは、圧倒的な「存在感」への畏怖だけだ。
私の鍛え上げた肉体美は、貧弱な貴族たちの美意識を、物理的な説得力で粉砕したらしい。
私たちはホールの中央へ進んだ。
シリウスが立ち止まり、私に向き直る。
「……踊っていただけますか? マイ・レディ」
彼は優雅に手を差し出した。
「喜んで。……足を踏んだらごめんなさいね(骨折的な意味で)」
「望むところだ」
私が手を取ると同時に、オーケストラの演奏が始まった。
曲は、激しくも情熱的なタンゴ調のワルツ。
ダンッ!
シリウスが強く踏み込む。
私も負けじと踏み返す。
ギュンッ!!
私たちは回転した。
普通のワルツではない。
遠心力を極限まで利用した、超高速スピンだ。
「速い……っ!」
周囲の貴族たちが悲鳴を上げて後退る。
私のステップは、岩場を駆け抜けるトレーニングで培った俊敏性そのもの。
シリウスのリードは、剣術の達人らしい無駄のない体重移動。
二つの力がぶつかり合い、火花が散るようなダンス。
ドレスの裾が鞭のように空気を切り裂く。
「楽しいか? コロロ」
回転しながら、シリウスが至近距離で囁く。
「ええ! 最高よ! 良い有酸素運動だわ!」
私は笑顔で答えた。
彼の手の平から伝わる力強さが心地よい。
この人は、私の全力を受け止めてくれる。
手加減も、遠慮もいらない。
「っと!」
曲の盛り上がり(サビ)で、シリウスが私を高くリフトした。
私の身体が宙に舞う。
シャンデリアが目の前に迫る。
普通の令嬢なら「きゃあ!」と怖がるところだ。
だが、私は空中で腹筋に力を込め、ピタリと水平姿勢を維持した。
美しき「ヒューマン・フラッグ(人間鯉のぼり)」のポーズである。
「おおおぉぉぉ!!」
会場からどよめきが起きる。
着地。
音もなく床に降り立ち、そのままフィニッシュのポーズを決める。
シリウスが私の腰を抱き、私が彼の肩に手を置き、互いに見つめ合う。
激しい運動の後なのに、二人の息は乱れていない。
ジャンッ!
演奏が終わる。
数秒の静寂の後。
ワァァァァァァァァッ!!!
割れんばかりの拍手喝采が巻き起こった。
「ブラボー!」
「なんて力強いダンスだ!」
「新しい芸術だ!」
貴族たちが興奮してスタンディングオベーションを送っている。
どうやら、「筋肉ワルツ」は帝国のトレンドとして受け入れられたらしい。
「……ふっ、勝ったな」
シリウスが満足げに笑った。
「何に?」
「世間の常識にだ」
彼は私の手を引き、バルコニーへと向かった。
熱狂するホールを背に、夜風が心地よい場所へ。
「コロロ」
バルコニーに出ると、シリウスは私の手すりに手を置き、私を閉じ込めるように立った。
いわゆる「壁ドン(手すりドン)」だ。
「……な、なによ。ダンスは終わったわよ?」
心臓が、ダンスの時よりも激しく跳ねる。
「ああ。だが、ここからが本番だ」
彼は真剣な眼差しで、ポケットから小さな箱を取り出した。
「リゾートでは言えなかった言葉を、今ここで言わせてもらおう」
月明かりの下、箱が開かれる。
そこに入っていたのは、巨大なダイヤモンド……ではなく。
深紅に輝く、見たこともない金属の指輪だった。
「これは……?」
「オリハルコンだ」
「えっ!?」
「世界で最も硬く、魔力を通しやすい幻の金属。……普通の宝石では、君の握力で砕けてしまうかもしれないからな。ドワーフの鍛冶師に頼んで、特別に加工させた」
シリウスは指輪を摘み上げた。
デザインは繊細で美しいが、その強度はドラゴンの鱗をも凌ぐだろう。
まさに、私のためだけの指輪。
「コロロ・フォン・ベルガモット」
彼は片膝をついた。
騎士が姫に忠誠を誓うように。
「君の強さも、優しさも、その美しい筋肉も、全て私が守り抜く。……どうか、私の生涯のパートナー(共犯者)になってくれないか?」
それは、世界で一番、物理的に「硬い」愛の告白だった。
私は鏡の中の自分を見て、絶句していた。
そこに映っていたのは、いつもの「作業着の女」ではなかった。
深く艶やかなミッドナイトブルーのドレス。
生地には最高級の「伸縮性魔法シルク」が使われており、どんなに動いても破れないし、筋肉の動きを阻害しない。
そして何より、デザインだ。
背中が大きく開いたバックレススタイル。
これにより、日々の懸垂で鍛え上げられた広背筋(ラットスプレッド)の美しい逆三角形ラインが、隠されることなく露わになっている。
さらに、腕部分はノースリーブで、上腕三頭筋のカットが照明を受けて芸術的な陰影を描いている。
「素晴らしい……」
専属のデザイナー(筋肉フェチ疑惑あり)が、私の背中を見てうっとりと溜息をついた。
「コロロ様の『鬼の貌(オーガ)』のような背筋……! それを縁取るレースの装飾! これぞ『強さ』と『美』の融合です!」
「……褒め言葉として受け取っておくわ」
私は恐る恐る体を捻ってみた。
窮屈さはゼロ。
これなら、突然ドラゴンが襲ってきてもハイキックで撃墜できる。
「コロロ、準備はいいか?」
扉が開き、正装したシリウスが入ってきた。
彼は私を見た瞬間、足を止めた。
そのアイスブルーの瞳が、熱っぽく揺れる。
「……美しい」
彼は私の手を取り、甲に口づけをした。
「私の想像以上だ。夜空のようなドレスが、君の白磁の肌と……研ぎ澄まされた筋肉を引き立てている」
「筋肉を褒める貴族なんて、貴方くらいよ」
「最高の賛辞だと言っただろう? さあ、行こう。戦場(ホール)が待っている」
彼は私の腕を取り、エスコートした。
***
大広間は、数百人の貴族たちで埋め尽くされていた。
煌びやかなシャンデリア、生演奏の音楽、そして飛び交う噂話。
「お聞きになりまして? 陛下が連れてきた女性のこと」
「なんでも、隣国を追放された悪役令嬢だとか……」
「野蛮な女だそうよ。きっとドレスも着こなせない田舎娘に違いありませんわ」
そんな意地悪な囁きが聞こえてくる。
ふん、どこに行ってもこういう手合いはいるものね。
「陛下のご入場です!」
儀典長の声が響き渡る。
重厚な扉がゆっくりと開いた。
シリウスが胸を張り、堂々と歩き出す。
私はその半歩後ろを、背筋をピンと伸ばして進んだ。
淑女の歩き方ではない。
体幹を固定し、地面をしっかりと捉える「武術の歩法(すり足)」を応用した、ブレのない移動。
ザッ、ザッ、ザッ。
静寂。
会場中の視線が私たちに突き刺さる。
「……っ!」
誰かが息を呑んだ。
「な、なんだあの美しい女性は……?」
「あの背中……なんて気高い……!」
「歩くだけで風圧を感じるぞ……!?」
嘲笑の声は聞こえない。
あるのは、圧倒的な「存在感」への畏怖だけだ。
私の鍛え上げた肉体美は、貧弱な貴族たちの美意識を、物理的な説得力で粉砕したらしい。
私たちはホールの中央へ進んだ。
シリウスが立ち止まり、私に向き直る。
「……踊っていただけますか? マイ・レディ」
彼は優雅に手を差し出した。
「喜んで。……足を踏んだらごめんなさいね(骨折的な意味で)」
「望むところだ」
私が手を取ると同時に、オーケストラの演奏が始まった。
曲は、激しくも情熱的なタンゴ調のワルツ。
ダンッ!
シリウスが強く踏み込む。
私も負けじと踏み返す。
ギュンッ!!
私たちは回転した。
普通のワルツではない。
遠心力を極限まで利用した、超高速スピンだ。
「速い……っ!」
周囲の貴族たちが悲鳴を上げて後退る。
私のステップは、岩場を駆け抜けるトレーニングで培った俊敏性そのもの。
シリウスのリードは、剣術の達人らしい無駄のない体重移動。
二つの力がぶつかり合い、火花が散るようなダンス。
ドレスの裾が鞭のように空気を切り裂く。
「楽しいか? コロロ」
回転しながら、シリウスが至近距離で囁く。
「ええ! 最高よ! 良い有酸素運動だわ!」
私は笑顔で答えた。
彼の手の平から伝わる力強さが心地よい。
この人は、私の全力を受け止めてくれる。
手加減も、遠慮もいらない。
「っと!」
曲の盛り上がり(サビ)で、シリウスが私を高くリフトした。
私の身体が宙に舞う。
シャンデリアが目の前に迫る。
普通の令嬢なら「きゃあ!」と怖がるところだ。
だが、私は空中で腹筋に力を込め、ピタリと水平姿勢を維持した。
美しき「ヒューマン・フラッグ(人間鯉のぼり)」のポーズである。
「おおおぉぉぉ!!」
会場からどよめきが起きる。
着地。
音もなく床に降り立ち、そのままフィニッシュのポーズを決める。
シリウスが私の腰を抱き、私が彼の肩に手を置き、互いに見つめ合う。
激しい運動の後なのに、二人の息は乱れていない。
ジャンッ!
演奏が終わる。
数秒の静寂の後。
ワァァァァァァァァッ!!!
割れんばかりの拍手喝采が巻き起こった。
「ブラボー!」
「なんて力強いダンスだ!」
「新しい芸術だ!」
貴族たちが興奮してスタンディングオベーションを送っている。
どうやら、「筋肉ワルツ」は帝国のトレンドとして受け入れられたらしい。
「……ふっ、勝ったな」
シリウスが満足げに笑った。
「何に?」
「世間の常識にだ」
彼は私の手を引き、バルコニーへと向かった。
熱狂するホールを背に、夜風が心地よい場所へ。
「コロロ」
バルコニーに出ると、シリウスは私の手すりに手を置き、私を閉じ込めるように立った。
いわゆる「壁ドン(手すりドン)」だ。
「……な、なによ。ダンスは終わったわよ?」
心臓が、ダンスの時よりも激しく跳ねる。
「ああ。だが、ここからが本番だ」
彼は真剣な眼差しで、ポケットから小さな箱を取り出した。
「リゾートでは言えなかった言葉を、今ここで言わせてもらおう」
月明かりの下、箱が開かれる。
そこに入っていたのは、巨大なダイヤモンド……ではなく。
深紅に輝く、見たこともない金属の指輪だった。
「これは……?」
「オリハルコンだ」
「えっ!?」
「世界で最も硬く、魔力を通しやすい幻の金属。……普通の宝石では、君の握力で砕けてしまうかもしれないからな。ドワーフの鍛冶師に頼んで、特別に加工させた」
シリウスは指輪を摘み上げた。
デザインは繊細で美しいが、その強度はドラゴンの鱗をも凌ぐだろう。
まさに、私のためだけの指輪。
「コロロ・フォン・ベルガモット」
彼は片膝をついた。
騎士が姫に忠誠を誓うように。
「君の強さも、優しさも、その美しい筋肉も、全て私が守り抜く。……どうか、私の生涯のパートナー(共犯者)になってくれないか?」
それは、世界で一番、物理的に「硬い」愛の告白だった。
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています
かきんとう
恋愛
王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。
磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。
その中心に、私は立っていた。
――今日、この瞬間のために。
「エレノア・フォン・リーベルト嬢」
高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。
誘拐された公爵令嬢ですが、なぜか皇帝に溺愛されています』
富士山麓
恋愛
舞踏会で王太子から婚約破棄を告げられそうになった瞬間――
目の前に現れたのは、馬に乗った仮面の皇帝だった。
そのまま攫われた公爵令嬢ビアンキーナは、誘拐されたはずなのに超VIP待遇。
一方、助けようともしなかった王太子は「無能」と嘲笑され、静かに失墜していく。
選ばれる側から、選ぶ側へ。
これは、誰も断罪せず、すべてを終わらせた令嬢の物語。
すみっこ婚約破棄同盟〜王子様による婚約破棄のすみっこで〜
まりー
恋愛
ある夜会で王子とその側近達の婚約破棄が行われた。腕に恋人をぶら下げて。所謂、王道断罪劇である。
でもこのお話の主役は麗しのヒロインでも、キラキラ王子でも、学園一の秀才や騎士団期待のホープでもない。これは王道のすみっこで行われた、弱小貴族と商人の子息たちの婚約破棄のお話である。
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
「もう俺ら、恋なんてしない!」と言う小学生の息子の話を参考に書きました。登場人物の男子たちの頭は小学生レベルだと思って読んでください。
追放された宮廷花師が辺境の荒野に花を咲かせたら、王都の庭園だけが枯れ続けているようです
歩人
ファンタジー
「花を飾るだけの令嬢は不要だ」——王城の庭園を十年守った伯爵令嬢フローラは追放された。
翌月、王城の庭園が一夜にして枯れ果てる。さらに隣国への外交花束を用意できず国際問題に——
フローラの花束に込められた花言葉が、実は外交メッセージそのものだったのだ。
一方、辺境の荒野に降り立ったフローラが地面に触れると花が芽吹き始める。
荒野を花畑に変えていくスローライフの中で、花の感情が色で見える加護が目覚めて——。
「通訳など辞書で足りる」と追放された令嬢——三国会談で、婚約者は一言も話せなくなった
歩人
ファンタジー
宮廷通訳官エレノーラは五つの言語を操り、婚約者クラウスの外交を陰で支えてきた。
だがクラウスは言った。「通訳など辞書で足りる。お前は要らない」
追放されたエレノーラは隣国で新たな道を歩み始める。
一方、クラウスは三国会談の場で辞書片手に立ち往生。
誤訳が外交問題に発展し、窮地に陥ったその場に、隣国の通訳官として現れたのは——。
「その言葉は、もう翻訳できません」
『生きた骨董品』と婚約破棄されたので、世界最高の魔導ドレスでざまぁします。私を捨てた元婚約者が後悔しても、隣には天才公爵様がいますので!
aozora
恋愛
『時代遅れの飾り人形』――。
そう罵られ、公衆の面前でエリート婚約者に婚約を破棄された子爵令嬢セラフィナ。家からも見放され、全てを失った彼女には、しかし誰にも知られていない秘密の顔があった。
それは、世界の常識すら書き換える、禁断の魔導技術《エーテル織演算》を操る天才技術者としての顔。
淑女の仮面を捨て、一人の職人として再起を誓った彼女の前に現れたのは、革新派を率いる『冷徹公爵』セバスチャン。彼は、誰もが気づかなかった彼女の才能にいち早く価値を見出し、その最大の理解者となる。
古いしがらみが支配する王都で、二人は小さなアトリエから、やがて王国の流行と常識を覆す壮大な革命を巻き起こしていく。
知性と技術だけを武器に、彼女を奈落に突き落とした者たちへ、最も華麗で痛快な復讐を果たすことはできるのか。
これは、絶望の淵から這い上がった天才令嬢が、運命のパートナーと共に自らの手で輝かしい未来を掴む、愛と革命の物語。
世継ぎは他の妃が産めばいい——子を産めない私ですが、帝の寵愛を独占して皇后になりました
由香
恋愛
後宮に入る女の価値は、ただ一つ。
——皇子を産めるかどうか。
けれど私は、産めない。
ならば——
「世継ぎは他の妃に任せます。私は、陛下に愛される女になります」
そう言い放ったその日から、すべてが狂い始めた。
毒を盛られても、捨てられず。
皇子が生まれても、選ばれたのは私だった。
「お前は、ここにいろ」
これは、子を産めない女が
ただ一つの武器“寵愛”だけで頂点に立つ物語。
そして——
その寵愛は、やがて狂気に変わる。
聖女様と間違って召喚された腐女子ですが、申し訳ないので仕事します!
碧桜
恋愛
私は花園美月。20歳。派遣期間が終わり無職となった日、馴染の古書店で顔面偏差値高スペックなイケメンに出会う。さらに、そこで美少女が穴に吸い込まれそうになっていたのを助けようとして、私は古書店のイケメンと共に穴に落ちてしまい、異世界へ―。実は、聖女様として召喚されようとしてた美少女の代わりに、地味でオタクな私が間違って来てしまった!
落ちたその先の世界で出会ったのは、私の推しキャラと見た目だけそっくりな王(仮)や美貌の側近、そして古書店から一緒に穴に落ちたイケメンの彼は、騎士様だった。3人ともすごい美形なのに、みな癖強すぎ難ありなイケメンばかり。
オタクで人見知りしてしまう私だけど、元の世界へ戻れるまで2週間、タダでお世話になるのは申し訳ないから、お城でメイドさんをすることにした。平和にお給料分の仕事をして、異世界観光して、2週間後自分の家へ帰るつもりだったのに、ドラゴンや悪い魔法使いとか出てきて、異能を使うイケメンの彼らとともに戦うはめに。聖女様の召喚の邪魔をしてしまったので、美少女ではありませんが、地味で腐女子ですが出来る限り、精一杯頑張ります。
ついでに無愛想で苦手と思っていた彼は、なかなかいい奴だったみたい。これは、恋など始まってしまう予感でしょうか!?
*カクヨムにて先に連載しているものを加筆・修正をおこなって掲載しております