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生活

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14歳の頃に、王太子の婚約者になることができた。
フロンティア以外誰もいないと満場一致で、選ばれたのであった。


婚約者になれたことを、両親は喜んでくれると思っていたら、
「公爵令嬢としては当たり前だ。」とお父様に言われた。

お母様も喜んでもらえると思ったけど、、、
「あなたがなれたのね。。。」ため息をつかれた。
どうして?と考えていると、、


「よかったわね。
私は、王太子妃教育が終わらなかったのよ。
王妃になりたかったのに、、、羨ましいわ。そして憎いわ。」

お母様は、私に向ける顔が冷たかった。
母としての顔ではなかった。
本当に憎しみが顔に出ていた。
意味がわからなかった。
わたしは、家のために頑張ったのに、、、
初めて見る母の顔にショックを受けた。

王宮へ挨拶に行くと、王太子は、優しかった。

「君が、王太子妃になることは、嬉しい。僕のために頑張ってくれてありがとう。これからもよろしく」

王太子との関係は良くなりそう。優しそう。王太子のためなら頑張れる。


「あなたが、アンリーナの娘ね。
私たちは王太子妃教育を一緒に受けていた。
国王陛下にいいよっていたのよ。
国王陛下も迷惑だったのよ。」

「申し訳ありません」

お母様の姿が想像できなかった。
わたしが知っているお母様は、とても綺麗で、お淑やか。
でもあの時、、
王太子妃教育が終わらなかったと言っていたのは事実だった。
王妃様との関係は、うまくいかず、初めからよく思われなかったし、挽回できなかった。
王妃様からの嫌がらせが続いた。
ある日、
お茶に呼ばれるとメイドと同じようにさせられた。

でも、これも王妃様の命令であるから、従わないといけなかった。
初めは、王妃様といる時だけで良かったのに、エスカレートして、皆さんがいる時も、メイドとして、使われた。

くすくすと笑う令嬢や夫人。誰1人助けてくれなかった。

なぜこんな仕打ちに合わないといけないかわからなかった。
王妃様は私を嫌っているから、どんなに頑張っても無理だった。

それだけではなく、
その後、なぜか、王妃の仕事も増え、王太子の仕事も回ってきた。


王太子も
「君が王太子妃なら安心だ。俺のためにありがとう」と笑顔で、言うだけで、助けてくれなかった。
自分の仕事なのに、自分でやろうとしなかった。

フロンティアは、睡眠時間を削り、ゆっくりお茶を飲む時間もなく、働くことになった。

流石に辛くなってきて、宰相であるお父様に改善してもらおう相談した。

「お父様、、少し仕事の量が多いようで、、、」


「そんなのでは、王太子妃にはなれない。もっとしっかりしなさい。
宰相の娘ができないわけないと。」

説教を受けた。
誰1人私を助けてくれる人がいない。
もう誰も私の味方はいなかった。

それから、今まで以上に睡眠時間削り、化粧をし、素顔を見せなくなった。

王太子は、優しい口調だけど、私の事を思っていなかった。
全て自分のためだった。
全ての人に裏切られた。私は、実務するだけの王太子の婚約者となった。

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