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人の距離

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リサsaid 
シーナとは、お茶したり、刺繍したり、
双子コーデをしたり、可愛いシーナのようになりたいと思うようになってきた。
シーナのようになれなくても、近づきたい。
アクセサリーを売る側もきちんとしないといけない。
今までもそう思っていたけど、知識を知らなすぎた。
公爵様には本当に感謝しかない。

カイト様は、優しくて、ついつい話をしてしまう。
私を否定しない人だから。
優しく見守ってくれるし、それなのに頼り甲斐がある。
カイト様みたいな人と結婚できると私は幸せになれるだろうな。
平民の私と次期公爵様とは身分が違うわ。


何より、シーナと姉妹のように過ごせるのが楽しかった。
マリとは、こんな会話もないし、いつも私を戒めるだけだもの。

でも、もう直ぐ1か月。
そろそろ出て行かないといけないな。
住む家を探さないといけないな。




カイトsaid 
リサと一緒に過ごす時間は多くなった。

シーナと俺は、リサを取り合った。

「お兄様ばかりずるい。私もリサと一緒に居たい。」

「シーナもずるいぞ。リサといる時間が減る。」

と兄妹喧嘩になる。


リサは、謙虚で、自信がないのに、
いろんなことができる。
刺繍も、ダンスも令嬢が、できると良いものは、普通にできる。いや。普通以上にできる。

学園も辞めさせらたらしいから、公爵から行けばいいから、と父が言ったらしいけど、
「公爵様。ありがとうございます。私、じつは、飛び級をしていまして、もう卒業しますの。」

「え?飛び級?」

「あまりにも執務が忙しくて、学園に行く暇がなくなってきたので、短期間で、単位をとりましたのよ。」

「本当に?」

「、、、、一緒に暮らしていても、食事に呼ばれません。
お茶の時間も、、、
私以外のものが楽しんでいるのをみたくないから、学園で過ごせるだけ過ごしましたら、単位をはやく取ることができましたの。」

「リサ、、、」


リサは親に愛されたかった。
家族や使用人にも愛されたかったんだと思う。でもそれは叶わなかった。
だから、家族と距離をとって過ごしたんだろ。

本当は、
「私を愛して」と叫びたかったはずだ。

公爵のみんなは、そんなリサをかわいがった。
使用人達もみんなリサの事を好きになった。

リサは、メイドや、庭師など使用人の名前を全て覚え、いつもありがとうと声をかける。

掃除してもらう時も、
「ありがとう。いつも綺麗にしてくれて、手伝えることがあれば言ってね。」

庭師には、
「公爵のお庭はとても綺麗。お花が輝いているわ。あなたの愛情がお花を輝かせているのね」

「どこの庭師も自分の庭は命をかけますよ。」

「そうなのね。私は侯爵にある庭は、そんなふうに見えたことがないから、心が歪んでいたのかもしれないわね。今見たら少しでも変わるかしら?でも、私は公爵のお庭が好きだわ」

それを聞いた庭師は、庭にあるシャクヤクをリサにあげたそう。

「もらってもいいの?」

「はい。またメイドに届けさせますね。」

「ありがとう。奥様に言って、一輪挿しをもらうわ」

あの庭師は曲者である。腕は確かだが、偏屈。
庭の花をくれないことで有名だった。
一度母上が、
「お花を部屋で飾りたい」と言ったのに、お部屋に飾る必要はありませんよ。
私が管理をしている花を見るべきだと言われたそう。

リサだけは特別なようだ。


メイド長は、マッサージ、食事について徹底にして、磨き上げていた。


今までの食事は、もってのほか。
侯爵家は何をしているわけ。信じられないといい、シェフとリサ専用のメニューを考えたそうだ。

野菜もたくさん。
お肉も食べさせていた。

美学も教え、
いろんなことを教えてもらってる。
どんどん綺麗になっていく。

それが俺のためなら嬉しいけどな。と思ってしまう。


食事を食べ終わると、

「シェフ。ありがとう。今日の〇〇とても美味しかったわ。また作ってね。」


公爵邸で食べる食事は、全てが美味しいらしい。食べる雰囲気も良くて、
私を追い出さない。邪魔扱いをしない。
それに。食事一つ一つに思いがあった。
シェフもわたしが量を食べれないことがわかっていたので、食事の回数を増やしてくれた。
侯爵で、食事をするのはサンドが、多かったから、ここにきた時は、子供の量しか食べれなかった。

スムージーにして、野菜を摂らせてくれたり、野菜ケーキにしてくれた。

人並みに食べれるようになってきたら、お肉がついてきたようだ。


今まであったことも俺には話をしてくれる。それも嬉しい。




リサは、家族との距離があいている。
家族から、避けられてきたようだから、その距離感が身についてる。

でも、公爵家に来て、少しずつ縮まってきた。

普通の家族の愛情を味わってもらいたい。



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